CD、DVD、そしてレコード…物理的な音楽商品の購入実情(最新)

2025/05/27 02:36

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2025-0506昨今では音楽を聴くとなるとインターネット経由で取得した楽曲を何らかのスタイルで聴くパターンが多勢を占める形となっているが、もちろん聴くための音楽を取得する手段はそれに限らない。音楽CDを購入してプレイヤーで再生したり、DVDなどの音楽ビデオを買って聴いたりなど、多様な手段がある。現状ではそれら物理的な音楽商品はどれほど買われているのか、日本レコード協会が2025年3月に発表した最新調査の結果「音楽メディアユーザー実態調査」(2024年度版)を基に、その実状を確認していく(【発表リリース:2024年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表】)。

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調査対象母集団の要項は今調査に関して先行する記事【無関心層は46.4%に…年齢階層別の「音楽との付き合い方」(最新)】を参照のこと。

次に示すのは物理的な音楽商品に関する購入実情。1年以内に購入経験がある人と、購入したことが無い人の割合を記している。これ以外に、1年を超えた昔に買った経験がある人もいるわけだが、それはグラフでは取り上げていない(逆算すればすぐに答えは出るが)。項目の順番は資料上の掲載順に準じている。参考としてダウンロードによる配信音源の購入実績も併記する。

↑ 物理的な音楽商品の購入実情(2024年)
↑ 物理的な音楽商品の購入実情(2024年)

音楽CDはともかく、レコードを買った人が新品・中古ともに7%強も存在することに驚きを示す人もいるかもしれない。音楽不況が叫ばれる昨今で、音楽CDや音楽ビデオにはおよばないものの、今や歴史的存在的なポジションにあり、その存在すら知らない人も少なくないであろうレコードを、購入している人がまだこれだけいる。もっともこの数字が、レコードが健闘している現状を示していると認識した方がよいのだろう。レコードは「購入したこと無し」の値も高いことから、二極化しているのかもしれない。レコード同様に、カセットテープも6.3%の人が買っているのも注目に値する。

音楽CDはといえば、新品が2割近く、中古は1割強が買われている。他方、DVDなどによる音楽ビデオは1割台。その音楽CDだが、「1年以内に購入経験」「購入したこと無し」の合算値が低いような印象がある。つまり「1年より昔に購入した経験はあるが、直近1年間では購入していない」の人が、他の商品よりも多い計算になる(試算すると41.2%)。たまたま偶然、直近1年間に買いたい新品の音楽CDがなかっただけかもしれないが、気になる話ではある。

これらの音楽商品のうち、新品の音楽CDと音楽ビデオ、そしてダウンロード配信音源について、属性別に1年以内に新品を購入した人の割合を見たのが次のグラフ。

↑ 物理的な音楽商品の購入実情(1年以内に新品を購入した人、一部、属性別)(2024年)
↑ 物理的な音楽商品の購入実情 (1年以内に新品を購入した人、一部、属性別)(2024年)

どの商品も若年層ほど購入率が高い傾向がある。一方で「音楽CD(新品)」は中年層以上でもそれなりに高い値が出ており、「音楽ビデオ(DVDなど)」「ダウンロード配信音源」と比べると幅広い年齢階層が手に取っている実情がうかがえる。他方、「音楽ビデオ(DVDなど)」は男女ともに30代以上、「ダウンロード配信音源」では男性40代・女性30代以上で購入率が大きく落ちる傾向があるため、そこを境に対象商品への意識の違いが生じている感はある。


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