22.9%が利用中…キュレーションサービスの利用状況

2022/10/22 02:00

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機動性に長けて自在に持ち運びができ、電波が届く場所ならいつでもインターネットにアクセスが可能、処理能力は従来型携帯電話と比べて桁違い…情報を処理することが求められる日常生活において、スマートフォンの登場は人々のライフスタイルを一変させてしまった。そのスマートフォンの普及とともに注目されている新サービスが「キュレーションサービス」。ニュースサイトを中心に、利用者の需要を基に自動的にコンテンツを集約して再構築し、あるいはダイジェスト版を作り、独自のウェブ総合誌を提供するもので、情報を効率よく入手したい人に対するコンシェルジュのような存在。今回は総務省が2022年8月26日に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、そのキュレーションサービスの利用状況を確認していく(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。

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調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】を参考のこと。

次に示すのは冒頭でも解説した、いわゆるキュレーションサービスの利用状況。今調査の調査用質問用紙では「スマートニュース、グノシー、NewsPicksなどのニュースアプリ」とあり、具体的にスマートニュースとグノシー、NewsPicksの名前が挙げられている。しかしながらその内情、性質、機能からは一次ニュースを公開しているとの錯誤が生じやすい「ニュースアプリ」の表記よりも、「キュレーションサービス」の方がより適切であるため、また報告書でも「キュレーションサービス」と表記されていることから、今記事ではそちらを用いる。

↑ ニュースを読んでいる媒体(複数回答、キュレーションサービス)(2021年)
↑ ニュースを読んでいる媒体(複数回答、キュレーションサービス)(2021年)

全体では22.9%、男女別では女性の方が割合は高い。単純な年齢階層別では40代がもっとも多く25.3%、60代でも23.9%は利用している。

就業形態別では専業主婦・夫の利用が多いのが目にとまる。世帯年収別では低年収層の利用率は低め。利用可能な端末(多分にスマートフォン)の利用傾向が影響している部分もあるのだろう。都市規模別では傾向だった動きは見出しにくい。

今件について、複数のテキスト系ニュースメディア(紙媒体の新聞やニュースサイトなど。映像媒体であるテレビニュースや音声媒体のラジオニュースは含まず)の中でもっともキュレーションサービスを利用していると回答した人の割合で見たのが次のグラフ。要はニュースサイトや新聞よりも、キュレーションサービスをニュースの取得ツールとして活用している人の割合。

↑ もっともニュースを読んでいる媒体(択一回答、キュレーションサービス)(2021年)
↑ もっともニュースを読んでいる媒体(択一回答、キュレーションサービス)(2021年)

全体では6.4%。おおよそ16人に1人。年齢階層別では40代が7.7%で最大。就業形態別では専業主婦・夫と学生が多く、無職が続く。短時間でニュースを効率よく取得できる点を活用しているのだろうか。世帯年収別では600-800万円未満でもっとも多く9.2%だが、法則性の類は見られない。都市規模別でも特段傾向だった動きは無い。



キュレーションサービスに対しては各コンテンツの美味しいところ取りで情報作成源側には恩恵がほとんど得られない(つまみ食いで満腹感を覚え商品を買ってもらえないようなもの)、キュレーションの大本の語源となるキュレーター(学芸員)のような正確さに欠けている、サービス上のキュレーターが専門家ではなく単なる有名人であることが多いため、テレビの芸能人がコメンテイターとして登場するバラエティ番組と何ら変わりがない、集約された情報が雑多でノイズが多いとの意見も少なくない。キュレーションサービスは言い換えればニュースにおける検索エンジン的な役割、図書館における司書のような存在を求めているとも表現できるが、その検索エンジン同様情報の雑多さや運営側の思惑により、精度の劣化が起きている感もある。

今後同サービスがどのような進化を経ていくのか、注目したいところだ。


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