食料品は店頭価格上昇で堅調、衣料品・住関品ともに軟調…2025年7月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス3.1%

2025/08/22 14:00

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チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2025年8月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2025年6月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2025年7月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品と住関品はともにやや軟調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス3.1%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の46社・9360店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で35店舗増加、前年同月比で107店舗増加している。売場面積は前年同月比98.7%となり、1.3%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス3.0%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆774億503万円(前年同月比103.1%、+3.1%)

・食料品部門……構成比:70.0%(前年同月比103.6%、+3.6%)

・衣料品部門……構成比:4.6%(前年同月比97.2%、−2.8%)

・住関品部門……構成比:19.4%(前年同月比98.6%、−1.4%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比104.6%、+4.6%)

・その他…………構成比:5.7%(前年同月比119.0%、+19.0%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は価格上昇で堅調。
衣料品と住関品は
やや軟調。
農産品は、きゅうり、ピーマン、トマト、とうもろこし、枝豆、きのこ類、カットサラダなどの動きはよかったが、キャベツ、じゃがいも、玉ねぎ、人参、ミニトマト、オクラなどの動きは鈍かった。果物では、すいか、キウィフルーツ、アメリカンチェリー、アボカド、カットフルーツなどは好調だったが、梨、桃、ぶどうなどの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になり、例えば鍋物や野菜炒めなど、対象料理向けに用意されたものもある。

畜産物は豚肉、鶏肉が好調、牛肉が軟調。鶏卵と加工肉はともに好調。

水産品は、刺身、まぐろ、いか、あじ、サーモン、生銀鮭、塩鮭、冷凍かに、干物、海藻類などの動きはよかったが、たこ、ぶり、かつお、さば、さわら、金目鯛、切身、しらす・ちりめん、貝類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、天ぷら、フライ、唐揚げ、焼鳥、焼魚、煮物、中華、ピザなどが好調だった。要冷惣菜は、和惣菜・洋惣菜ともに動きはよく、米飯、寿司も好調。その他食品は、米、飲料、ヨーグルト、アイスクリーム、冷凍食品、パン類、パスタ、涼味麺、乾麺、レトルト、納豆、こんにゃく、ふりかけ、和洋菓子、ビスケット、スナック、インスタントコーヒー、チューハイなどがよかったが、牛乳、乳酸菌飲料、機能性飲料、インスタントラーメン、豆腐、缶詰、スープ、食用油、めんつゆ、マヨネーズ、ドレッシング、砂糖、チョコレート、米菓、焼酎などの動きは鈍い。

衣料品では紳士ものはカジュアルスラックス、冷感長袖シャツ、半袖ワイシャツ、カジュアルブランドシャツ、ショートパンツ、Tシャツ、カットソー、婦人ものはセットスーツ、シャツ・ブラウス、カジュアルパンツ、タンクトップ、カットソーなどが堅調。

住関品では日用雑貨品は、ペーパー類、ラップ類、フライパン、クーラーボックス、カセットコンロ・ボンベ、工具類、ゲーム機、玩具、タオル、たばこなどの動きは好調だが、包丁、トレーディングカード、女児玩具、文具、書籍などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、UVケア、スキンケア、オーラルケア、シャンプー・リンス、制汗剤、衣料用洗剤・柔軟剤などの動きがよく、カウンセリング化粧品、湿布薬、虫よけ、マスク、住居用洗剤、殺虫剤などは軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で好調さを見せ、プラス24.5%。サービスはプラス6.0%とプラスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのだろうが、それでも増加を示した。

次回月となる2025年8月は7月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は全国的に暑く、特に東日本の太平洋側と北海道でかなり暑い。降水量は日本海側全般と九州・四国で多い。衣料品と住関品は今回月同様、厳しい値となるかもしれない。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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