食料品は節約志向高まるも店頭価格上昇で堅調、衣料品は高気温で季節物が堅調、住関品も良好…2023年7月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス4.9%
2023/08/24 15:00
チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年8月24日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2023年7月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2023年7月は食料品においては節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなったものの、店頭価格の上昇が幸いし堅調、高気温の影響で季節物が動き衣料品は堅調、住関品も好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス4.9%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の54社・10801店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で4店舗増加、前年同月比で37店舗減少している。売場面積は前年同月比98.9%となり、1.1%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス5.8%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:69.5%(前年同月比104.8%、△4.8%)
・衣料品部門……構成比:5.9%(前年同月比108.6%、△8.6%)
・住関品部門……構成比:18.3%(前年同月比104.4%、△4.4%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比88.1%、▲11.9%)
・その他…………構成比:6.1%(前年同月比104.9%、△4.9%)
※販売金額には消費税額は含まず
価格上昇で堅調。
衣料品は高気温で堅調。
畜産物は牛肉が軟調。鶏卵も加工肉も好調。
水産品は、刺身盛合わせ、まぐろ、かつお、ぶり、冷凍魚、塩干物、しらす、海藻類などの動きはよかったが、たこ、いか、いわし、生鮭、ホタテなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、天ぷら、オードブル、中華、焼き物は好調。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、飲料、牛乳、乳製品、冷凍食品、油、アイスクリーム、インスタント麺、麺類、パン類、納豆、豆腐、練製品、佃煮、漬物、米菓、豆菓子、スナック菓子、グミ、ガム、ゼリー、キャンディー、ビスケット、ノンアルコール飲料、ビール、日本酒、ウイスキーなどがよかったが、米、基礎調味料、こんにゃく、チョコレート、洋生菓子、シリアル、ワイン、ギフトの動きは鈍い。
衣料品ではフォーマルスーツ、スーツジャケット、ドレスシャツ、チノパンツ、カジュアルシャツ、ショートパンツ、Tシャツ、ワンピース、ブラウス、スカート、スラックス・パンツ、ホームドレス、レギンスパンツなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はTVゲームソフト、ランドセル、ラップ・ホイル類、ペーパー類、バス・トイレ用品、洗濯・清掃用品、クーラーボックス、行楽用品、カセットコンロ・ボンベ、ステンレスボトル、タオル、冷感グッズ、ゴミ袋などの動きは好調だが、子供用おむつ、玩具、雑誌、タバコなどの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、総合感冒薬、メイク用品、UV・スキンケア、衣料用洗剤・柔軟剤、殺虫剤、防虫剤、制汗剤などの動きがよく、ハンドソープ、除菌シート、体温計、マスク、シャンプー・リンス、入浴剤、台所用洗剤、住居用洗剤は軟調。
「その他」項目は前回月から転じる形で堅調さを見せ、プラス4.9%。サービスはマイナス11.9%と軟調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情ではある。
次回月となる2023年8月は7月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。ただし感染者数が増加しており、それが足を引っ張る可能性はある。気候は北海道や東北を中心に平年より暖かい日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響があるが単価引き上げも考慮すると軟調かそこそこ、衣料品や住関品は今回月同様にそれなりの値を示すかもしれない。
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