スマートフォン所有率は96.5%にまで躍進
2022/06/19 02:00
2021年5月25日に博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が発表した、メディアのすう勢を推し量る指針となる定点観測データが豊富に盛り込まれた「メディア定点調査」の最新版「メディア定点調査2022」では、デジタル系、あるいはインターネットアクセス機器として昨今急速な浸透を示しているスマートフォンなどの所有(利用)状況に関するデータも多数確認できる。今回はそれらの動きを介し、スマートフォンの所有状況推移などを確認していくことにする(【「メディア定点調査」とは】)。
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今調査の調査要項や注意事項は先行する記事【メディア接触時間推移】で説明済み。詳しくはそちらを参考のこと。
調査結果要旨では、スマートフォンの所有(所有権の取得だけでなく、単に所有し利用している場合も含む。学生などでは自分が購入せずに保護者から借り受けて所有し利用している場合も考えられる)状況についても掲載されている。その結果(東京地区部分)を以前からの継続データとつなぎ合わせ、経年変移を見たのが次のグラフ。さらにスマートフォンより歩みは遅いものの、そして今件調査でも収録は2011年からだが、同様に順調な伸長を示すタブレット型端末についても併記しておく(ただしタブレット型端末に関しては2020年以降の値は非公開となっている)。
↑ スマートフォン/タブレット型端末所有率(東京地区、タブレット型端末は2011年から)
NTTドコモやau、ソフトバンクのような携帯事業会社各社が発売する、携帯電話本体の新作ラインアップでも、新製品はスマートフォンがメイン、むしろ従来型携帯電話を見つけ出す方が難しい(防犯用も兼ねた児童向け除く)。このような状況を受け、特に新規に携帯電話を購入する機会が多い学生、中でも中高生において、スマートフォンの普及率が急上昇している状況にあるのは、すでに多数の調査結果の精査記事などからお伝えしている通り。今件調査は15歳から69歳を対象としているが、そのような区分の調査対象母集団において、9割強のスマートフォン所有率を示す実態(今件がインターネット調査ではなく、郵送調査方式であり、ウェイトバックも行われていることに注意)は、改めてスマートフォンの普及の速さを確認できよう。
またタブレット端末だがもっとも古いデータの2011年では7.4%。一方で確認できる直近値となる2019年では43.4%となった。15歳から69歳までにおいて、5人に2人あまりがタブレット端末を有している。ただ2018年を天井として、値が頭打ちとなっている感は否めない。
元資料には直近年となる2022年における、スマートフォンの男女・年齢階層別の所有率の実情も掲載されている。こちらも確認をしておく。
↑ スマートフォン所有率(東京地区、男女別・年齢階層別)(2022年)
男性15-19歳と30代まで・女性15歳-19歳は100%、そして男女ともに全年齢階層で9割を超えている。今調査において70代以上は対象外なので、日本全体で見れば96.5%からもう少し低くなるが。
新規購入、あるいは買い換え時にスマートフォンしか選択肢が無い場合も多く、スマートフォンの所有率が上昇するのは当然との話もある。その意見は道理が通るが、どのような理由にせよ、現状で多くの人がスマートフォンを携帯電話として用い、今後もさらに利用者が増える事実には違いない。従来型携帯電話の需要が無くなることはなく、新商品が完全にゼロとなることもないが、今後さらに所有・利用率は上昇を示すことだろう。
他方、タブレット型端末は4割台で頭打ちの動きを示している(2020年以降の値は非公開だが、他の調査結果の限りでは横ばい、もしかすると減少すら示しているかもしれない)。携帯電話における従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトのような、生活の中での利用における必然性がないことから、スマートフォンのような伸び方には至らないのだろう。
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