食料品は店頭価格上昇で堅調、衣料品は伸びず…2024年7月度チェーンストア売上高、前年同月比マイナス1.0%

2024/08/22 14:00

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2024-0822チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2024年8月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年7月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年7月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、店頭価格の上昇が後押しして堅調、衣料品は季節商品を中心に軟調、住関品は動きがよかった。結果として、売上総額の前年同月比はマイナス1.0%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の47社・9253店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で43店舗増加、前年同月比で1548店舗減少している。売場面積は前年同月比92.9%となり、7.1%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス2.2%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆0598億8434万円(前年同月比99.0%、▲1.0%)

・食料品部門……構成比:69.2%(前年同月比100.9%、△0.9%)

・衣料品部門……構成比:5.5%(前年同月比89.9%、▲10.1%)

・住関品部門……構成比:20.1%(前年同月比104.9%、△4.9%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比104.4%、△4.4%)

・その他…………構成比:4.9%(前年同月比73.0%、▲27.0%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は価格上昇で堅調。
衣料品は軟調。
農産品はじゃがいも、キャベツ、たまねぎ、トマト、きゅうり、人参、なす、かぼちゃ、オクラ、きのこ類、カット野菜、カットサラダなどの動きはよかったが、大根、とうもろこし、枝豆、ブロッコリー、アスパラガスなどの動きは鈍かった。果物では、すいか、桃、国産ぶどう、プラム、キウィフルーツ、輸入りんご、カットフルーツなどは好調だったが、梨、さくらんぼ、シトラス、パイナップルなどの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になり、例えば鍋物や野菜炒めなど、対象料理向けに用意されたものもあるほど。

畜産物は豚肉と鶏肉が好調で、牛肉が軟調。鶏卵、加工肉は軟調。

水産品は、刺身、まぐろ、かつお、たい、ぶり、さわら、ほたて、うなぎ、サーモン、塩さば、冷凍魚、漬け魚、しらす、海藻類などの動きはよかったが、あじ、いわし、いか、干物、貝類、魚卵などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、フライ、天ぷら、唐揚げ、ピザ、焼物、焼鳥は好調だったが、中華は鈍かった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、米、牛乳、乳製品、ヨーグルト、乳酸菌飲料、アイスクリーム、冷凍野菜、冷凍食品、オリーブオイル、菓子パン、涼味麺、粉物、デザート、シリアル、水物、納豆、キムチ、米菓、涼味和菓子、キャンディ、グミ、ノンアルコール飲料などがよかったが、機能性飲料、乳飲料、食酢、カップ麺、豆腐、練物、缶詰、ビスケット、豆菓子、インスタントコーヒー、塩、焼酎、ウイスキー、新ジャンルビールなどの動きは鈍い。

衣料品ではフォーマル、スラックス、ポロシャツ、カジュアルシャツ、カットソー、Tシャツ、ワンピース、ブラウス、7分袖シャツ、ボトム、タンクトップ、キャミソール、霊感レギンスパンツなどが堅調。

住関品では日用雑貨品はテレビゲーム機、男児玩具、キッチン用品関連、トイレ・バス用品、行楽用品、マグボトル、タオル、たばこなどの動きは好調だが、カードゲーム、ペーパー類、ラップ・ホイル類、海水浴関連、雑誌、文具などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、総合感冒薬、抗原検査キット、オーラルケア、フェイスマスク、スキンケア、衣料用洗剤・仕上剤、住居用洗剤、台所用洗剤、医薬部外品ドリンク、制汗剤、芳香剤、殺虫剤などの動きがよく、体温計、血圧計、目薬、皮膚薬、マスク、除菌ジェル・シート、フェイスケア、ヘアケア、シャンプー・リンス、健康食品、入浴剤、除湿剤、防虫剤は軟調。

「その他」項目は前回月から転じる形で軟調さを見せ、マイナス27.0%。サービスはプラス4.4%とプラスに。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われていたのだろう。

次回月となる2024年8月は7月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は全国的に高く、特に北海道と東日本・近畿の太平洋側と九州でかなり高い。降水量は東北と関東の太平洋側で多い。夏物が大きく動くかもしれない。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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