「夫婦で名字が異なる場合、その子供にマイナスの影響がある」6割強が懸念

2018/02/17 05:00

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内閣府は2018年2月13日、「家族の法制に関する世論調査」の結果を発表した。それによると法的に婚姻状態にある夫婦が同じ名字(姓)を名乗らねばならない現行の法令制度に関し、仮に法改正によって夫婦で違う名字を名乗れるようになり、その適用をした場合、その夫婦の子供に何か影響が生じるかについて聞いたところ、「悪い影響がある」と考えている人は6割強いることが分かった。「特に影響は無い」とする人は3割強にとどまっている。年齢階層別では若年層で「悪い影響がある」の回答率がやや低い傾向があるが、属性による大きな差異は見られない。



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今調査の調査要綱は先行記事【「夫婦別姓選択」賛成派は反対派を上回る(最新)】を参照のこと。

その記事で記した通り、夫婦は同じ名字を名乗らねばならない現行法体制に関し、現行法維持派は約3割、旧姓選択可能に法律変更派は4割強、同じ名字・通称の利用を法的に認めるべきだとする人が2割強に達している。

↑ 選択的夫婦別氏制度に関する意見(2017年11-12月)(再録)
↑ 選択的夫婦別氏制度に関する意見(2017年11-12月)(再録)

仮に旧姓選択が可能となるように法律が変更された場合、多分に生じるものと予想される、「名字が異なる夫婦の間にある子供」に、何か影響が生じ得るのか否かとの話。各回答者の予想・想定の枠を超えたものでは無いが、全体では62.6%が好ましくない=悪い影響がありうると答えている。それに対し影響は無いだろうとの意見は32.4%。

↑ 夫婦の名字が違う場合、夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うか(2017年11-12月)
↑ 夫婦の名字が違う場合、夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うか(2017年11-12月)

具体的な「好ましくない影響」について設問では設定されていないが、6割強の人は悪い影響があると考えている。男女別では女性、未既婚別では既婚の方が強い懸念を生じており、実態感がある。子供のいる・いないでは「いる」方が強い懸念を示しているのも納得がいく。

年齢階層別に見ると男女ともに大きな違いは無く、あえて言えば18-29歳ではやや悪い影響への懸念が少なめ。70歳以上で悪影響の値が低いのは「分からない」に回答が分散してしまっているからだろう。

また、経年別変化を見ても大きな動きは無く、悪影響が生じると考える人が多数を占めていることが確認できる。

↑ 夫婦の名字が違う場合、夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うか(全体、経年推移)
↑ 夫婦の名字が違う場合、夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うか(全体、経年推移)

子供の希望により夫婦が別姓化の選択を望む状況は考えにくい。多分に夫婦側の希望で行われうる。だが、夫婦の望みが子供にマイナスを与える可能性があるのなら…と、別姓を望む夫婦においては(現行では法律上は不可能で、いわゆる「内縁の夫婦」の手法を用いねばならないが)、子供を起因とするジレンマを抱えているのかもしれない。


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