青森県がトップで年間1万812円を支出…ジェラートの日にちなんでアイスクリームのあれこれをデータでチェック

2022/08/17 02:00

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8月27日は映画「ローマの休日」が公開された1953年8月27日にちなみ、ジェラートの日と定められている。「ローマの休日」ではオードリー・ヘプバーンが演じるアン女王が、スペイン広場の階段で食したジェラートが印象的で、それに基づいたものである(【8月27日は『ジェラートの日』(日本ジェラート協会制定) ロッテアイスの本格ジェラートシリーズ「ジェラートマイスター」の新製品をご紹介】)。今回はこの記念日にちなみ、総務省統計局の調査「家計調査」でジェラートにほぼ一致する「アイスクリーム・シャーベット」など、多様な数字的な動向を確認し、アイスクリームのあれこれを学んでいくことにする。

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用いるデータは総務省統計局の【家計調査年報】からのもの。対象とする品目はアイスクリーム・シャーベットだが、言葉の定義としては次の通りとなる。

アイスクリーム・シャーベット…氷菓子も含む。アイスキャンディー、ソフトクリーム、アイスケーキ


ジェラートは元々イタリア語の「凍った」を意味する氷菓を指し、アイスクリームと比べると空気含有量が少ない(35%未満)ため高密度な味わいなのが特徴。しかしながら家計調査など一般の調査ではジェラートのみを対象としたものはほとんど見当たらないため、今回は家計調査の品目ではアイスクリーム・シャーベットを精査対象とする。

まずはアイスクリームの出荷金額。こちらは経済産業省の工業統計調査の結果を用いている。またシャーベットは含まず、アイスクリームのみである。さらにこのアイスクリームには乳製品以外は含まれていない。

↑ アイスクリームの出荷金額(億円)
↑ アイスクリームの出荷金額(億円)

値を取得可能な最古の1999年では2138.3億円。それ以降、ほぼ右肩上がりで出荷金額は増えていき、最新値となる2019年では4222.0億円。前年比はマイナス4.0%と減少。前年の2018年の出荷金額が記録的猛暑となって大きく底上げされており、その反動があったのだろう。

続いて月単位でのアイスクリーム・シャーベットへの支出金額動向。家計調査で月単位のデータが取得できるのは二人以上世帯のみなので、二人以上世帯の動向を確認する。1年分丸ごと確認できる最新分となる2021年の動向は次の通り。

↑ アイスクリーム・シャーベットへの支出金額(二人以上世帯、月額、円)(2020年)
↑ アイスクリーム・シャーベットへの支出金額(二人以上世帯、月額、円)(2020年)

最近は冬にもアイスクリームなどを食べることが当たり前となり、むしろ通好みとの話もあるが、やはり夏の支出金額はけた違い。2021年では7月がもっともアイスクリーム・シャーベットへの支出金額が大きく、1485円。もっとも小さい2月の458円と比べると3倍以上の金額となっている。

それではアイスクリーム・シャーベットへの支出金額は昔も今も変わりないものだったのだろうか。家計調査の総世帯で継続する形でのデータが取得できる2002年以降の動向を確認したのが次のグラフ。

↑ アイスクリーム・シャーベットへの支出金額(総世帯、年額、円)
↑ アイスクリーム・シャーベットへの支出金額(総世帯、年額、円)

生産量はおおよそ漸増していることもあり、世帯ベースでの支出金額は増加傾向にある。もっともこれは商品単価が上昇しているのも一因だろう。直近年となる2021年は7978円を示している。

次にアイスクリーム・シャーベットへの支出金額の地域別動向。こちらは家計調査の総世帯の値を基に勘案している。

↑ 年間アイスクリーム・シャーベット支出金額トップ10(総世帯、都道府県別、円)(2021年)
↑ 年間アイスクリーム・シャーベット支出金額トップ10(総世帯、都道府県別、円)(2021年)

↑ アイスクリーム・シャーベットの年間支出金額(総世帯、都道府県別、円)(2021年)
↑ アイスクリーム・シャーベットの年間支出金額(総世帯、都道府県別、円)(2021年)

アイスクリーム・シャーベット支出金額のトップは青森県の1万812円、次いで福島県の9765円、岩手県の9526円。ちなみに最低金額は島根県の5319円。トップの青森県と比較すると半分足らずでしかない。

地図化した限りでは傾向だったものは見出しにくい。あえて言えば近畿から中部、そして東北地方で高いというぐらいだろうか。

よい機会でもあるので、経済産業省の工業統計調査を基にしたアイスクリームの出荷金額の地域別動向も確認しておく。

↑ 年間アイスクリーム出荷金額トップ10(都道府県別、億円)(2018年)
↑ 年間アイスクリーム出荷金額トップ10(都道府県別、億円)(2018年)

↑ アイスクリームの出荷金額(都道府県別、円)(2018年)
↑ アイスクリームの出荷金額(都道府県別、円)(2018年)

埼玉県が群を抜いて多く1196億円、次いで群馬県の563億円、静岡県の280億円と続く。地図化した限りでは傾向だったものは見出しにくい。



技術進歩による多様化、流通機構の進歩、そして容易に購入できる場となるコンビニやスーパーの大規模展開で、ジェラートなりアイスクリームなりは身近な食品となっている。自宅の冷凍庫を開ければ保存してあるアイスクリームをいくつ見つけることができるだろうか。

ここ数年は毎年のように最高気温を更新するような猛暑が続いている。アイスクリームの市場拡大もさらに進むことだろう。


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