毎日朝食を食べている小学生は84.8%…子供の日常生活を新聞閲読と朝食の観点から実情確認
2022/09/07 02:00
子供の日常生活の実情は保護者以外には分かりにくい。全体像はなおさらの話。今回は文部科学省が2022年7月28日に発表した全国学力・学習状況調査の最新版による公開値を基に、小中学生の日常生活に関して、新聞の閲読や朝食の観点から確認していくことにする(【発表リリース:令和4年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について】)。
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小中学生の新聞離れは継続中
今調査の調査要綱は先行記事【小学生2.19時間、中学生2.10時間…増加傾向にある小中学生のテレビゲーム時間、そして学力テストとの関係は(最新)】を参照のこと。
最初に示すのは対象となる小中学生が新聞を読んでいるか否か。設問は単純に「新聞を読んでいますか」のみで、具体的な種類は問われていない。また媒体も限定していないので、電子版の有料購読をしている場合も該当し得る。もっとも単に新聞の閲読の有無を問われた場合、小中学生ならば紙の新聞をイメージして答えるのがほぼすべてだと考えられる。
↑ 新聞を読んでいるか(小学生)
↑ 新聞を読んでいるか(中学生)
「若者の新聞離れ」とはよく聞く言い回しだが、小中学生においてもその言葉は当てはまる結果が出ている。月1程度でも読む人も閲読者と試算しても、直近で小学生の閲読率は3割足らず、中学生では2割強でしかない。しかも9年分のデータしか無いのであくまでも仮説となるが、ますます新聞から距離を置く傾向を示している。通常の新聞は定期購読され毎日世帯に投函される状況を考えれば、ほぼ毎日読める機会は生じる。その上でその機会を活かし、日々新聞に目を通しているのは、小学生で4.9%、中学生では3.2%でしかない。
この減少傾向には、世帯ベースでの新聞閲読率が減少しているのも影響しているものと考えられる。子供が自ら望んで新聞を購入・調達するとは考えにくいからだ。一方で小学生よりは中学生の方が、閲読率は低い。
無論、新聞を読まないことが社会への関心の薄さを意味するものではない。社会の情報を得る手段は他にもたくさんある。新聞はその手段の一つに過ぎない。
毎日朝食を食べているのは小学生84.8%・中学生79.8%
続いて毎日朝食を食べているか。設問は「朝食を毎日食べていますか」のみで、平日・休日の区分は無い。また、栄養剤やドリンクの類、シリアルやヨーグルトのようなものが朝食に該当するか否かも説明は無い。回答者が朝食と判断するか否かで答えてもらっていることになる。
↑ 朝食を毎日食べているか(学校種類別)(2022年度)
毎日必ずといってよいほど食べているのは小学生で84.8%、中学生で79.8%。「どちらかといえば当てはまる」は時々食べない日もあるが、おおよそは食べているぐらいの感覚だろうか。それも合わせると小学生では94.3%、中学生では91.8%が朝食を食べていることになる。食べていないのは少数派だが、体調管理上からなのか、保護者の事情でからなのか、その他の理由によるものか、今調査結果からは分からない。
「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合算を朝食を食べている派として、その値の推移を示したのが次のグラフ。
↑ 朝食を毎日食べているか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)
イレギュラーが出ている年度もあるが、2014年度以降はわずかずつ減少する、朝食を取らない小中学生が増えているようにも見える。実際、「当てはまる」のみの動向を見ると、朝食を食べている派の動きよりも明らかに減少する傾向を示しているのが分かる。
↑ 朝食を毎日食べているか(一部詳細、学校種類別)
グラフ化は略するが、その分少しずつ「どちらかというと当てはまる」が増え、合算となる朝食を食べている派の値は、わずかずつ減少するにとどまっていることになる。具体的な回数を尋ねてはいないのでどれぐらいかまでは分からないが、小中学生自身の受け止め方として、毎日必ずしっかりと朝食を食べる人は少しずつ減り、食べない日も時々あるという人が増えていると解釈すればよいのだろう。
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