若者の早食いは本当なのか…年齢階層別に見た食事の時間の実情と過去からの変化

2017/11/29 05:00

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健康の観点では食事はゆっくりとよくかんで食べるのがよいとされており、当然時間はそれなりにかかることになる。一方でしたいこと、しなければならないことが増えている昨今では、食事の時間も惜しいからと、特に若年層の間では早食い傾向にあるとの指摘も成されている。食事時間の実情はどのような具合なのか、総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査の結果を用いて、食事時間の実情と、過去からの変化を確認していくことにする(【平成28年社会生活基本調査】)。



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今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態】を参照のこと。

今調査では生活様式に関して「睡眠」「身の回りの用事」「食事」「通勤・通学」「仕事(収入を伴う仕事)」「学業(学生が学校の授業やそれに関連して行う学習活動)」「家事」「介護・看護」「育児」「買物」「移動(通勤・通学を除く)」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「学習・自己啓発・訓練」「趣味・娯楽」「スポーツ」「ボランティア活動・社会参加活動」「交際・付き合い」「受診・療養」「その他」の20に区分している。今回はこの中で「食事」の動向を確認する。具体的には「家庭での食事・飲食、外食店などでの食事・飲食。学校給食、仕事場での食事・飲食」が該当する。ただし交際のための食事・飲食は「交際・付き合い」に該当し、おやつなどの間食は「休養・くつろぎ」に分類される。

なお、いわゆる「ながら行為」による時間は含まれない。あくまでも主行動の時間であることに注意が必要。

まずは直近2016年の男女別・年齢階層別動向だが、大よそ女性の方が食事時間は長い。とはいえ1日あたりの差異は数分程度。20代がもっとも短く、それより年齢が上がるに連れて少しずつ延びていく。

↑ 男女、年齢階層別食事の時間(2016年、週全体、1日あたり、時間:分)
↑ 男女、年齢階層別食事の時間(2016年、週全体、1日あたり、時間:分)

20代でもっとも短くなるのは大学生活や就業してからまだ日も浅く、何かと多忙であったり、自分自身での食事作りが面倒で簡単なもので済ませてしまうからかもしれない。一人暮らしの人も多いのだろう(複数人数での食事は会話もあるため、必然的に時間は長くなる)。とはいえ30代前半までは大きな差異はなく、30代後半以降になると少しずつ延びる傾向にある。70代に入ると2時間を超え、最長時間の年齢階層は男女共に80代前半。若年層と比べると1日あたり食事の時間が30分ほど長くなる計算。1日3食と仮定すると、1食あたり約30分だったのが約40分になるという具合である。

食事の時間に関して今回調査結果の2016年だけでなく、過去のデータを確認して比較したのが次のグラフ。年齢階層の仕切り分けの変更が何度か行われており、今グラフでは直近の様式にあわせていることから、足りない部分は値が入っていない。そのため1986年と1991年では断片的な値しか反映されていない。

↑ 年齢階層別食事の時間(1986年-、週全体、時間:分、一日あたり)
↑ 年齢階層別食事の時間(1986年-、週全体、時間:分、一日あたり)

若年層が短く年を取るに連れて伸びる傾向に変わりは無いが、10代の食事時間が少しずつ延びているために最短時間の階層がずれていく傾向が見受けられる。直近の2016年では10代後半・20代前半・20代後半がすべて1時間26分で同時間の最短階層となっている。

その階層も併せ20代前半までは昔と比べて今は少しずつ食事時間が延びる一方で、20代後半以降は逆にわずかずつだが縮む動きが確認できる。70代に入ると再び延びる傾向になることから、就業してる人の食事時間が少しずつ短くなっているのかもしれない。


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