総人口1億2494万7000人…日本の人口推移(人口推計)
2023/03/31 07:00
複数の調査結果を基に国勢調査の補完的な役割として日本の人口動向の推計値を算出しているのが、総務省統計局の人口推計。今回はこの人口推計の公開値を基に、日本における総人口の動向を確認していくことにする(【人口推計】)。
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2022年時点の日本の総人口は1億2494万7000人
人口推計では日本に住む日本人(日本国籍保有者)の人数に加え、外国人(日本国籍非保有者)も合せた総人口も収録されている。今回は総人口をベースに各種確認を行う。最初に示すのはデータを取得可能な1920年以降、年次確定報の最新値となる2022年分までの日本の総人口の推移。
↑ 日本の総人口(人口推計、人)
↑ 日本の総人口(人口推計、今世紀限定、人)
もっとも古い値となる1920年時点の総人口は5596万3000人。これが1926年には6000万人、1936年には7000万人を超える。戦中は多少の人口減が生じるも、戦後に入って1967年には1億人を超え、2008年には最大値となる1億2808万4000人を記録。以降は少しずつ減少し、直近の2022年では1億2494万7000人となっている。
これを男女別に見たのが次のグラフ。戦時中から戦後混乱期にかけては男女別の調査結果報告が行われなかったために空白となっている。
↑ 日本の総人口(人口推計、男女別、人)
戦前はほとんど男女差は無かったものの、太平洋戦争にかけて男性が減り女性の方が多くなる。戦後に入ってからは女性がやや多い状態が継続し、1990年代以降はその差が開く形となっている。
この状況を分かりやすくするため、総数に占める男女それぞれの比率を算出した結果をグラフにしたのが次の図。
↑ 日本の総人口(人口推計、総数に占める比率、男女別)
縦軸の最低値が47%、区切りが1%単位なのでさほど大きな差ではないのだが、戦前はむしろ男性の方が多い状態だった。日中戦争から太平洋戦争にかけて男性数が大きく減るに従い比率も下がり、1937年には男女数が逆転し女性の方が多くなる。その後、戦中から戦後の混乱期を経て計測が再開された1947年には女性比は51.18%を記録する。
戦後は男女の差は縮まるが女性が多い状態は継続し、1980年代後半からは再び差が開く形で女性比率が大きくなる傾向が生じている。公衆衛生の普及や医学の進歩に伴い寿命が延び、元々長命な女性がより大きな恩恵を受け、結果として長生きしている女性が多くなっているのが実情ではある。
年齢階層別の動向は
よい機会でもあるので年齢階層別の動向も確認しておく。次に示すのは人口推計で用いられている年齢区分である主要3区分、具体的には「年少人口(14歳以下)」「生産年齢人口(15-64歳)」「老年人口(65歳以上)」に区分した上で、人口をそのまま積み上げしたものと、各年の総人口比を算出した結果。戦時中から戦後混乱期にかけてはデータが存在せず空欄となっている。
↑ 日本の総人口(年齢階層別、人)
↑ 日本の総人口(総人口比、年齢階層別)
おおよそ戦前は構成比に変化は無い。戦後は混乱期の中で年少人口の比率が増加するもすぐに生産年齢人口比率が増加。高度経済成長期からバブル期にかけては年少人口比率・生産年齢人口はほぼ横ばいで老年人口比率も漸増。1980年代後半以降は老年人口比率の増加率が大きくなるとともに、まず年少人口比率、次いで生産年齢人口比率が圧迫される形で減少していく。
これらの構図がよく分かるように、総人口比を折れ線グラフの形としたのが次のグラフ。老年人口をさらに高齢層のみで区分した75歳以上に限った比率も算出し、反映させている。
↑ 日本の総人口(総人口比、75歳以上追加、年齢階層別)
戦前はほぼ横ばいだった年齢階層別の人口構成比も、戦後の経済成長や医療科学などの進歩発展とともに、少しずつ高齢者の比率が増え、まず年少人口比率が、そして生産年齢人口比率が落ち込んでいくようすがよく分かる形となっている。社会構造や経済の維持のためには、社会全体をけん引する生産年齢人口(の数、比率)がもっとも重要な要素となるだけに、昨今の状況に対する危機感が改めて認識される次第ではある。
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