食料品は農産物の相場高や店頭価格上昇で堅調、衣料品・住関品もまずまず…2024年9月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス1.0%
2024/10/23 14:00
チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2024年10月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年9月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年9月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、農産物の相場高や店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品や住関品もまずまずの動きを示した。結果として、売上総額の前年同月比はプラス1.0%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の47社・9301店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で24店舗増加、前年同月比で1502店舗減少している。売場面積は前年同月比92.7%となり、7.3%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス0.1%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:72.1%(前年同月比102.6%、△2.6%)
・衣料品部門……構成比:4.5%(前年同月比102.4%、△2.4%)
・住関品部門……構成比:19.4%(前年同月比106.1%、△6.1%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比102.1%、△2.1%)
・その他…………構成比:3.9%(前年同月比66.4%、▲33.6%)
※販売金額には消費税額は含まず
畜産物は豚肉と鶏肉が好調で、牛肉が軟調。鶏卵、加工肉は軟調。
水産品は、刺身、まぐろ、ぶり、生かつお、まあじ、うなぎ、さんま、かれい、塩鮭、冷凍魚、漬け魚などの動きはよかったが、たこ、生秋鮭、かに・えび、あさり、魚卵などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、フライ、天ぷら、オードブル、唐揚げ、焼鳥、焼物が好調だったが、中華はいまいち。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、米、水、飲料、牛乳、アイスクリーム、ヨーグルト、冷凍食品、レトルト食品、油、餅、パスタ、パン類、乾麺、涼味麺、カップ・袋麺、ジャム・はちみつ、冷凍デザート、缶詰、海苔、豆腐、水物、納豆、グミ、ビールなどがよかったが、乳飲料、乳酸菌飲料、漬物、和洋生菓子、プリン・ゼリー、ワイン、ウイスキー、焼酎、新ジャンルビールなどの動きは鈍い。
衣料品では紳士ものはセットアップジャケット、ドレスシャツ、カジュアルシャツ、ショートパンツ、カットソー、婦人ものはワンピース、シャツ・ブラウス、カジュアルシャツ、カットレングスパンツ、カットソーなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はTVゲーム機・ソフト、プラモデル、玩具、マグボトル、キッチン用品関連、トイレ・バス用品、鍋・フライパン、防災用品、カセットコンロ・ボンベ、たばこなどの動きは好調だが、カードゲーム、ペーパー類、行楽用品、雑誌、文具などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、スキンケア、フェイスケア、UVケア、オーラルケア、衣料用洗剤、台所用洗剤、シャンプー・リンス、ボディソープ、制汗剤、制汗シート、栄養ドリンク剤、殺虫剤などの動きがよく、マスク、総合感冒薬、体温計、血圧計、外用薬、住居用洗剤、防虫剤、除湿剤、健康食品は軟調。
「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス33.6%。サービスはプラス2.1%とプラスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われていたのだろうが、それでも健闘した。
次回月となる2024年10月は9月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は全国的に高く、特に北海道以外でかなり高い。降水量は関東から東北以外で多い。秋物の動きは鈍いものとなるだろう。
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