小学生が抱えている悩みは何だろうか
2023/01/25 03:00
小学生の年齢では一日のうち多くの時間を過ごすことになる学校生活。楽しいことばかりではなく、辛いこと、困ったこと、悩んでしまうことなどもあるだろう。また、自分の家庭内をはじめ、学校以外の環境でも悩みを抱えているかもしれない。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」の結果から、小学生の悩みごとの実情を確認する(【白書シリーズWeb版】)。
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今調査の調査要項は先行記事の【平均は21時42分…小学生の就寝時刻(最新)】を参照のこと。
次に示すのは小学生において今、悩んでいることがあるかを尋ね、複数回答で答えてもらった結果。トップは「学校での友達関係」で全体では17.6%となった。日常の大部分を過ごすことになる学校で、やはり多くの時間を交流で費やす友達との間の関係に、悩みを抱く小学生は多いようだ。
↑ 今悩んでいることは(小学生、複数回答)(2022年)
「学校での友達関係」に次いで多い悩みごとは「学習」で16.6%。具体的にどのような内容かまでは分からないが、授業の内容が理解できずに授業についていけない、暗記に苦労する、難しいことが多くて理解するのに時間がかかるなど、さまざまな悩みごとの対象が考えられる。悩んでも最終的に理解して習得し、授業についていけるのならよいのだが。
さらに「自分の容姿・性格」が6.3%で続く。小学生の段階ですでにこれだけの人が、自分の容姿や性格のような、自分と他人との比較の上で、差や劣等感を認識していることになる。そして「学校での先生との関係」「兄弟姉妹との関係」が続く。小学生も多様な場面で、人間関係に悩みを抱いているようだ。
「オンラインやSNS上での知り合いとのやりとり」は0.8%でしかなく、具体的な選択肢の中では一番低い値となっている。単にオンラインやSNSでは人間関係や操作上の問題に関する悩みがないのか、あるいは小学生のうちは悩みを抱えるほどまでにはインターネットを使わせてもらえないだけなのかもしれない。
恋愛に関する悩みごとは選択肢そのものが無いので確認はできない。あるいは「学校での友達関係」や「その他」に含まれているのかもしれない。
これを上位陣について属性別に見たのが次のグラフ。
↑ 今悩んでいることは(小学生、複数回答、上位陣、属性別)(2022年)
「自分の容姿・性格」は男子より女子の方が高い値となっている。女子の方が自分自身のことに対する評価を気にかけているのだろう。「学校での友達関係」が男子より低い値なのは意外ではある。さらに「自分の容姿・性格」は学年別では小学4年生が一番高い値を示しているが、おおよそ低学年より高学年の方が値は高め。成長とともに自意識が強まり、自分の容姿や性格に対する認識も確かなものになっていくのだろうか。小学4年生では「学校での先生との関係」も一番高い値となっており、両者の間に関連性があるのか否か、気になるところではある。
「学校での友達関係」は小学1年生が一番高い値で、小学2年生で大きく値は落ち、それ以降学年とともに少しずつ値を積み増すようになる。小学1年生で高い値が出るのは、はじめての義務教育上の場で多くの時間を友達と過ごすようになり、不安を覚えたり悩んでしまうからかもしれない。他方、小学2年生以降値が大きくなるのは、成長とともに自我をしっかりと持つようになるのとともに、行動範囲の拡大とともに交友関係も広がりを見せ、悩んでしまう出来事に遭遇する機会も多くなるからなのだろう。
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