食料品は農産物の相場高や店頭価格上昇で堅調、衣料品は季節物が動かず…2024年12月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス3.0%

2025/01/23 14:00

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チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2025年1月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年12月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年12月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、農産物の相場高や店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品は気温こそ低めだったものの季節物が動かず軟調、住関品は好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス3.0%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の47社・9442店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で135店舗増加、前年同月比で1378店舗減少している。売場面積は前年同月比93.3%となり、6.7%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス2.7%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆3025億5603万円(前年同月比103.0%、+3.0%)

・食料品部門……構成比:69.0%(前年同月比104.5%、+4.5%)

・衣料品部門……構成比:5.1%(前年同月比93.3%、−6.7%)

・住関品部門……構成比:20.5%(前年同月比103.9%、+3.9%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比99.6%、−0.4%)

・その他…………構成比:5.3%(前年同月比94.5%、−5.5%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は価格上昇で堅調。
衣料品は季節物が動かず。
農産品は白菜、大根、長ねぎ、じゃがいも、キャベツ、トマト、ミニトマト、レタス、きゅうり、ブロッコリー、きのこ類、スプラウト、カット野菜、カットサラダなどの動きはよかったが、玉ねぎ、さつまいも、生しいたけなどの動きは鈍かった。果物では、みかん、りんご、柿、バナナ、アボカド、キウィフルーツ、パイナップル、輸入ぶどうなどは好調だったが、いちご、メロンなどの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になり、例えば鍋物や野菜炒めなど、対象料理向けに用意されたものもあるほど。

畜産物は豚肉、鶏肉、牛肉が好調。鶏卵や加工肉は軟調。

水産品は、刺身盛合わせ、まぐろ、かつお、サーモン、ぶり、あじ、いわし、さんま、塩鮭、漬け魚、数の子、牡蠣などの動きはよかったが、たい、たこ、いか、さば、たら、開き物、いくら、貝類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、フライ、天ぷら、オードブル、ピザ、サンドイッチ、ローストチキン、焼鳥、唐揚げ、焼魚が好調だった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。米飯、寿司も好調。その他食品は、米、飲料、野菜飲料、ヨーグルト、冷凍食品、冷凍野菜、アイスクリーム、シリアル、シチュー、鍋つゆ、食用油、レトルト、海苔、練製品、缶詰、納豆、豆腐、漬物、デザート、米菓、生菓子、チョコレート、のど飴、キャンデー、カクテル、ウイスキー、チューハイなどがよかったが、乳製品、麺類、食パン、カップ麺、スナック、珍味、マーガリン、小麦粉、砂糖、佃煮、インスタントコーヒー、ドレッシング、焼酎、ビールなどの動きは鈍い。

衣料品では紳士ものはジャケット、スラックス、セーター、ブルゾン、カジュアルシャツ、アウター、婦人ものはショートコート、スカート、ワンピース、セーター、カジュアルシャツ、トレーナー、アウター、ボトムなどが堅調。

住関品では日用雑貨品はマグボトル、ペーパー類、女児玩具、防災用品、台所用品、調理用品、たばこなどの動きは好調だが、カードゲーム、据置型ゲーム機、ラップ・ホイル類、カセットコンロ、フライパン、行楽用品、時計、雑誌、文具、年賀用品などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、総合感冒薬、皮膚薬、ヘアケア、ヘアカラー、スキンケア、オーラルケア、衣料用洗剤・仕上剤、台所用洗剤、ドリンク剤、カイロ、芳香剤、防虫剤などの動きがよく、胃腸薬、住居用洗剤、トイレ用洗剤、入浴剤、除湿剤は軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス5.5%。サービスはマイナス0.4%とマイナスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われていたのだろう。

次回月となる2025年1月は12月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は西日本で低く、東日本で高い。降水量は北陸や東北日本海側で多く、それ以外は少ない。衣料品の季節物の動きは今回月同様微妙なものとなるだろう。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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