食料品は節約志向強まるも店頭価格上昇で堅調…2024年1月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス1.9%
2024/02/22 14:00
チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2024年2月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2024年1月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2024年1月は食料品においては節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなったものの、店頭価格の上昇が幸いし堅調、暖冬の影響で季節物が動かず衣料品は軟調、住関品も動きが鈍かった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス1.9%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の54社・10845店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で165店舗増加、前年同月比で25店舗増加している。売場面積は前年同月比99.1%となり、0.9%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス2.1%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:69.5%(前年同月比103.5%、△3.5%)
・衣料品部門……構成比:5.4%(前年同月比97.0%、▲3.0%)
・住関品部門……構成比:18.7%(前年同月比98.1%、▲1.9%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比102.8%、△2.8%)
・その他…………構成比:6.2%(前年同月比101.2%、△1.2%)
※販売金額には消費税額は含まず
農産品の価格上昇で堅調。
衣料品は高気温で軟調。
畜産物は鶏肉がそこそこで、牛肉や豚肉が軟調。鶏卵は堅調だが、加工肉は鈍い。
水産品は、まぐろ、ぶり、サーモン、牡蠣、ほたて、冷凍魚、魚卵、海藻類などの動きはよかったが、たら、あじ、いか、かれい、えび、かに、塩鮭、開き物、漬け魚、ちりめんなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、天ぷら、オードブル、スナック、中華、焼き魚は好調だったが、焼き鳥、唐揚げなどの動きは鈍かった。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、米、乳製品、牛乳、乳酸菌飲料、飲料、乳飲料、アイスクリーム、パン類、和・洋調味料、納豆、海苔、和・洋生菓子、チョコレート、スナック、米菓、豆菓子、グミ、キャンディー、ギフト、ビール、チューハイ、ウイスキーなどがよかったが、ヨーグルト、冷凍食品、袋・カップ麺、パスタ、食油、鍋つゆ、スープ類、豆腐、蒟蒻、練製品、漬物、缶詰、シリアル、和菓子、インスタントコーヒー、紅茶、ワイン、焼酎の動きは鈍い。
衣料品ではスーツ、フォーマル、セットアップ、ドレスシャツ、カジュアルシャツ・パンツ、ポロシャツ、パンツスーツ、春物ニット、レギンスパンツなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はカードゲーム、玩具、ペーパー類、フライパン、キッチン用品、ステンレスボトル、紙食器、割箸、たばこなどの動きは好調だが、TVゲームハード・ソフト、鍋、文具、書籍などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、制度化粧品、総合感冒薬、メイク用品、衣料用洗剤、食器用洗剤、トイレ用洗剤などの動きがよく、抗原検査キット、マスク、除菌ジェル・シート、スキンケア、オーラルケア、ヘアケア、住居用洗剤、入浴剤、カイロは軟調。
「その他」項目は前回月から転じる形で堅調さを見せ、プラス1.2%。サービスはプラス2.8%と堅調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているが、それでもプラスを出す結果となった。
次回月となる2024年2月は1月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は北海道の北部を除く全国的に平年よりかなり高い。今回月同様に、季節物はあまり動かないかもしれない。
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