一般道路・後部座席では42.9%のみ…JAF、シートベルト着用率発表

2023/03/02 10:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
JAF(社団法人日本自動車連盟)と警察庁は2023年2月17日、自家用乗用車などの利用者を対象に2022年10-12月に実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を発表した。それによると一般道路での運転者の着用率は前年比変わらずの99.1%、高速道路などでは前年比変わらずの99.6%と高い割合だったのに対し、後部座席同乗者はそれぞれ42.9%(変わらず)・78.0%(プラス2.3%ポイント)だったことが分かった。JAFなどでは運転者はもちろんのこと、後部座席をはじめとした同乗者にも自発的・積極的にシートベルトを着用するよう注意喚起をしている(【発表リリース:一般道路の後席シートベルト着用率は42.9% 今なお低い!後席シートベルト着用の意識】)。


スポンサードリンク


↑ シートベルト着用率(走行道路種類別・着席場所別)(2022年)
↑ シートベルト着用率(走行道路種類別・着席場所別)(2022年)

【戦後の交通事故発生件数・負傷者数・死者数(最新)】【シートベルトとエアバッグのデータをグラフ化してみる-「戦後の交通事故・負傷者・死亡者をグラフ化してみる」後日談】などで解説している通り、シートベルトは正しく着用することで、「確実に」交通事故による犠牲者が減ることは数字の上でも証明済み。【警察庁の広報ページ「全ての座席でシートベルトを着用しましょう」】でも「後部座席におけるシートベルト非着用時の致死率(死傷者数に占める死者数の割合)は、一般道路で着用時の約3.5倍・高速道路で着用時の約19.4倍」など、それを裏付ける値が示されている。関係者・団体による啓蒙活動などが功を奏し、少しずつ着用率は上昇しているが、いまだ100%には至っていない。

また2008年の改正道路交通法施行(後部座席も含めた全席シートベルト着用義務化)に伴い、後部座席においても着用率は2008年から急激な上昇を示している。それでも高速道路などで7割台・一般道路では4割台と、前部座席と比べて着用率はまだ低く、さらなる啓蒙が必要とされる。

↑ 一般道路におけるシートベルト着用率(着席場所別)
↑ 一般道路におけるシートベルト着用率(着席場所別)

↑ 高速道路などにおけるシートベルト着用率(着席場所別)
↑ 高速道路などにおけるシートベルト着用率推移(着席場所別)

さらに上記グラフを見れば分かるのだが、全般的に高速道路などにおける着用率の方が、一般道路と比べて高い。これは高速道路の方が運転速度が速く、その分事故の際のリスクが大きい(と認識されている)ため、運転者なども身構え、気をつける割合が高い結果によるもの。しかしながら一般道での走行速度でも、万一の際におけるシートベルトの着用の有無による「リスク」の差は極めて大きい。

「普通の道路の速度なら、シートベルトをしなくても問題は無いだろう」「事故など滅多に起きない」「面倒くさい」「きゅうくつだから」「目的地まで数分で行けるから」「エアバッグがあるから」「注意しているから事故など起こすはずがない」「後ろの座席は安全だから」との油断は禁物。ここ数年は後部座席でも着用率は少しずつ上昇しているものの、それでもまだ運転者と比べればはるかに低い。「自動車に乗ったらまずは全員がシートベルト」を習慣とするよう、運転者も同乗者も皆、心がけてほしい。

特に後部座席に座る子供は、シートベルトの着用を嫌がる傾向がある。その時にはまず運転席・助手席同乗者などの親が着用し、その姿を自慢しながら教え諭すことをお勧めする。子供は親の真似をするもの。親が積極的に、嬉しそうにシートベルトをすることで、子供も積極的につけるようになるに違いない。


■関連記事:
【後部座席のシートベルトがいかに大切かが分かる広告】
【命を守るものは中途半端ではダメなのが良く分かる広告】
【シンプルで分かりやすいシートベルト啓蒙広告】
【自動車は一切出てこないけどシートベルトの大切さが胸をつらぬくコマーシャル】
【「赤ちゃんがのってます」ステッカーの、もう一つの意味】

スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS