電車通勤の友も専門誌も…諸種雑誌部数動向(2025年7-9月)

2026/01/03 12:00

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2025-1208小規模・個人経営の書店が経営者の高齢化、インターネット通販の普及、高収益を見込める雑誌の売れ行き減少、少子化に伴う顧客減少で閉店した上で他業種店舗、あるいは一般住宅への改装が相次ぎ、それとともに雑誌などの供給場として注目を集めるようになったのがコンビニエンスストア。しかし、雑誌の集客効果は媒体力の下落とともに落ち、コンビニでもその領域と取り扱い雑誌数は減っていく。雑誌コーナーは縮小され、その場にはイートインコーナーや電子マネーの販売スタンドなど、時代の需要にマッチした設備が配されていく。大型書店も最近は減少傾向にあり、雑誌を店舗で手に取り吟味する機会は減り、雑誌業界そのものも元気を無くしつつある。このような状況の中で、各分野の雑誌のうち一部ではあるが、複数の分野に関し、社団法人日本雑誌協会が2025年11月5日に発表した「印刷証明付き部数」の最新値から、雑誌の部数における「前年同期比」を計算し、その推移を確認していくことにする。

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対象雑誌の前年同期比でプラス誌はゼロ…一般週刊誌


データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」など用語が意味するもの、諸般注意事項、類似記事のバックナンバーは一連の記事をまとめ収録した【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】にある。詳しくはそちらを参照のこと。

まずは一般週刊誌のジャンルに該当する雑誌。写真を中心に記事を展開する、いわゆる写真週刊誌も含む。

↑ 印刷証明付き部数変化率(一般週刊誌、前年同期比)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(一般週刊誌、前年同期比)(2025年7-9月)

↑ 印刷証明付き部数(一般週刊誌、万部)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数(一般週刊誌、万部)(2025年7-9月)

印刷証明付き部数を公表している雑誌に限定しているとはいえ、最低でも10万部の印刷部数は確保されている…との言い回しがしばらく前まではテンプレート化されていたが、まず「サンデー毎日」が10万部を割り込んでしまい、その状態が今期も継続している。そして「AERA」も「10万部割れ倶楽部」の仲間入りに。特に「AERA」の衰退ぶりは著しく、部数がほぼ一直線に減っている状態だった。

↑ 印刷証明付き部数(AERA、部)
↑ 印刷証明付き部数(AERA、部)

ところが2020年1-3月期にイレギュラー的な部数の増加が生じる。これは草��剛氏や堂本光一氏のような人気タレントを相次ぎ表紙に抜擢した結果の可能性が高い。また某連載が始まったからとの指摘もある。この「勝利の方程式」をつかんだ「AERA」としてはその勢いを強めて10万部回復を目指したかったところもあるのだろうが、次の期は失速。それ以降は下落の動きだったが、2022年4-6月期を底に再び上昇の動きを示していた。ところが2023年4-6月期では失速、その後は5万部をはさんだもみ合いの状態だったが、この数期でさらに部数を減らし、5万部を割り込む期が連続する形となっている。

「AERA」購読者のレビューを確認すると、いわゆる「表紙買い」をした人が多い。実際、特に男性タレントのブロマイドのような表紙の号が多々見受けられる。あるいはこれこそが「AERA」の成功方程式なのかもしれない。

それ以外の雑誌は10万部割れはかろうじて生じていなかった。ところが2020年1-3月期に「SPA!」が10万部を大きく割り込み、「10万部割れ倶楽部」へ入会してしまう。今期は前期から部数を減らしており、節目の10万部からはさらに遠のく形に。

↑ 印刷証明付き部数(SPA!、部)
↑ 印刷証明付き部数(SPA!、部)

グラフから見た部数動向の限りでは、10万部を最終防衛ライン的な位置づけとして、ギリギリながらも部数を維持していた感じではあった。しかし2020年1-3月期に部数を落とし、それ以降は10万部未満で低迷、さらには下落の動きとなっている。特に前期では急落と表現してもおかしくはない下げ方を見せで初めて5万部割れとなり、今期もその勢いは続いてしまっている。

一般週刊誌の前年同期比でプラス領域にある雑誌は皆無で、全誌がマイナス領域。誤差領域(5%幅)内の下げ幅にとどまっているのは3誌、それを超える下げ幅を示したのは9誌。よい状況とは言い難い。かつては新聞同様、電車やバスなどの通勤・通学時の合間には欠かせない存在だった一般週刊誌も、その需要は確実にスマートフォンなどに奪われ、肩身の狭い思いをし、さらに継続的なプレッシャーを受けていると見てよいだろう。ただし先行記事で言及の通り、ある程度の雑誌は同時に電子雑誌版も発行しており、その値は今件では勘案されていないため、そちらに読者を奪われている(=雑誌としてのコンテンツ力・訴求力は失われていない)可能性は否定できない。

昨今何かと世間を騒がせている「週刊文春」だが、前年同期比でマイナス6.0%、参考までに前期比はマイナス2.5%。絶対部数の多さに支えられてはいるものの、中長期的な低迷感の中にあることは否定できない。

↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、部)
↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、部)

↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、万部)(過去5年間)
↑ 印刷証明付き部数(週刊文春、万部)(過去5年間)

部数は踊り場を挟みながらゆるやかな下落傾向が継続している。「週刊文春」の昨今の動向はある意味、低迷のテコ入れ的な活動との解釈ができよう。

大きく落ち込んだ雑誌のラインアップを再確認すると、「SPA!」「週刊現代」「週刊新潮」「週刊アサヒ芸能」といった、男性向けの大衆誌、あるいはゴシップ系雑誌がほとんどを占める。似通った内容に個性を出しにくくなってしまったのか、あるいは対象年齢階層の嗜好そのものに変化が生じているのかもしれない。また写真を記事構成のメインとする「AERA」も減少度合いが大きい。速報性が高くビジュアルも豊富なスマートフォン経由のニュースの方が、価値は高いとの認識による結果だろうか。

大改編の成果は…育児系など


続いて育児系雑誌。育児系雑誌では「エデュー(edu)」の休刊による脱落後に、祥伝社の「ニナーズ(nina's)」を新たに「動向を追いかける該当誌として」加えていた。同誌は10代後半向けの女性ファッション雑誌「ジッパー(Zipper)」の増刊として発行されたものが元となった主婦向けのライフ&ファッション誌。2005年12月からの創刊されている、偶数月発売の隔月誌。印刷証明付き部数のデータベースでは「マタニティ・育児誌」に区分され、部数は2016年7-9月期分から公開されていた。

ところが同誌は2018年12月7日発売の1月号をもって休刊してしまう。休刊理由は「情報ツールが多様に変化する中、媒体のあり方を見直すことにした」とのこと。紙媒体版の基幹誌には終止符を打つものの、今後はウェブ版を基幹とし、ムックや書籍などから情報展開を行うとしている。当然印刷証明付き部数も2018年10-12月期から非公開に。

そして2019年1-3月期では「PHPのびのび子育て」が非公開化した。同じPHP研究所のビジネス系雑誌「THE21」が同じタイミングで非公開化されていることから、出版社単位における方針転換があったのかもしれない(その後、2021年6月号で休刊に)。結果として精査対象誌は3誌だったわけだが、さらに「プレモ(Pre-mo)」が脱落してしまう。

さらに2022年4月からは「初めてのたまごクラブ」が妊娠2・3・4か月向けの「初めてのたまごクラブ」、妊娠5・6・7か月向けの「中期のたまごクラブ」、妊娠8・9・10か月向けの「後期のたまごクラブ」の3誌に分割されている。同様に「ひよこクラブ」は生後0・1・2・3か月向けの「初めてのひよこクラブ」、生後4・5・6・7か月向けの「中期のひよこクラブ」、生後8・9・10・11か月-1歳代向けの「後期のひよこクラブ」の3誌に分割されている。これらの雑誌のうち印刷証明付き部数の連続性があるものは「初めてのたまごクラブ」のみとなる。

育児系雑誌において今期では、前年同期比でプラス誌は3誌「はじめてのひよこクラブ」「はじめてのたまごクラブ」「後期のひよこクラブ」で、プラスマイナスゼロ誌が1誌。マイナス誌は4誌で、そのうち「げんき」は誤差領域を超えたマイナス幅。

9期前にはBaby-mo(ベビモ)の部数が非公開化された。公式発表【雑誌『Baby-mo(ベビモ)』刊行形態および発売日変更のお知らせ】によると、2023年5月発売分から、季刊だったものが年4回刊に変更された。さらに2024年6月13日の発表で「年4回刊から適時刊行に変更」された(【雑誌『Baby-mo(ベビモ)』刊行形態変更のお知らせ】)。記事執筆時点では2024年11月26日発売の2024年11号が最新号で、それ以降については未定とある。

↑ 印刷証明付き部数変化率(育児系雑誌、前年同期比)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(育児系雑誌、前年同期比)(2025年7-9月)

↑ 印刷証明付き部数(育児系雑誌、万部)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数(育児系雑誌、万部)(2025年7-9月)

少子化は育児系分野の市場縮小の一要因。しかしその市場動向の多くは子供の人数の減り方をはるかに超えるスピードで縮小している。そして核家族化などを考慮すれば、口頭伝達の教え手となる祖父母が身近にいる育児世帯は数を減らしていき、育児情報の需要は増えることから、切り口次第ではチャンスは多い。もちろん同時に主婦層にもインターネット、中でもスマートフォンやタブレット型端末の普及が進み、子育て層に向けた情報・コミュニティサービスの利用者も増えており、それらのライバルが多い中で雑誌ならではの提案が求められる。例えば蓄積性、専門性、正確性、実物品の提供などが思い浮かぶ。

「げんき」は育児系雑誌の中では前年同期比で最大のマイナス幅を示している。

↑ 印刷証明付き部数(げんき、部)
↑ 印刷証明付き部数(げんき、部)

「げんき」は1-3歳の幼児をメインターゲットとした雑誌で、創刊は1994年9月。幼児向けのキャラクターや保護者向けの育児情報で構成されている。現在では隔月の発刊(と公式サイトにはあるが、現状では事実上季刊誌となっている)で、該当期に発売されたのは1誌。付録も充実しており、「ワンワンのじどうはんばいき」が注目を集めている。

部数動向を見るに部数は、9期前のようなイレギュラー的な増加(付録の「ミッフィーのじどうはんばいき」が原因らしい)を示しながらも、中長期的には漸減傾向にあるようだ。

前年同期比ではプラスを示した「初めてのたまごクラブ」は要注目。

↑ 印刷証明付き部数(初めてのたまごクラブ、部)
↑ 印刷証明付き部数(初めてのたまごクラブ、部)

「初めてのたまごクラブ」は季刊誌。読者の立場にあった付録(「マタニティ用ポーチ」と「エコー写真フォトホルダー」。別冊付録として「パパBOOK 妊娠-出産が見通せる入門書」)がつくのも嬉しいところ。

部数動向の限りでは2016年10-12月期で大きく上昇を示し、それ以降は安定した部数動向に移行していた。何らかの方針転換があり、それが功を奏していたのだろう。掲載情報への評価が極めて高いことから、口コミでよさが広まっていたのかもしれない。そして関連誌も含めた分割に影響されたと思われる大きな下落を経て、4万部前後で再び安定感を見せつつある。

続いて食・料理・レシピ系雑誌。健康志向の高まり、一人暮らし世帯の増加、食の多様化に伴い、レシピや家事テクニックの情報需要は増加しているはずだが、インターネットの普及、料理系をはじめとする家事情報に関するサイトの乱立により、紙媒体の専門誌の立場は思わしくない。

今ジャンルでは2018年7-9月期から「クックパッド プラス」を部数公開誌として加えていた。クックパッド監修・セブン&アイ出版の月刊誌で、「『仕事や家事で忙しくても快適に暮らしたい』と考える30代-40代女性に向けた『料理と暮らし』を提案する雑誌」というコンセプトによるもの。2018年9月1日に創刊されている。

ところがその次の期以降は今期も含め部数は非公開。2019年3月と4月の合併号で一度発行を休止し、2019年6月1日の夏号以降は季刊誌としての展開、さらに2019年12月2日売りの2020年冬号で一度休刊し、2020年6月27日発売予定の2020年夏号から不定期刊(年4回発行予定)として発行すると発表している(【株式会社扶桑社より『cookpad plus』(クックパッド プラス)発行のお知らせ】)。実際、2020年6月27日発売の2020年夏号以降、実質季刊誌として発行されているが、残念ながら部数公開は行われていないのが実情ではある。

他方2019年4-6月期分の記事からは今ジャンルに「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」と「dancyu」が加わっている。「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」はテレビ朝日系列で放送されていた料理番組で、トーク番組のような構成をしている。他方「dancyu」は美食探訪を取り上げるグルメ雑誌だが、調理に関する記事も多い。雑誌名は「男子厨房に入るべからず」が由来とのこと。しかし「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」は番組が2022年4月1日に放送終了したこともあり、2022年3月1日発売号で休刊、部数は2021年10-12月期から非公開化してしまう。

そして2021年4-6月期を最後に、「栗原はるみ haru mi」の部数が非公開となった。これに関しては扶桑社からの【『haru_mi』最終号御礼!Twitterプレゼントキャンペーン実施】にもある通り、2021年9月1日に発売された号が最終号であり、それに伴い非公開化されたことが明らかになっている。結果として、今ジャンルで現在部数が確認できるのは5誌となっている。

↑ 印刷証明付き部数変化率(食・料理・レシピ系、前年同期比)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(食・料理・レシピ系、前年同期比)(2025年7-9月)

全誌がマイナスで、うち4誌は誤差領域を超えたマイナス。2割以上の下げ幅を示したのは3誌。

「dancyu」はしばらく10万部台を維持していたが、2022年4-6月期に10万部を割り込み、その状態が今期も続く形に。しかもこの数期は急落状態となっていた。前期でようやく底打ちを見せた雰囲気。

↑ 印刷証明付き部数(dancyu、部)
↑ 印刷証明付き部数(dancyu、部)

「dancyu」は記録のある最古の2008年4-6期以降は部数を落としていたが、2012年半ばあたりから持ち直しを見せ、2015年1-3月期の20万1867部をピークとする形で部数を積み増し。その後は部数を減らし、2017年あたりからは10万部を底にする形で部数維持を果たしていたのだが、2022年4-6月期にその底を抜けてしまい、今期も抜けたままの状態が続いている。出版不況と呼ばれる昨今においては、健闘している雑誌だっただけに、部数の回復を果たしてほしいものだが。

ペット情報誌はどうだろうか


愛玩動物として筆頭に挙げられる、犬と猫をテーマにしたペット専門誌「いぬのきもち」と「ねこのきもち」。書店での一般売りはなく、通販専用の雑誌。書店のレジでサンプルが配されていることが多く、その表紙からわきあがる愛らしさに惚れた人も多いはず。

↑ 印刷証明付き部数変化率(いぬのきもち・ねこのきもち、前年同期比)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(いぬのきもち・ねこのきもち、前年同期比)(2025年7-9月)

↑ 印刷証明付き部数(いぬのきもち・ねこのきもち、万部)
↑ 印刷証明付き部数(いぬのきもち・ねこのきもち、万部)

「いぬのきもち」「ねこのきもち」発行元のベネッセにおける大規模情報漏えい問題に絡み、部数を大きく減らした2014年からはすでに10年以上が経過している。「ねこのきもち」はほぼその時の下げを回復するレベルにまで復調し、その後の下落も緩やかなスピードだった。一方で「いぬのきもち」はリバウンド後に失速し、さらに減少度合いは加速、2019年1-3月期を底にようやく持ち直しを見せた程度。結果として犬猫で大きく異なる結果が出てしまっていた。ところが2022年の夏あたりから両誌とも急速に部数を減らし、グラフの形状も急な右肩下がり状態となっている。特に「ねこのきもち」は部数減少の勢いが止まらない状態だった。直近3期で両誌ともようやく底打ちしたようにも見える。


以前【飼い犬・飼い猫の数の実情】でも伝えたように、関連団体による試算ではあるが、日本国内のペット数動向では2024年時点で犬が減少し猫は微増との結果が出ている。両誌の動向もそれに連動した動きだったと考えれば納得がいく。ここ数期では「いぬのきもち」の減少がストップしたのに対し、「ねこのきもち」は減少を継続しており、両誌の差が縮まっていることに注目したい。

残るは一誌…幼稚園・小学生向け雑誌


最後に小学生向けなどの雑誌。「小学●年生」スタイルの雑誌は半年前の時点では「小学一年生」と「小学二年生」のみだった。かつて存在していた「小学三年生」などはすでに休刊。そして【小学二年生の休刊が公式に発表、残るは小学一年生のみ】でも伝えたが、2016年12月発売号をもって「小学二年生」が休刊となり、残りは「小学一年生」のみ。代替誌的な存在として「小学8年生」が不定期刊として発刊されているが、これは印刷証明付き部数の上で確認できていない。そこで幼稚園向けの雑誌も合わせての精査となる。

昨今では少子化に加え、競合的立場にある各種教材も含めた通信教育的なサービスが好評を博し、厳しい値が出るのが常だったのだが、「妖怪ウォッチ」特需が発生し、各誌とも大きくプラスを示す期が続いた。しかしその特需も終わり、過去のものとなっている。

↑ 印刷証明付き部数(「小学●年生」シリーズ+α、前年同期比)(2025年7-9月)
↑ 印刷証明付き部数(「小学●年生」シリーズ+α、前年同期比)(2025年7-9月)

今期では全誌がマイナス。しかも2誌「たのしい幼稚園」「小学一年生」は誤差領域を超えた大幅なマイナス幅。

小学生シリーズで唯一残っている「小学一年生」だが、魅力的な付録が注目されている。その付録の集客力で部数が維持されているが、今期は前年同期比で大きなマイナスを示した。

↑ 印刷証明付き部数(小学一年生、万部)
↑ 印刷証明付き部数(小学一年生、万部)

「小学一年生」は対象者の特性(小学校に進級する子供向けとして定期購読的に購入されるため毎年1-3月期は大きく部数が伸びるが、他の雑誌に移行する人も多いためそれ以降の期では部数が大きく落ち込んでいく)のために毎年1-3月期の値が大きく跳ねるという特徴的なグラフの形をしている。6期前の2024年1-3月期では、例年以上の、明らかにイレギュラーな増え方をしているが、これは2024年2月22日発売の2024年4月号付録「ポケットモンスター キャプテンピカチュウ おしゃべりめざましどけい」の影響らしい。そして2期前では2024年1-3月期すら上回る部数を示したが、これは2025年2月21日発売の2025年4月号で付録となった「ポケットモンスター おしゃべりピカチュウ めざましどけい」が影響したようだ。アマゾンの販売ページでも多数の高評価意見が確認できる。今期ではそのようなけん引力のある付録は無かったようで、部数も落ちつく形となった。

婦人誌の一部が付録をメインとして大きなセールスを挙げている実情を見るに、子供向け雑誌が(同じような効果を期待して)付録に力を注ぐ方向性もあながち間違いとは言えまい。とはいえ、雑誌のかじ取りには十分な注意を払わないと、子供向けという主旨が揺らいでしまいかねないのは言うまでもない。もっとも子供向けとはいえ、実際に購入するのは大人である保護者のケースが多い以上、大人にも気に入られる必要があるため、発想としては間違ってはいないとの解釈もできる。



今記事では多様なジャンルを網羅していることもあり、多様な変動が見受けられるが、複数か所で変化を覚えさせる流れが見受けられる。その流れは多様だが、中期的な方向性が見える動きなだけに、今後の動向には大いに注目したい。

元々一般雑誌の多くはすき間時間を埋めるために用いられることが多く、現在はスマートフォンに代表されるモバイル端末に役割を奪われている。駅売店の雑誌コーナーにおいて、言葉通り飛ぶように一般週刊誌が売れ、駅ホームなどのゴミ箱や電車内の棚に読み捨てられた多数の雑誌が目にとまる情景は、もはや過去のものとなっている。

他方、本文でも言及しているが、今ジャンルでも多分に電子化が行われており、電子版に読者が奪われたため、今件の紙媒体としての印刷部数が減っている可能性はある。単に紙媒体部数が減っているだけのか、雑誌そのものの訴求力が減っているのか、見極めが難しいのが実情ではある。

ともあれ今後はそれぞれの雑誌が自らの立ち位置を明確に分析し、得意な分野、手法で読者の需要をつかんで離さず、さらにその手を広範囲に広げる発想が求められよう。


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