LINE、Facebook、Twitter、そしてmixi…主要ソーシャルメディアなどの利用状況の変化
2022/11/01 02:00
この数年でコミュニケーションの様式を大きく変化させた要因の一つに挙げられるのがソーシャルメディア。スマートフォンと相互作用する形で普及率はうなぎのぼりとなり、さまざまな社会・経済方面にも影響を与えている。今回は総務省情報通信政策研究所が2022年8月26日に発表した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」などの調査結果をもとに、数年間にわたる主要ソーシャルメディアなどの利用状況を確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。
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調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間をグラフ化してみる】を参考のこと。
次以降に示すのは日本における主要ソーシャルメディアとして挙げるLINE、Facebook、Twitter、そしてmixiの、「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」における利用状況。LINEは厳密にはソーシャルメディアではなく対個人・少数人数間におけるチャットツールだが、今調査ではソーシャルメディアとして取り扱っていることから、今回もその区分に従う。また利用状況を示す利用率だが、調査の上で「携帯電話およびパソコンのいずれからも利用していない」の回答値から100%を引いて逆算している。厳密にはインターネット接続テレビや家庭用ゲーム機などからのみ利用している人もあるうるが、各年の報告書でもその計算方法で利用率を計算していることから、今記事でもそれに従う。
なお「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では現時点で今回年も合わせ10年分の調査が行われていることから、10年分の推移を見ることになる。
まずはLINE。
↑ ソーシャルメディア利用状況(LINE、属性別)
若年層、特に10代から20代の利用率が高い現状は先行する各記事で伝えている通りだが、2012年から2013年にかけて急速に普及が進んだようすが分かる。特に学生・生徒(中学生から大学生)では2012年の時点ですでに45.3%が利用しており、2013年ではさらに30%ポイント近い増加を示して3/4の利用率に達している。ほぼ同時期にはスマートフォンの普及も急速に進んでいることから、スマートフォンの利用とLINEが一体化したかのような連動性を示していることが理解できよう。
直近の2021年ではむしろ先行して普及した属性は頭打ちの状態で、50代以降にまで浸透が進み始めている。10代の値がやや大人しめだったが、これはLINEを使える機種そのものを持っていない人がいたため。しかし2019年では大きく伸び、20代や30代とほぼ変わりない値となった。2021年ではほぼ前年の2020年の値と変わらず、むしろ少々減少してしまっているほど(誤差の範囲だろう)。他方、30代から50代における2014年以降の急増ぶりは、子供との連絡用として導入したことも十分考えられる。直近年では50代と60代の伸び方が著しい。
続いてFacebook。
↑ ソーシャルメディア利用状況(Facebook、属性別)
LINEほどではないが、やはり2012年から2013年に大きな飛躍が確認できる。もっとも20代から50代のような就業者の範ちゅうでの伸びが著しく、学生・生徒や10代では大きな増加が無いことから、ビジネス的な利用目的で始めた人が多かったようだ。ところが2014-2015年をピークに、10-30代では利用率が落ちる傾向が見受けられる。若者のFacebook離れとの表現はあまりにも陳腐すぎるが、数字はそれを裏付けている。
直近の2021年では前年比で男性、20代と40-50代において増加、60代では変わらないものの、それ以外の属性での減少が確認できる。特に女性や30代の減少は継続的で、不安を覚えさせるものがある。社会人になってからTwitterやLINEなどにシフトしているのだろうか。一方で40代が増加を続けているが、こちらは仕事上の関係で使うからかもしれない。
TwitterはFacebookよりもやや若者よりな状態。
↑ ソーシャルメディア利用状況(Twitter、属性別)
2012年から2013年にかけての大きな動きは10-20代で顕著だが、それ以外の属性では見られない。少しずつ利用率が高まる形。
直近の2021年で前年比を見ると10-20代、60代、学生・生徒で天井感が見られるが、それ以外のおおよその属性で小さからぬ増加を示している。
最後はmixi。
↑ ソーシャルメディア利用状況(mixi、属性別)
上記3ソーシャルメディアとはおおよそ逆、昔から今に連れて利用率が減少する動きを示している。特に2012年から2013年にかけて若年層、具体的には10-20代、学生・生徒の減り方が著しく、とりわけ10代と学生・生徒では半分以下にまで落ち込んでいる。同時期にLINEが急速に伸びた動きを示していることを併せ考えると、相関関係からの推論でしかないが、多分のmixi若年層利用者がLINEに流れたと見ても不思議ではない。
全体では2012年から2019年にかけて利用者は1/4ぐらいにまで減少。10代に限れば5%程度にまで減ってしまっている。60代はここ数年で増加の動きがあるが、それでも1割にも満たない。増加傾向にあった40-50代や学生・生徒ですら、ここ数年では減少している。直近では最多利用層は30代、次いで20代となっている。
一応経年変化としてのデータは存在するが、まだ10年分しか抽出できないため、ぶれが生じている可能性は否めない。明確な変動傾向はあと数年調査結果の蓄積が欲しいところだが、インターネットサービス系のすう勢は流れが速く、調査データが蓄積される前に明らかな結果(サービスの閉鎖など)が出てしまう可能性すらある。
とはいえこの数年は、ソーシャルメディアのすう勢が大きく動いた期間でもある。色々な意味で、納得のいく動きを示していることには違いない。
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