幼子がいる世帯の平日の帰宅時間の推移
2018/01/12 05:00
先行記事【幼子がいる世帯の平日の帰宅時間の実情】で総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査の結果を用い、幼子がいる子育て世帯における、平日の帰宅時刻の実情を確認した。今回はその補足版として、過去からの動向推移を見ていくことにする(【平成28年社会生活基本調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態】を参照のこと。
子育てへの注意関心が高まり、共働き世帯の増加に伴い家事分担や育児の負担に関わる注目が集まる昨今、男性への家事・育児の時間に注目が注がれている。しかしながら1日は24時間しかなく、睡眠を取らないわけにもいかないため、家事・育児の時間を割くには自宅にいる時間を伸ばすしかない。そのため就労して帰宅する帰宅時刻が問題となる。
先行記事では特に手間がかかる6歳未満の子供がいる世帯における、平日の平均的な帰宅時刻を確認した。専業主婦世帯は妻が就労していないので、当然帰宅時刻は無い。
↑ 6歳未満の子供がいる世帯における平日の帰宅時刻(2016年)(時:分)(再録)
この帰宅時刻に関して、社会生活基本調査でさかのぼれる過去の分まで取得して反映させたのが次のグラフ。残念ながら2006年より前は調査の対象項目として挙げられていない。
↑ 6歳未満の子供がいる世帯における平日の帰宅時刻(時:分)(夫)
↑ 6歳未満の子供がいる世帯における平日の帰宅時刻(時:分)(妻)
まず夫。夫婦と子供のみの世帯では帰宅時刻に大きな変化は無いように見える。他方、夫婦と子供に加えて、夫婦の親(子供から見れば祖父母)の世帯では、専業主婦世帯では傾向だった動きは無いものの、共働き世帯では帰宅時刻が遅くなる傾向が見られる。この10年で40分近く遅くなっている。
そして妻。専業主婦世帯では就労からの帰宅そのものが無いので空白になっているが、共働き世帯では、夫婦と子供のみの場合は帰宅時刻が遅くなり、祖父母もいる世帯では早まる傾向が見受けられる。祖父母もいる共働き世帯では、妻の帰宅が早まり、夫が遅くなるという、相反する動きが生じており、注目すべき動向には違いない。
今件はまだ3回分しか調査の結果が取得できない項目で、傾向だった動きも確証度はさほど高く無い。とはいえ、共働き世帯の帰宅時刻がどのような変化を遂げているかは、男性の家事・育児問題や共働き世帯を精査する上で知っておいても損では無いだろう。
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