鉄道内迷惑行為ランキング、今年の最上位は「座席の座り方」

2023/12/24 11:00

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日本民営鉄道協会は2023年12月19日、駅と電車内のマナーに関するアンケートの結果を発表した。それによれば調査対象母集団においては、鉄道利用時にもっとも迷惑と考えられている行為は「座席の座り方」であることが分かった。次いで「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」「乗降時のマナー」が続いている(【発表リリース:2023年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング発表】)。

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今調査は2023年10月1日から11月30日にかけて同協会公式サイト上で行われたもので、有効回答数は8210人。男女比、年齢階層別構成比は非公開。

駅や電車は多人数が同時に参加・利用する公共の場でもある。当然道徳、倫理の類を守らないと、多数の人が迷惑をこうむることになる。今件ではそのような「鉄道施設内における迷惑行為」について尋ねている。

列挙されている事例のうち、自分が特に迷惑だと思う内容のものを3つまで挙げてもらい、その回答数を集計した結果が次のグラフ。最上位には「座席の座り方」がついた。1/3強の人が「迷惑だ」と感じている。

↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(2023年)
↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答)(2023年)

トップは「座席の座り方」。具体的には足を大きく広げたり、姿勢を崩したり、あぐらをかくなどして、座席の設計時に想定したよりはるかに大きなスペースを取り、他の人の着席を邪魔するような行為が当てはまる。さらにはお年寄りや身体の不自由な方、妊婦の方などに席を譲らない行為や、子供が靴を履いたまま座席に立つ行為も含まれる。

第2位は「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」。新型コロナウイルス流行に絡んだ結果だと思われる。行動規制は緩和されているが、多くの人が飛沫感染リスクを鑑み迷惑だと考えているようだ。第4位の「騒々しい会話・はしゃぎまわりなど」も同様の理由だろう。

第3位は「乗降時のマナー」。詳しくは後述するが、具体的には「扉付近から動かない(乗降を妨げる、奥に詰めないなど)」がもっとも多く、「乗降時のマナー」のうち62.4%を占めている。自分が出入りがしやすいようにとの考えからだろうが、他の人の乗降には大変迷惑な行為に他ならない。「ドア際族」とでも表現すべきか。

第5位は「荷物の持ち方・置き方」。背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグなどが移動の際に邪魔となったり、車内でぶつかったりなどが想定される。さらに扉付近をはじめとした床に置かれて、移動の際に邪魔となったりつまづいたりすることがあるのだろう。

今回の調査結果に関して、男女別に見ると、いくつかの違いが確認できる。

↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答、上位陣、男女別)(2023年)
↑ 鉄道利用客が迷惑と感じる行為(3つまでの複数回答、上位陣、男女別)(2023年)

迷惑行為をしないようにとの啓蒙ステッカー男性は「座席の座り方」がトップだが女性は「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」がトップ。ところが「騒々しい会話・はしゃぎまわりなど」は男女で順位こそ変わらないものの値は男性の方が高い。「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」は男性では第4位にとどまっている。新型コロナウイルスの流行に関係する飛沫感染リスクへの懸念は、男性よりも女性の方が強いようである。

迷惑行為のうち上位の「座席の座り方」「乗降時のマナー」に関して、細分化をした上でもっとも迷惑を覚える行動を示してもらった結果が次のグラフ。

↑ もっとも迷惑に感じる行為ランキング(それぞれの項目で択一)(2022年)
↑ もっとも迷惑に感じる行為ランキング(それぞれの項目で択一)(2022年)

「座席の座り方」のトップは「座席を詰めて座らない」で4割台。具体的には間を広く取ったり、荷物を置いたり、足を広げる行為などを指す。本人は悪気は無い、あるいは自分の権利だとしてむしろ正当な行為であるとの認識すら持っているのかもしれないが、多くの人は迷惑だと思っていることに違いはない。一方で男性に多い行為として「座りながら足を伸ばす・組む」も2割強が同意している。

「乗降時のマナー」では6割強が「扉付近から動かない」。車両に乗り込んだら奥の方まで行けばよいのだが、混雑時には降車駅で降りられなくなるのではとの不安があり、扉付近のポジションを維持してしまう。その気持ちは理解できるが、乗降車する人には邪魔以外の何ものでもないのもまた事実ではある。


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