平日も休日も女性の方が多く、長い…男女別・年齢階層別のテレビ視聴動向

2022/10/28 02:00

先に【テレビは高齢者、インターネットは若年層…主要メディアの利用時間(最新)】において、総務省が2022年8月26日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、テレビなどの利用動向を確認した。その際に、テレビ視聴、特にリアルタイムの視聴に関し、男女では大きな差異が生じているのではとの意見がいくつか寄せられた。そこで今回はテレビ(リアルタイム)の視聴に的を絞り、具体的な視聴動向を男女別に見ていくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

平日は全年齢階層で女性が多く、そして長い

調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。

次に示すのは録画などではなく、リアルタイムでテレビ番組を観た人の割合＝行為者率と、その行為者における平均行為時間。この行為者率とは該当期日(今件調査は平日2日分と休日1日分で実施している)のうち、連続して10分以上利用した人の割合を示している。例えば10代男性は55.6％とあるので、男性10代の55.6％は、平日1日の間に連続して10分以上テレビをリアルタイムで視聴していることになる。また平均時間は「行為者の」平均であり、「各属性全体の」平均ではない。


↑ テレビ(リアルタイム)行為者率(平日、男女別・年齢階層別)(2021年)

↑ テレビ(リアルタイム)行為者平均時間(平日、男女別・年齢階層別、分)(2021年)
全体では男性が68.8％、女性は80.2％。女性の方が11.4％ポイント高い。特に30-40代で男女差が大きく出ており、40代では20.8％ポイントもの差が生じている。おおよそ男女とも年が上になるに連れて行為者率は増加していく。

そして行為者における平均視聴時間だが、男女の差が大きく開いているのが分かる。これは男性がおおよそ就業で日中のテレビ視聴が困難な場合が多いのに対し、女性は自宅で家事、あるいはパートタイムで働きに出ていてもフルタイム就業の男性と比較すると自宅にいる≒テレビを視聴できる機会が多いことから、必然的にテレビを観る人における視聴時間が長くなるため。

休日ではどうだろうか

これが休日になると状況は一変する。


↑ テレビ(リアルタイム)行為者率(休日、男女別・年齢階層別)(2021年)

↑ テレビ(リアルタイム)行為者平均時間(休日、男女別・年齢階層別、分)(2021年)
行為者率では10-40代でやや大きな差異が出てしまっているが、それ以外の年齢階層では男女間の差異はあまり無い。一方で年齢とともに増加する点は平日と変わりない。就業によるテレビ視聴にかかわるハードルが無くなり、テレビ視聴への傾注傾向がそのまま表れた形となっている。男性は、平日視聴できなかった分を休日に補てんする意味で、やや底上げされている可能性すらある。

一方行為者による平均視聴時間では、少なからぬ数の属性で平日以上の長さを示すのとともに、20代や50-60代では男性の方が女性よりも長い時間の視聴が確認できる。平日の足りない分を充足している可能性は多分にあるが、男性の方がテレビ好きであることを示す一つの指標なのかもしれない。


大雑把にまとめると、平日は男性の就業機会が多分にあることから、女性の方が行為者率・行為時間ともに長い。休日は行為者率は男女ともに大きな違いは無く、視聴時間は男女差に際立った差異は無い。テレビ視聴に関する状況としては、普段からイメージされている様式と一致しており、納得させられる結果と言えよう。


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