日本のアメリカ合衆国への親近感85.0%、対中親近感は改善
2025/06/25 02:00
内閣府は2025年3月7日、外交に関する世論調査を発表した。その内容によると調査時点においてアメリカ合衆国への親近感を抱いている人は85.0%に達していることが分かった。去年の値87.4%と比べると2.4%ポイント下落したが、諸外国中では最高値の立ち位置にある。提示された選択肢の中では次いでオーストラリア、韓国、中央アジア・コーカサス諸国、中東諸国が続いている。中国は前回調査から親近感は改善し、選択肢の中では最低値のロシアと比べれば高い値となっている。そのロシアへの親近感は前回調査からいくぶん上昇している(【発表リリース:外交に関する世論調査】)。
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今調査は2024年10月17日から11月24日にかけて、全国18歳以上の日本国籍を持つ人の中から層化2段無作為抽出法によって選ばれた人に対し、郵送法によって行われたもので、有効回答数は1734人。男女比は50.3%対49.7%、年齢階層別構成比は18-19歳1.4%・20代8.1%・30代11.8%・40代15.1%・50代19.6%・60代16.9%・70歳以上27.2%。なお調査方法について2019年調査までは調査員による個別面接聴取法が用いられていたが、2020年調査以降では新型コロナウイルスの流行により、郵送法が用いられている。調査方法の変更で一部設問の選択肢や回答傾向に違いが生じていることに注意が必要となる(「分からない」が「無回答」になっている、回答の意思が明確化されたために一部設問で「無回答」の値が以前の調査と比べて有意に少なくなっているなど)。
調査対象母集団に対し諸外国、あるいは地域毎に親しみを抱いているか否かに関して、「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じない」「親しみを感じない」の4選択肢を提示、その中から自分の心境にもっとも近いもの一つを選んでもらい、その結果を集計したものが次のグラフ。

↑ 諸外国との親近感(2024年)
留意すべきは赤系統色の回答部分。「(どちらかというと)親しみを感じない」は回答者の心境的に「親しみの対象にならない」(無関心的な部分。「無回答」とは異なる)と「憎悪の対象となる」の2通りに解釈できる、あるいは可能性として存在すること。赤系統色の回答率が多い国・地域が、日本から「憎まれている」との解釈には必ずしもたどり着かない。単に好まれていない、親しみを覚える対象にはならないだけの話。
結果を見るとまず目にとまるのが、アメリカ合衆国への親近感の高さ。親しみを覚えない人は1割程度で、今回の提示された国などではもっとも少ない。これは元々同国との間には親密な関係が継続されていたのに加え、【対米89%、好感度もうなぎ昇り…対外国・震災対策評価】など複数の調査結果で明らかにされている通り、2011年3月の東日本大震災における「オペレーション・トモダチ」をはじめとした、同国による大規模な救援活動の実態を見聞き、あるいは実際に支援を受けた結果によるところが大きい。
次いでオーストラリアが続く。青系統色が7割強。経済面でつながりが強く、しばしば名前を耳にするからだろうか。さらに韓国が続くが、韓国に対しても親しみを感じる派の方が多くなっている。
他方、中国やロシアのような、いわゆる(元)共産圏諸国との親近感は非常に低い。ロシアでは「親しみを感じない」の値がもっとも高いものとなっているが、これはロシアによるウクライナへの侵略戦争で生じた印象が大きく影響しているのだろう。
ここ数年親近感が下落傾向にある中国と韓国だが、今回調査分(2024年実施)について前回調査分(2023年実施)と比べると、中国と韓国ともに増加を示している。中国の動きは日々報道される強圧的な対外姿勢と、ロシア寄りの外交姿勢で減少(悪化)しそうな感はあるが、実情としては増加(改善)されている。韓国も合わせ、前回調査時と比べると報じられ方が大人しくなってきたことによるものだろうか。
好意的な選択肢「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」を足した値を「親近感」と設定。そして今回調査分の2024年分と前回2023年調査分双方で選択肢として挙げられた国に関して、その変移を算出した結果が次のグラフ。細かい変移を参照できるよう、米中韓に限定してではあるが、詳細区分を再整理したものも併記する。

↑ 諸外国との親近感(好感的意見合計値の2024年における前回調査との差異、ppt)

↑ 諸外国との親近感(対米中韓限定)
韓国と中国が増加、アメリカ合衆国とロシアが減少。アメリカ合衆国の減少は調査日から考慮するに同国の前政権末期における政治的混乱が影響しているのだろうか。ロシアの減少はロシアによるウクライナへの侵略戦争が継続していることで生じている世界的な不安定感や経済面での悪影響を受けてのものかもしれない。韓国と中国の増加は、報道のされ方が大人しくなったからと考えるのが無難ではある。
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