食料品は節約志向が弱まり店頭価格上昇も合わせ堅調…2024年3月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス9.3%
2024/04/23 14:00
チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2024年4月23日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年3月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年3月は食料品においては節約志向による買い控え傾向はいくぶんの弱まりを見せ、さらに店頭価格の上昇もあり大いに堅調、季節物は動かず衣料品は軟調、住関品は動きはよかった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス9.3%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の54社・10920店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で46店舗増加、前年同月比で298店舗増加している。売場面積は前年同月比101.1%となり、1.1%の増加。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス8.1%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:69.6%(前年同月比111.7%、△11.7%)
・衣料品部門……構成比:5.5%(前年同月比96.7%、▲3.3%)
・住関品部門……構成比:18.0%(前年同月比107.4%、△7.4%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比130.4%、△30.4%)
・その他…………構成比:5.3%(前年同月比102.2%、△2.2%)
※販売金額には消費税額は含まず
価格上昇も合わせ堅調。
衣料品は春物が動かず軟調。
畜産物は豚肉、鶏肉がそこそこで、牛肉が軟調。鶏卵、加工肉は堅調。
水産品は、刺身柵、まぐろ、ぶり、生かつお、たこ、サーモン、ほたるいか、塩鮭、塩さば、冷凍魚、魚卵、海藻類などの動きはよかったが、刺身盛合わせ、鯛、あじ、いわし、するめいか、さば、生銀鮭、いかなご、貝類などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、天ぷら、フライ、スナック、焼き魚、焼き鳥は好調だったが、中華、オードブルなどの動きは鈍かった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト、飲料、乳製品、冷凍食品、アイスクリーム、パン類、袋・カップ麺、レトルト米飯、オリーブオイル、和・洋調味料、水物、玉子豆腐、缶詰、デザート、チョコレート、スナック、豆菓子、グミ、キャンディー、ビスケット、スパークリング清酒、ウイスキーなどがよかったが、インスタントコーヒー、食用油、食用酢、佃煮、ワイン、焼酎、新ジャンルビールの動きは鈍い。
衣料品ではスーツ、フォーマル、ドレスシャツ、セーター、カーディガンなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はランドセル、カードゲーム、TVゲームハード・ソフト、ペーパー類、ラップ・ホイル類、キッチン関連用品、洗濯・清掃用品、カセットコンロ、防災用品、フライパン、タオル、たばこなどの動きは好調だが、文具、書籍、雑誌、スリッパなどの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、総合感冒薬、目薬、スキンケア、ヘアメイク、オーラルケア、衣料用洗剤、台所用洗剤、医薬部外品ドリンクなどの動きがよく、マスク、除菌ジェル・シート、健康食品、UVケア、制汗剤、防虫剤、除湿剤、入浴剤、芳香剤は軟調。
「その他」項目は前回月から転じる形で堅調さを見せ、プラス2.2%。サービスはプラス30.4%と大幅なプラス。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているが、それでもプラスを出す結果となった。
次回月となる2024年4月は3月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は全国的に平年より高い。降水量は北海道や東北を除きかなり多い。今回月から転じて、春物は大きく動くだろう。
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