夫婦間の性交渉の実情をさぐる(最新)

2024/06/18 02:22

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2024-0612先行記事【二人だけのお出かけ、スキンシップ、そして性交渉…夫婦間の共通行動の実情をグラフ化してみる(最新)】において、国立社会保障・人口問題研究所が:原則5年おきの定点観測調査の最新版として2022年に調査を実施し、2024年4月26日に報告書を発表した全国家庭動向調査の第7回分の結果を基に、夫婦間の共同行動の実情を確認した。今回はその中から特に、夫婦間の性交渉に関する実情の詳細を見ていくことにする(【発表リリース:全国家庭動向調査】)。

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今調査の調査要項は先行記事の【夫婦別姓賛成派、夫がいる妻では賛成派6割強(最新)】を参考のこと。

早速だが次に示すのは、妻と夫との共同行動としての性交渉に関し、どの程度行っているかを尋ねた結果。報告書には「不詳」の値も含めて掲載されているが、今件ではその「不詳」を除く形で再計算している。また、性交渉については具体的な説明はない。質問票にも「夫婦間の性交渉」とのみある(直近1年間について尋ねている)。

↑ 妻と夫との共通行動(夫婦間の性交渉、「不詳」除外再計算、妻の年齢階層別)(2022年)
↑ 妻と夫との共通行動(夫婦間の性交渉、「不詳」除外再計算、妻の年齢階層別)(2022年)

全体では6割近くが「まったく無い」。驚きを覚える人もいるだろうが、調査対象母集団には高齢者も大勢含まれるため、この値が出ることは何ら不思議ではない。妻の年齢階層別に見ると、ある派(「よくある」+「ときどきある」)はきれいな形で低年齢ほど高い値を示すが、「よくある」に限ると24歳以下よりも25-29歳の方が多い。25-29歳では20.9%が夫婦間の性交渉について「よくある」と回答できる状態である。

「まったく無い」、表現を変えれば直近1年間において夫婦間で性交渉がまったくなかった妻は、30-34歳でも22.7%いる。たまたま夫が出張か病気か、あるいは妻が出産前後の可能性はあるが、それを考慮しても2割強がいわゆる「セックスレス」状態にあるのは、意外な感はある。この値は妻の年齢が上がるに連れて増えていき、45-49歳で過半数に届く。60-64歳で7割に到達。

いくつかの属性別でみると次の通りとなる。

↑ 妻と夫との共通行動(夫婦間の性交渉、「不詳」除外再計算、属性別)(2022年)
↑ 妻と夫との共通行動(夫婦間の性交渉、「不詳」除外再計算、属性別)(2022年)

子供のあるなしで見ると、やはり子供がいるよりいない方が、性交渉のある派の値は高い。ただし子供がいても非同居の場合は非常に低くなり、「まったくない」が7割を超える。何らかの事情があって子供とは同居をしておらず、それが原因で性交渉にいたらないのかもしれない。あるいは子供がすでに成人しており、妻自身が高齢なのが原因なのだろう。

子供が同居している場合、末子の年齢階層別では、おおよそ年齢が上になるに連れてある派が減る傾向にある。やはり子供の目が気になるのに加え、子供の非同居の事例と同様に、妻自身の高齢化が影響するのだろう。大体同居している子供の年齢が5歳ぐらいまでは、性交渉のある派は高い値を示すようだ。

一方で親と同居しているか否かに関しては、大きな違いはない。同居していてもしていなくても、夫婦間の性交渉に影響は与えないようだ。「よくある」に限れば親と別居している方が高い値となるが、ある派で考えればむしろ親と同居している方が高い値になる。

最後に妻の従業上の地位別だが、意外にもパート、嘱託、自営・家族の間では大きな違いはなく、常勤が他と比べて高い値が出ている。常勤は唯一、ある派が3割超え。常勤ともなれば就業時間は長く疲れもすることから、夫婦間の性交渉もひかえめになるのではとの印象もあるが、実際にはむしろ逆のようだ。


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