2026年1月度外食産業売上プラス8.5%…50か月連続の前年比プラス
2026/02/25 15:00
日本フードサービス協会は2026年2月25日付で、同協会の会員会社で構成される外食産業の市場動向調査における最新値となる、2026年1月度の調査結果を公開した。それによると同月の総合売上は前年同月比でプラス8.5%を示した。年始の家族客などの需要が好調だったことに加え、年始後も週末における動きがよく、客単価上昇も後押しする形で、売上は伸びた(【日本フードサービス協会:発表リリースページ】)。
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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象としている。対象数は事業者数が231、店舗数は3万7137店舗。今回月は前回月と比較すると事業社数は増加、店舗数も増加している。
全業態すべてを合わせた2026年1月度売上状況は、前年同月比で108.5%となり、8.5%の増加を記録した。これは前回月から継続する形で50か月連続の増加。前年同月と比べると日取り(休日や土曜日の日数)の上では休日は変わらず、土曜日は1日多く、売上の観点ではプラス。気象環境では雨天日は東京は変わらず大阪は少なく、平均気温は東京・大阪ともに低い。客足への影響判断は微妙にマイナス。
新型コロナウイルス流行に関しての5類移行やインバウンドの回復傾向などの動きから人の流れは増加し、これらが外食需要の高まりとともに売上増につながっている。今回月では年始の家族客などの需要が好調だっだが、これも両者原因によるところが大きい。結果として客数は全体では前年同月比でプラス5.2%を示した。一方で客単価はプラス3.1%となり、結果として総合売上はプラス8.5%に。
業態別に詳しく動向を見ると、ファストフードは全体では前回月から継続する形で58か月連続のプラス(プラス9.1%)。ハンバーガーチェーン店がメインの洋風だが、そのメイン企業となるマクドナルドは、ファストフード全体をけん引するかのような好調さを示している。今回月では「期間限定商品や各種キャンペーンの好調」と説明されている。
なおマクドナルド単体の2026年1月における営業成績はプラス11.7%(売上、既存店、前年同月比)を示している。客数はプラス9.2%、客単価はプラス2.2%。
牛丼チェーン店を含む和風は、客数はプラス5.7%、客単価はプラス6.7%となり、売上はプラス12.8%。麺類は客数プラス3.0%、客単価はプラス3.9%となり、売上はプラス7.0%。和風は「人気商品の復活」との説明がある。持ち帰り米飯/回転寿司は売上がプラス1.0%。「回転寿司がお得なメニューの投入や食べ放題店舗の拡充で集客、客単価上昇にも支えられて」との説明が。
ファミリーレストラン部門は客数ではプラス5.5%、客単価はプラス2.5%、売上はプラス8.1%。「洋風」では「低価格業態の好調が続いているほか、菓子商品とのコラボメニューの好評」との説明がある。
パブ/居酒屋部門では、パブ・ビアホールの売上はプラス6.1%、居酒屋の売上はプラス3.4%。部門全体では売上はプラス4.1%を示した。「飲酒業態は、一部の都心部立地店で中国訪日客の減少が影響したものの、年始からの新年会需要が堅調で、月間を通じて個人・法人の小グループの利用が多く」とある。
ディナーレストラン(高級レストランに代表されるリッチスタイルな専門飲食店)は客数はプラス6.0%、客単価はプラス1.8%で売上はプラス7.9%を示した。「年始や週末の家族需要が好調、加えて小グループでの法人の宴会需要も堅調」「中国からの訪日客減少で、京都や大阪など例年なら中国人団体客の多いエリアや都心部の一部店舗で客足が遠のいたところもあった」との説明がある。

↑ 外食産業前年同月比・全店データ(2026年1月分)

↑ 外食産業売上前年同月比(業態別)(2026年1月)
客単価上昇も押し上げ。
2015年7月からは軟調化開始から1年が経過することもあり、該当事業の「前年同月比における」マイナス幅は縮小。そして昨今ではヒット作も相次ぎ、数字の上でも明らかに復調している。現在はかつて自他ともに認められていた「洋風、そしてファストフード全体のけん引役」の立場に戻り、月次で毎月のように売上高の前年同月比でプラスを示している。
ファストフード内の和風のメインとなる牛丼チェーン店だが、吉野家を中心にこれまでの廉価店の店舗イメージから少しずつ、そして確実に、ワンステップ上の価格帯における商品展開を行う業務スタイルにシフトしている。客数の減退と客単価の上昇が連動して起きる状況が継続し、中期的戦略転換が数字となって表れている。
ファミレスは2016年以降は、雰囲気的にそれまでのような好調さとはうって代わり、低迷感が否めない状態となった。中食に多分に客を奪われている感はあった。もっともこの数年でその苦境からは脱しているようにも見受けられる。
現在は可処分所得の減少、中食へのシフト、お酒を飲む機会の変化など、居酒屋にはマイナスとなる環境の変化の真っただ中にある。もっとも居酒屋の業態そのものが時代に取り残されたわけではない。牛丼チェーン店の吉野家が展開している「吉呑み」が堅調さを示し、適用店舗数を続々と増やしている。牛丼業界の動きやディナーレストランの動向を併せ見ると、外食産業でも消費の二極化が進んでおり、中庸的なポジションの市場が縮小している感は否めない。また消費者の中食志向の拡大や高齢化により、客の一部が奪われている・遠のいている雰囲気も見受けられる(特に持ち帰りができないファミリーレストラン)。吉野家やマクドナルドが夕食メニューに力を入れているのも、高齢化に合わせた動きの可能性も否定できない。さらにこれらの動きは総じて、客単価の引き上げという戦略目標にもつながっているとの解釈もできる。客単価の引き上げはファミリーレストランにも生じており、こちらも結果としては売上維持、さらには売上増につながる成果を示している。
新型コロナウイルスの影響だが、そもそも論として店舗が自主休業していれば客が来るはずもなく、営業しても(場合によっては自治体からの要請に従う形で)時短や販売品の制限を行うところも多く、イートインは客同士の距離を取るために収容効率が悪化、さらに来店客数そのものが三密忌避気運で少ないことから、客数は激減する形となった。企業も従業員のリスク回避で集団での外食をひかえたり、リモートワークの浸透で出社する人が少ないため催しで外食を使う機会が無くなり、これも大きなマイナスの影響を与えている。特にその店舗スタイルや就業者向けのビジネスの色合いが強いパブや居酒屋は大きな痛手が継続していた。しかし業界側では2024年7月発表分で「2019年同月比につきましては、新型コロナの5類移行から満1年が経過したため、2024年5月度を以て掲載を終了いたしました」とコロナ禍前との比較値を非公開とし、それが今回月も継続している。少なくとも数字の上では、状況は改善しているようだ。解説コメントにもそれを裏付ける文言が踊る。
次回月の2026年2月分では、今回月に続き行動制限などは無く、平均気温は全国的にやや高く、北海道と東北で特に高い。降水量は北海道西部と九州の西部でやや多めで、それ以外では少ない。客足の動向は微妙なところ。他方、原材料価格の高騰などは継続中であり、また人員数不足も深刻化しており、ビジネスの上では大変な状態が続くに違いない。
↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである
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