運転手の味方となるドライブレコーダー、選択基準はまず価格

2023/10/12 02:00

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最近の交通事情で高齢者の事故とともによく見聞きするのが、あおり運転。【JAFの解説ページ「危険な「あおり運転」を受けたら、どうすればよいのでしょうか?」】によるとあおり運転を「後方から車間距離を詰めて威嚇したり、前に割り込んで急ブレーキを踏んだりするなどの悪質かつ危険な行為」と定義した上で、その具体的な違反行為として「通行区分違反」「急ブレーキ禁止違反」「車間距離不保持」「進路変更禁止違反」「追越し違反」「減光等義務違反」「警音器使用制限違反」「安全運転義務違反」「最低速度違反(高速自動車国道)「高速自動車国道等駐停車違反」の10類型の違反行為を挙げている。今回はソニー損害保険が2023年7月27日付で発表した、カーライフの実態に関する調査結果の最新版となる2023年版を基に、運転手の味方となるドライブレコーダーについて見ていくことにする。

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今調査の調査要項は先行記事【車の負担、もっとも重く感じられるのは自動車税(最新)】を参照のこと。

直近年においては調査が行われていないが、過去の調査対象母集団においては、あおり運転(をされること)の対策として効果があると思うものの最上位にはドライブレコーダーの設置がついた。実に73.9%の人が同意している。

↑ あおり運転の対策として効果があると思うもの(複数回答)(2021年)
↑ あおり運転の対策として効果があると思うもの(複数回答)(2021年)

また今年調査における「車社会で過ごすなかで、最近恐怖を感じること」のトップにも「あおり運転による事故」がついている(51.9%、グラフ化は略)。ドライブレコーダーは外部から見えるように(存在を示すシールを貼るなども含む)しない限り、直接あおり運転の被害を防ぐ対策とは成り得ない。万一あおり運転を受けて事故や事件が生じた時に、自分の過失がないことを証明するための物的証拠とする、保険のようなものである。交通事故は第三者による確実な証言や物的証拠がない限り、得てして当事者間の水かけ論となるからだ。

それではそのドライブレコーダーを実際に付けている人において、どのような点を重視して選んだのかを複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。

↑ ドライブレコーダー選択時に重視した点(自分が運転する車にドライブレコーダーを付けている人限定、複数回答)(2023年)
↑ ドライブレコーダー選択時に重視した点(自分が運転する車にドライブレコーダーを付けている人限定、複数回答)(2023年)

トップは価格で52.2%。ドライブレコーダーはあおり運転に対する防御装置というよりは保険的な役割を果たすものだが、そのような役割を期待するものに対し、性能のよし悪しや機能の有る無しではなく、価格を求める人が多いのは意外ではある。あるいはコストパフォーマンスとの観点での意味合いだろうか。

次いで画質のよさを求めたもので34.5%。その次は全方位の映像が記録可能というもの、前方だけでなく後方も合わせた映像を記録可能、さらに見た目・デザインが続く。

あおり運転はもちろんだが、それ以外の原因による交通事故の際にも、自分の責任度合いを明確にする上では欠かせない証拠をとなるに違いないドライブレコーダーには、できるだけ多くの可能性に対応してほしいもの。例えば横から他車が突っ込んできた場合、前方しか記録できないドライブレコーダーでは、事故の原因が追及できかねない状態となるかもしれない。

一つ気になったのはフレームレートが高いとする選択肢の回答率が3.6%しかないこと。実際に記録された映像を分析する際には、映像そのものはもちろんだが、それを構成する静止画の分析も非常に重要になる。フレームレートが低い映像では、肝心の部分が記録として残っていない可能性もありうる(極論だが1秒1コマのフレームレートだった場合、コマとコマの間に決定的な瞬間が生じていたら、映像記録には残っていないかもしれない)。

昨今ではそれこそ数千円から手に入るようになったドライブレコーダーだが、自分の証言の確かさを保証してくれる保険のようなものである以上、廉価で適当なもので妥協することなく、十分な性能を備えたものの選択をお勧めしたい。


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