食料品は店頭価格上昇で堅調…2024年4月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス0.4%
2024/05/23 14:00

チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2024年5月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年4月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年4月は食料品においては節約志向による買い控え傾向は継続しているが、店頭価格の上昇が後押しして堅調、季節物は動かず衣料品は軟調、住関品は動きはよかった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス0.4%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の47社・9155店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で1765店舗減少、前年同月比で1547店舗減少している。売場面積は前年同月比92.8%となり、7.2%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でマイナス1.2%を示す形となった。なお今回月では企業数、店舗数が前回月比で大きく減っており、資料に言及はないが、大規模な業務撤退あるいは日本チェーンストア協会からの脱退が起きたことが推定される。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:68.7%(前年同月比101.4%、△1.4%)
・衣料品部門……構成比:5.1%(前年同月比81.0%、▲19.0%)
・住関品部門……構成比:20.6%(前年同月比107.1%、△7.1%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比104.0%、△4.0%)
・その他…………構成比:5.3%(前年同月比89.2%、▲10.8%)
※販売金額には消費税額は含まず
衣料品は春物が動かず軟調。
畜産物は鶏肉がそこそこで、牛肉と豚肉が軟調。鶏卵、加工肉は軟調。
水産品は、まぐろ、ぶり、鯛、サーモン、あじ、ほたて、ほたるいか、牡蠣、塩さば、冷凍魚、漬け魚、海藻類などの動きはよかったが、刺身盛合わせ、かつお、まいわし、うなぎ、あさり、干物、ちりめんなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、フライ、天ぷら、唐揚げ、焼き鳥、焼き魚は好調だったが、中華などの動きは鈍かった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、米、牛乳、乳酸菌飲料、飲料、乳製品、冷凍食品、アイスクリーム、パン類、麺類、袋・カップ麺、レトルト、オリーブオイル、和・洋調味料、デザート、スナック、珍味、豆菓子、グミ、キャンディー、ビール、ノンアルコール飲料などがよかったが、乳飲料、練製品、漬物、納豆、豆腐、インスタントコーヒー、米菓、ビスケット、スープ、焼酎、新ジャンルビールなどの動きは鈍い。
衣料品ではフォーマル、カジュアルシャツ、春物ポロシャツ、Tシャツ、春物アウター、ブラウス、春物カットソー、アンクルパンツ、レギンスパンツ、トップスなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はカードゲーム、TVゲームハード・ソフト、ペーパー類、キッチン用品、トイレ・バス用品、レジャー用品、文具、節句人形、フライパン、タオル、たばこなどの動きは好調だが、ランドセル、ボトル水筒、弁当用品、子供用おむつ、食器類、書籍、雑誌などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、総合感冒薬、UVケア、スキンケア、オーラルケア、衣料用洗剤、台所用洗剤、芳香剤、防虫剤、除湿剤、殺虫剤などの動きがよく、マスク、体温計、除菌ジェル・シート、シャンプー・リンス、ボディケア、住居用洗剤、入浴剤は軟調。
「その他」項目は前回月から転じる形で軟調さを見せ、マイナス10.8%。サービスはプラス4.0%とプラス。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているが、それでもプラスを出す結果となった。
次回月となる2024年5月は4月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は東日本では平年より高く、西日本ではいくぶん低め。降水量は北海道や関東、中部、近畿南部、四国でかなり多い。早くも夏物が動くかもしれない。
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