バレンタインデーに向けてチョコはいつ買われるのか…日々のチョコレートへの支出傾向
2023/02/14 02:00
先行記事【日本のチョコレートなどへの支出傾向(最新)】において、総務省統計局が定期的に調査を実施し、その結果を公知している【「家計調査」】を基に、バレンタインデーにちなんで日本の地域別におけるチョコレートやチョコレート菓子の購入傾向を金額面から確認した。今回は別の視点から同じく「家計調査」の公開値を用い、バレンタインデーにまつわる人々の購入傾向を見ていくことにする。
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家計調査では二人以上世帯(原則夫婦世帯)においてのみ、日次の動向に関する調査も行われている(【家計調査のデータを探す前に】)。世の中全体の動向を推し量るのには総世帯(単身世帯+二人以上世帯)の値が望ましいのだが、存在しない以上仕方がないので、この二人以上世帯における日々の支出金額を元に、「チョコレート」や「チョコレート菓子」がバレンタインデーに向けてどのように買い進められていくのかを確認する。
現時点で日次データが取得できるのは2022年12月分まで。そこで前年度に該当し、バレンタインデー関連の動向を推し量れるように、2021年12月から2022年3月までの日々の支出に関して、「チョコレート」「チョコレート菓子」の支出金額を確認する。
加えて今回は「他の洋生菓子」も追跡項目として追加する。これはバレンタインデーはともかく、その翌月のホワイトデーで対象となる種類の菓子が多分に含まれるからである(なお「キャンデー」も単独項目として「家計調査」には用意されているが、バレンタインデー・ホワイトデーともに特異な動きは無かったので、今回は省略する)。「他の洋生菓子」の具体例は【収支項目分類及びその内容例示(令和2年(2020年)1月改定)】によると次の通り。
・エクレア シュークリーム
・ワッフル クレープ バームクーヘン
・アップルパイ
・ロールケーキ パウンドケーキ マドレーヌ
・ババロア ムース
・スイートポテト
↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、品目別、円)(2021年12月-2022年3月)
日取りによる影響も少なくないが、「チョコレート」は2022年のバレンタインデーでは直前の2月12日(土曜)の支出金額が最多で、2月11日(金曜・建国記念の日)、2月14日(月曜・当日)、2月13日(日曜)が続く。2022年はバレンタインデー当日が月曜なのに加え、その直前の週末に11日が建国記念の日の祝日でお休みなことから、11日-13日の連休中にチョコを購入・作成し、連休明けの14日当日に渡すというパターンが少なからずあったのかもしれない。
また「チョコレート菓子」はバレンタインデーやホワイトデーに関して、イレギュラー的な動きはほとんど無い。バレンタインデーなどはあくまでもチョコレートのイベントであり、チョコレート菓子はほとんど無視されると見てよい。
ホワイトデーといえばキャンデーやマシュマロのような洋菓子がイメージされるが、キャンデーについてはほとんど動きが無いものの、「他の洋生菓子」は明らかにホワイトデーに向けた上昇ぶりを見せ、3月12日には49.57円をつけている。ただし支出金額はバレンタインデーの「チョコレート」にははるかにおよばず。
興味深いのはホワイトデーに当たる3月14日(月曜)の直前の土曜となる3月12日に「チョコレート」の支出金額がそれなりに伸びていること。ホワイトデー用のギフトとしても、チョコレートの類が用いられる事例は少なからずあるようだ。
なお「他の洋生菓子」(「ケーキ」は別途項目があるので含まれていない)はクリスマスから正月にかけて、支出金額の増加が確認できる。これは【お正月に洋生菓子が売れてるのって、やっぱり......】でも示唆しているが、コンビニにおける年末年始向けのスイーツ群が多分に影響していると考えられる。あるいはクリスマスケーキに併せて買っているのかもしれない。まだコンビニが年末年始の特別スイーツに本腰を入れていない11年前の動向を確認したが、2022年の動向と比べると動きは小さかった。またホワイトデーにはほとんど際立った動きはなかった。それらしい動きがホワイトデー前日にかろうじて見える程度。
↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、他の洋生菓子、円)(2010年12月-2011年3月)
ちなみにバレンタインデーにおいては、チョコレートだけでなくケーキの類もギフトとして用いられるケースがある。しかし2022年においては明確な支出金額の上昇振りは見られなかった。少々大きいかな、という程度。
↑ 二人以上世帯における支出金額(日次、ケーキ、円)(2021年12月-2022年3月)
12月24日は当然クリスマスイブ、そして3月3日はおそらくひな祭りのためにケーキが買われているものと考えられる。さらに興味深い話だが、バレンタインデーやひな祭りでは見られない現象として、クリスマスイブの翌日、クリスマス当日にも「ケーキ」は高い支出金額を示している。イブではなくてクリスマス当日にケーキを食べようとの動きに加え、イブを過ぎてセールス価格となったケーキを購入するパターンも少なからずあるのかもしれない。
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