食料品は節約志向高まるも農産品の相場高と店頭価格上昇で堅調…2023年11月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス3.7%

2023/12/22 14:00

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チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年12月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2023年11月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2023年11月は食料品においては節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなったものの、農産品の相場高と店頭価格の上昇が幸いし堅調、気温の低下とともに季節商品が動いた衣料品も堅調、住関品は好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス3.7%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の54社・10822店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で9店舗増加、前年同月比で160店舗増加している。売場面積は前年同月比99.0%となり、1.0%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス4.2%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆1286億6897万円(前年同月比103.7%、△3.7%)

・食料品部門……構成比:68.7%(前年同月比104.6%、△4.6%)

・衣料品部門……構成比:5.6%(前年同月比103.5%、△3.5%)

・住関品部門……構成比:19.9%(前年同月比102.2%、△2.2%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比100.6%、△0.6%)

・その他…………構成比:5.5%(前年同月比98.9%、▲1.1%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は節約志向生じるも
価格上昇で堅調。
衣料品は高気温で軟調。
農産品はじゃがいも、白菜、玉ねぎ、長ねぎ、きゅうり、キャベツ、なす、しいたけ、ほうれん草、ブロッコリー、きのこ類、カット野菜などの動きはよかったが、トマト、ピーマンなどの動きは鈍かった。果物では、ぶどう、みかん、バナナなどは好調だったが、りんご、梨、柿、いちご、アボカド、キウイフルーツなどの動きは鈍い。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になっている。

畜産物は鶏肉がそこそこで、牛肉や豚肉が軟調。鶏卵は好調だが、加工肉は軟調。

水産品は、まぐろ、ほたて、ぶり、はまち、塩さば、冷凍魚、魚卵、海藻類などの動きはよかったが、たこ、いか、真さば、たら、さんま、かに、牡蠣などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、スナック、天ぷら、オードブル、焼き物は好調。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、米、乳酸菌飲料、乳製品、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、冷凍食品、麺類、インスタント麺、パン類、和・洋風調味料、納豆、おでん商材、半生菓子、ビスケット、スナック菓子、豆菓子、グミ、のど飴、ウイスキー、ビールなどがよかったが、食油、鍋つゆ、缶詰、佃煮、漬物、和・洋菓子、チョコレート、焼酎、発泡酒、新ジャンルビールの動きは鈍い。

衣料品ではスーツ、セットアップ、ジャケット、コート、スラックス、カットソー、ボトム、ビジネスフォーマル、ワイドパンツ、シャツブラウスなどが堅調。

住関品では日用雑貨品はカードゲーム、ペーパー類、ラップ・ホイル類、洗濯・清掃用品、ステンレスボトル、フライパン、旅行ガイドブック、タバコなどの動きは好調だが、ランドセル、カセットコンロ・ボンベ、鍋類、子供用おむつ、タオル、文具、雑誌などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、総合感冒薬、メイク用品、スキンケア、シャンプー・リンス、衣料用洗剤、殺虫剤、カイロ、防虫剤などの動きがよく、抗原検査キット、マスク、体温計、除菌ジェル・シート、オーラルケア、ヘアケア、ボディソープ、キッチン洗剤、住居用洗剤、入浴剤は軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス1.1%。サービスはプラス0.6%と堅調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているが、それでも奮闘した結果となった。

次回月となる2023年12月は11月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気温は全国的に平年より高く、特に関東ではかなりの高さを示している。季節物はあまり動かないかもしれない。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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