昼食時間は男性21.5分、女性26.5分…意外に気になるお昼のお食事時間事情

2023/08/08 02:00

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朝から夕方までの就業時間中、唯一まとまった長さの休みが取れるのが昼食を食べる時間も含めたランチタイム。その名の通り昼食を取るのはもちろんだが、ちょっとした休息を取る、気分転換を図るなど、午前中までの働きの疲れをいやし、午後からの就業に備えて英気を養う時間でもある。そのランチタイム時間に、会社員達はどのぐらいの時間を費やして食事をこなしているのだろうか。サラリーマンのこづかい事情を中心に活動様式を探る、SBI新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版をもとに、その謎(!?)に迫ることにする(【男性会社員のお小遣い額は前年比微増の40557円、女性会社員も増加の35001円 「2023年会社員のお小遣い調査」結果について】)。

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女性は男性より5分長いお昼ご飯の時間


今調査の調査要件などは先行解説記事【前年比1915円増の4万557円…2023年のサラリーマンこづかい事情(最新)】にあるので、そちらで確認のこと。今記事では追加調査要件である女性会社員(正社員・契約社員・派遣社員)についても取り上げているが、女性は男性会社員の調査数のほぼ2/3(842人)であるものの、年齢階層別の均等割り当てなど他調査方法は男性会社員と同じ。年齢配分比率などの点で差異はほとんどない。

まずは昼食にかける平均時間。これは純粋に食事をする時間であり、昼食用として企業から用意されている、勤務日のお昼休憩の時間(ランチタイム、お昼休み)を意味しない。

↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、男女別・年齢階層別)(2023年)
↑ 昼食にかける平均時間(勤務日、分、男女別・年齢階層別)(2023年)

男性は20分強。意外なことに年齢による差異がほとんど出ていない。健康療法的意味合いから、年上ほどゆっくりと時間をかけて昼食を取るイメージはあるが、実態としてはそうでもない。

一方女性は男性と比べて5分ほど長い。これは後述するように、女性が昼食を単なる食物の摂取にとどまらず、コミュニケーションの機会としての認識があり、その分長い時間が必要なのだと考えられる。また、食事そのものを味わいたいとの、グルメ志向も強いのだろう。実際、ランチタイムの時間区分のうち、50分超の回答を抽出すると、男性よりも女性の方が多く、全体では3割近くを示している。

↑ ランチタイムにかける平均時間(勤務日、50分超の人、男女別・年齢階層別)(2023年)
↑ ランチタイムにかける平均時間(勤務日、50分超の人、男女別・年齢階層別)(2023年)

他方、男性は50分を超えた時間をかけている人は2割足らずでしかない。

ランチタイム、食事以外は何してる?


ランチタイムの過ごし方について、食事(を兼ねたコミュニケーションも含む)そのもの以外の行動を、複数回答で尋ねたのが次のグラフ。

↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、複数回答、一部、男女別・年齢階層別)(2023年)
↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、複数回答、一部、男女別・年齢階層別)(2023年)

男女ともにもっとも多くの人が行っているのは「インターネットの閲覧」。男性は51.5%、女性は54.6%。使用機種は限定していないので、パソコン以外に携帯電話(スマートフォン含む)も含まれるのだろう。お昼休みはスマートフォンでインターネットにアクセスというスタイルは、男女とも共通の過ごし方だと思われる。

変動があるのは第2位以降。男性に限ると「昼寝や休息」「LINEやメール」の順で続いている。他方女性は全体だけでなくおおよその年齢階層で「LINEやメール」「SNSの閲覧・投稿」が第2位以降の上位に付く。男性も「SNSの閲覧・投稿」に時間を割いてはいるが、優先順位は低い。女性はランチタイムを休み時間と割り切り、コミュニケーションに没頭しているのが分かる。

食事そのものですら同僚などとの対話を楽しみ、それゆえに男性よりも長い時間となる。食事以外の時間もランチタイムの間はコミュニケーションに没頭する。女性社員はある意味、世渡り上手で時間の切り盛り・割り切りに長けているとも表現できよう。

その実情は全男性では22.9%にとどまった「SNSの閲覧・投稿」の動向でもよく分かる。

↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、複数回答、SNSの閲覧・投稿、男女別・年齢階層別)(2023年)
↑ ランチタイムの過ごし方(勤務日、ランチタイムを取る人、複数回答、SNSの閲覧・投稿、男女別・年齢階層別)(2023年)

女性は全体で男性の2倍近く。女性の年齢階層別では特に20代と30代の値が突出して高い。女性のコミュニケーション好きがあらためて認識できる結果には違いない。



あくまでも今件データは平均的な会社員像によるもので、職種による差異もある。とはいえ、就業者のお昼どきの姿形、ランチタイムへの考え方が透けて見え、非常に興味深い。特にランチタイムにおける食事そのもの以外の過ごし方で、ここまで男女間ではっきりと差が見えたその内容は、納得させるものがある。1年や2年でそれほど大きな差異が生じるとは思えないが、来年もまた同項目に関する調査結果を公開してほしいものだ。

蛇足ではあるが、ランチタイムの平均時間取得の際に用意されている選択肢「普段はランチタイムをとらない」人の割合は次の通り。

↑ ランチタイムを取らない人(男女別・年齢階層別)(2023年)
↑ ランチタイムを取らない人(男女別・年齢階層別)(2023年)

元々少数であることからばらつきが生じているが、すべての年齢階層で女性よりも男性の方が多い。男性20代は約19人に1人がランチタイムを取らないと回答している。健康的な理由か、就業時間の都合によるものか、それとも金銭的な問題か。理由までは分からないが、考えさせられることは多い。


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