インターネット利用端末は小学生では家庭用ゲーム機、中高生ではスマートフォン
2023/07/22 02:00
大人はもちろんだが子供達のライフスタイルをも大きく変化させたのが、インターネットの存在。そのインターネットを利用する窓口となるデジタル機器は、スマートフォンを筆頭に各種パソコン、タブレット型端末、さらには家庭用ゲーム機やテレビに至るまで多様におよぶ。それらの機器はどれ位の割合で利用されているのだろうか。今回は内閣府が2023年3月31日に確定報を発表した「令和4年度青少年のインターネット利用環境実態調査」の調査結果を基に、小中高校生における各種デジタル機器を用いたインターネットの利用状況の現状を確認していくことにする(【令和4年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】)。
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スマホが一番、タブレット型端末が続く。そして携帯ゲーム機
今調査は2022年11月3日から12月12日にかけて2022年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法やウェブ調査法も併用)で行われたもの。回答側の事情次第で郵送回答法を併用している。有効回答数は青少年が3230人(うちウェブ経由は450人、郵送回収法は222人)、保護者は3276人(うちウェブ経由は491人、郵送回収法は236人)。
次に示すのは調査対象母集団における、該当機器でインターネットを利用している人の割合。回答者が「使っている」と判断する程度の利用状況が示された形となる。また該当機器を利用していても、それがインターネットと接続されていない状態であれば、回答には値しない。対インターネット利用者比率ではなく、対全体比であることに注意。例えばスマートフォンの73.4%はインターネット利用者のうち73.4%ではなく、調査対象母集団の73.4%を意味する。
↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用)(2022年)
全体ではスマートフォン(一般のスマートフォン以外に子供向けスマートフォンなども含む)によるインターネット利用がもっとも多く、73.4%。次いで学校から配布されたり指定されたパソコンやタブレット型端末が63.6%、ほぼ同率で家庭用ゲーム機が63.2%と続く。テレビ(YouTube、Netflix、Amazon Prime Video、Huluなど)は56.0%。
小中高校生すべてを合わせた平均であることから、いくぶん均されている感はあるものの、子供達の間でもすでに「インターネットの窓口はスマートフォン」状態となっている実態が分かる。デジタル端末の操作系でキーボード利用に難儀する一方、タッチパネルなどの使いこなしに慣れる事例が増えているのも、結局のところそれらの機器を使う主用途であるインターネットの利用の際に使うツールが、スマートフォンをメインとしているからに他ならない。普段使うもののスタイルを覚えて当然の話。常日頃からスプーンやフォークを多用している人に、お箸(はし)を渡して食事をするように勧めても難儀することが多いのと同じである。
家庭用ゲーム機やテレビもまた、インターネットの窓口として広く認知されている実情が確認できる。もっとも家庭用ゲーム機の場合はゲームに付属する機能としての利用が、テレビは動画視聴のための利用が多分ではあるのだが。
学校種類別に見ると大きな違いが
これを小中高の学校種類別に区分した結果が次のグラフ。
↑ デジタル機器利用状況(小中高校生、複数回答、該当機器でインターネットを利用、学校種類別)(2022年)
小学生ではインターネットへの窓口は家庭用ゲーム機が最も多く、次いで学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末、テレビが続く。ところがすでに中学生の時点でスマートフォンが最高値を示すようになり、学校配布・指定のパソコンやタブレット型端末が続く形に。
そして高校生。圧倒的回答率でスマートフォンがトップにつく。高校生のほぼ全員はスマートフォンでインターネットを利用している計算になる。自宅用パソコンやタブレット型端末は42.8%のみ。スマートフォンそのものの普及利用率にも多分に、そしてそれは保護者側の判断に左右されるところではあるが、子供達、特に中高校生にとってスマートフォンはインターネット利用のための必須アイテム的な存在となりつつある。まさにスマホ無双な状態。
高校生に限ればインターネット利用のためのツールはスマートフォンがほぼ全員、テレビが5割強。授業などではキーボードを用いる機会は得られるだろうが、高校生自身はその多くがキーボードを使う端末を「インターネットを使っている」との認識対象とはしていない。
「若年層のキーボード離れ」がネットスラング的に語られているが、高校生の現状を見るに、あながち的外れではない感は否めない。
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