「夫婦で異なる名字がOK」で子供が二人いた場合、それぞれ別の名字をつけるのはありか無しか

2018/02/17 05:00

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内閣府は2018年2月13日、「家族の法制に関する世論調査」の結果を発表した。それによると法的に婚姻状態にある夫婦が同じ名字(姓)を名乗らねばならない現行の法令制度に関し、仮に「夫婦が婚姻前の名字を名乗ることを希望していた場合、それぞれ婚姻前のを名乗ってもよい」と法令が変更された場合、夫婦に二人以上の子供がいた時には、それぞれ別の名字をつけてもよいとする考えを肯定する人は全体で1割強に留まっていることが分かった。同じ名字にすべきだとの意見はほぼ2/3を占めている(【発表リリース:家族の法制に関する世論調査】)。



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今調査の調査要綱は先行記事【「夫婦別姓選択」賛成派は反対派を上回る(最新)】を参照のこと。

その記事にある通り、夫婦は同じ名字を名乗らねばならない現行法体制に関し、現行法維持派は3割近く、旧姓選択可能に法律変更派は4割強、同じ名字を名乗らねばならないのは現行法通りだが通称の利用を法的に認めるべきだとする人が2割強に達している。

↑ 選択的夫婦別氏制度に関する意見(2017年11-12月)
↑ 選択的夫婦別氏制度に関する意見(2017年11-12月)

そこで仮に「夫婦が婚姻前の名字を名乗ることを希望していた場合、それぞれ婚姻前のを名乗ってもよい」と法が改正されたとして、その法に基づいて夫婦が別々の名字を名乗り、さらにその夫婦に子供が二人以上いた場合、それぞれの子供に別々の名字を付けてもよいのか否かを尋ねたのが今回の項目。

具体的には「夫:佐藤」「妻:田中」という別姓夫婦がいて、「子供A」「子供B」がいた場合、「子供A:佐藤」「子供B:田中」との名字をつけてもよいか否か。設問では「それぞれの婚姻前の名字(姓)を名乗っている夫婦に二人以上の子供がある場合、子供同士(兄弟・姉妹)の名字(姓)が異なってもよいという考え方について、あなたは、どのようにお考えになりますか」とある。

全体として肯定派は少数で1割程度でしか無く、否定派がほぼ2/3を占めることとなった。「よくわからない」との意見留保派も多めで、2割に届いている。

↑ 「希望すれば、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名乗れるよう、法律が変わった」として、そのような対応をした夫婦に二人以上の子供がある場合、子供同士の名字が異なってもよいか(2017年11-12月)
↑ 「希望すれば、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名乗れるよう、法律が変わった」として、そのような対応をした夫婦に二人以上の子供がある場合、子供同士の名字が異なってもよいか(2017年11-12月)

それぞれの回答の具体的理由までは今調査では尋ねていないが、否定派としては恐らく、状況を理解しきれない子供たちの間におけるトラブルを想定しているものと思われる。少なくとも現行では「たとえ夫婦間で別姓制度が発足したとしても、子供はすべて同じ名字にすべき」とする意見が多数を占めていることになる。属性別では男性30代・女性40代がやや多めだが、イレギュラー的な動きに近く、何らかの法則的な変動は見られない。

なお経年推移でも、目立った動きは無い。

↑ 「希望すれば、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名乗れるよう、法律が変わった」として、そのような対応をした夫婦に二人以上の子供がある場合、子供同士の名字が異なってもよいか(全体、経年推移)
↑ 「希望すれば、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名乗れるよう、法律が変わった」として、そのような対応をした夫婦に二人以上の子供がある場合、子供同士の名字が異なってもよいか(全体、経年推移)

あえていえば否定派が減り、意見留保派が増えていると解釈することができるぐらいだろうか。

少なくとも現状では、たとえ法改正で夫婦別姓が可能となったとしても子供の名字は同一夫婦においては皆同じとすべきとの認識で、問題は無いだろう。


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