2026年5月度外食産業売上プラス9.8%…54か月連続の前年比プラス
2026/06/26 16:00
日本フードサービス協会は2026年6月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2026年5月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売上は前年同月比でプラス9.8%を示した。大型連休の行楽需要が好調だったことや、土日数が2日多い曜日回りが底上げをした。中旬を中心に比較的天候に恵まれたことや、各社とも各種施策で集客に努めていることも客足をけん引した(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。
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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が229、店舗数は3万7358店舗。今回月は前回月と比較すると事業社数は増加、店舗数も増加している。
全業態すべてを合わせた2026年5月度売上状況は、前年同月比で109.8%となり、9.8%の増加を記録した。これは前回月から継続する形で54か月連続の増加。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では休日は1日多く、土曜日も1日多くなり、売上の観点ではプラス。気象環境では雨天日は東京は少なく大阪も少ない、平均気温は東京・大阪ともに高い。客足への影響判断はプラス。
新型コロナウイルス流行に関しての5類移行やインバウンドの回復傾向などの動きから人の流れは増加し、これらが外食需要の高まりとともに売上増につながっている。今回月では大型連休の行楽需要が好調で、土日数が2日多い曜日回りが客足を底上げした。中旬を中心に比較的天候に恵まれたことや、各社とも各種施策で集客に努めていることも幸いした。結果として客数は全体では前年同月比でプラス6.1%を示した。一方で客単価はプラス3.5%となり、結果として総合売上はプラス9.8%に。
業態別に詳しく動向を見ると、ファストフードは全体では前回月から継続する形で64か月連続のプラス(プラス9.8%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風だが、そのメイン企業となるマクドナルドは、ファストフード全体をけん引するかのような好調さを示している。今回月では「期間限定メニューの好評や、お得なキャンペーン、母の日向け商品の投入などが奏功」と説明されている。
牛丼チェーン店を含む和風は、客数はプラス11.5%、客単価はプラス3.4%となり、売上はプラス15.3%。麺類は客数プラス8.5%、客単価はプラス3.4%となり、売上はプラス12.2%。和風は「新メニューや連休のテイクアウト需要に合わせたお得なキャンペーンが好評」との説明がある。持ち帰り米飯/回転寿司は売上がプラス3.3%。「回転寿司がお得な商品の投入や、連休や土日の好調で、客数が改善するも、弁当業態は苦戦が続き、全体的には客数減だが、客単価の上昇」との説明が。
ファミリーレストラン部門は客数ではプラス6.9%、客単価はプラス3.3%、売上はプラス10.4%。「洋風」では「人気キャラクターとのコラボやお得なクーポンなどで集客増、低価格業態も引き続き堅調」との説明がある。
パブ/居酒屋部門では、パブ・ビアホールの売上はプラス5.8%、居酒屋の売上はプラス5.2%。部門全体では売上はプラス5.3%を示した。「平日の少ない曜日回りが集客にマイナスとなったところもあるが、連休中の個人客需要の好調や、低価格ランチの好評で集客堅調、一部ではインバウンド需要にも支えられ」とある。
ディナーレストラン(高級レストランに代表されるリッチスタイルな専門飲食店)は客数はプラス8.0%、客単価はプラス2.4%で売上はプラス10.6%を示した。「連休の行楽需要、家族客のハレ需要の好調と、土日数の多い曜日回りによって、各社とも集客好調」「連休後は、大阪の一部店舗で、前年の関西・大阪万博の賑わいの反動で集客が落ち込むところもあるなど、状況は各社まちまち」との説明がある。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2026年5月分)

↑ 外食産業売上前年同月比(業態別)(2026年5月)
現在は可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化など、居酒屋にはマイナスとなる環境の変化の真っただ中にある。もっとも居酒屋の業態そのものが時代に取り残されたわけではない。牛丼チェーン店の吉野家が展開している「吉呑み」が堅調さを示し、適用店舗数を続々と増やしている。牛丼業界の動きやディナーレストランの動向を併せ見ると、外食産業でも消費の二極化が進んでおり、中庸的なポジションの市場が縮小している感は否めない。また消費者の中食志向の拡大や高齢化により、客の一部が奪われている・遠のいている雰囲気も見受けられる(特に持ち帰りができないファミリーレストラン)。吉野家やマクドナルドが夕食メニューに力を入れているのも、高齢化に合わせた動きの可能性も否定できない。さらにこれらの動きは総じて、客単価の引き上げという戦略目標にもつながっているとの解釈もできる。客単価の引き上げはファミリーレストランにも生じており、こちらも結果としては売上維持、さらには売上増につながる成果を示している。
新型コロナウイルスの影響だが、そもそも論として店舗が自主休業していれば客が来るはずもなく、営業しても(場合によっては自治体からの要請に従う形で)時短や販売品の制限を行うところも多く、イートインは客同士の距離を取るために収容効率が悪化、さらに来店客数そのものが三密忌避気運で少ないことから、客数は激減する形となった。企業も従業員のリスク回避で集団での外食をひかえたり、リモートワークの浸透で出社する人が少ないため催しで外食を使う機会が無くなり、これも大きなマイナスの影響を与えている。特にその店舗スタイルや就業者向けのビジネスの色合いが強いパブや居酒屋は大きな痛手が継続していた。しかし業界側では2024年7月発表分で「2019年同月比につきましては、新型コロナの5類移行から満1年が経過したため、2024年5月度を以て掲載を終了いたしました」とコロナ禍前との比較値を非公開とし、それが今回月も継続している。少なくとも数字の上では、状況は改善しているようだ。解説コメントにもそれを裏付ける文言が踊る。
次回月の2026年6月分では、今回月に続き行動制限などは無く、気温は日本海側でやや高く、太平洋側でやや低い。降水量はほとんどの地域で多い。客足の動向はいくぶんの苦戦が予想される。他方、原材料価格の高騰などは継続中であり、また人員数不足も深刻化しており、ビジネスの上では大変な状態が続くに違いない。
↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである
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