食料品は農産物の相場高や店頭価格上昇で堅調、衣料品は季節物が動かず…2025年1月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス0.3%

2025/02/25 14:00

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チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2025年2月25日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2025年1月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2025年1月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、農産物の相場高や店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品は気温が高めで季節物が動かず軟調、住関品は好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス0.9%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の47社・9429店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で13店舗減少、前年同月比で1416店舗減少している。売場面積は前年同月比93.0%となり、7.0%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス0.7%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆652億9101万円(前年同月比100.9%、+0.9%)

・食料品部門……構成比:70.9%(前年同月比104.3%、+4.3%)

・衣料品部門……構成比:5.2%(前年同月比97.5%、−2.5%)

・住関品部門……構成比:18.8%(前年同月比101.0%、+1.0%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比106.8%、+6.8%)

・その他…………構成比:4.9%(前年同月比72.8%、−27.2%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は価格上昇で堅調。
衣料品は季節物が動かず。
農産品は大根、白菜、キャベツ、長ねぎ、ミニトマト、水耕レタス、きゅうり、豆苗、スプラウト、きのこ類、カット野菜、カットサラダなどの動きはよかったが、玉ねぎ、トマト、ほうれん草などの動きは鈍かった。果物では、みかん、りんご、バナナ、キウィフルーツ、シトラスなどは好調だったが、いちご、メロンなどの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になり、例えば鍋物や野菜炒めなど、対象料理向けに用意されたものもあるほど。

畜産物は豚肉、鶏肉が好調、牛肉が軟調。鶏卵は好調だが、加工肉は軟調。

水産品は、刺身、まぐろ、かつお、天然ぶり、あじ、サーモン、いか、塩鮭、牡蠣などの動きはよかったが、たこ、いわし、さば、たら、開き物、数の子、いくら、しらす、貝類、海藻類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、フライ、天ぷら、オードブル、焼鳥、唐揚げ、焼物などが好調だった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。米飯、寿司も好調。その他食品は、米、ヨーグルト、水、飲料、チルド飲料、野菜飲料、乾燥野菜、冷凍食品、冷凍野菜、アイスクリーム、パスタ、菓子パン、シリアル、スープ、鍋つゆ、食用油、レトルト、はちみつ、ふりかけ、海苔、缶詰、納豆、豆腐、煮豆、漬物、デザート、和菓子、米菓、チョコレート、キャンディ、カクテル、チューハイなどがよかったが、乳製品、牛乳、食パン、インスタント麺、マーガリン、味噌、小麦粉、鍋つゆ、和風調味料、マヨネーズ、カレー、洋菓子、焼酎、ウィスキー、ビールなどの動きは鈍い。

衣料品では紳士ものはセットアップ、フォーマル、セーター、カジュアルシャツ、カットソー、婦人ものはカジュアルシャツ、パンツ、ニット、アウター、ボトムなどが堅調。

住関品では日用雑貨品はマグボトル、弁当箱、フライパン、ペーパー類、カードゲーム、玩具、文具、年賀用品、たばこなどの動きは好調だが、ラップ・ホイル類、台所用品、バス・トイレ用品、行楽用品、携帯型ゲーム機、子供用おむつ、カセットボンベ、雑誌、スリッパ、ゴミ袋などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、総合感冒薬、皮膚薬、スキンケア、リップケア、オーラルケア、ボディ・ハンドソープ、マスク、カイロ、衣料用洗剤、台所用洗剤、入浴剤、殺虫剤、除湿剤、防虫剤などの動きがよく、目薬、胃腸薬、柔軟仕上げ剤、ヘアケア、芳香剤、住居用洗剤、健康食品は軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス27.2%。サービスはプラス6.8%とプラスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのだろうが、それでも奮闘した。

次回月となる2025年2月は1月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は西日本で低く、北海道と東北北部で高い。降水量は日本海側で多く、それ以外は少ない。衣料品の季節物の動きは今回月同様微妙なものとなるだろう。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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