高齢者人口3627万人で過去最多、総人口比は29.1%に(2022年・敬老の日)
2022/09/18 17:00
総務省統計局は2022年9月18日、翌日の9月19日に敬老の日を迎えるにあたり、各種統計から見た日本の高齢者動向をまとめたレポートを発表した。その内容によれば日本の高齢者(65歳以上)の人口は2022年9月15日時点で3627万人となり、総人口比は29.1%となることが分かった。総人口に占める割合が1/4を超えたのは2013年から継続して10年目連続となり、前年からさらに人口・割合ともに数字を上乗せし、過去最高となった(【発表リリース:統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者−「敬老の日」にちなんで−】)。
スポンサードリンク
↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2021-2022年のみ9月15日時点、万人)(1947年以降)
↑ 高齢者人口(人口推計、10月1日時点・2021-2022年のみ9月15日時点、万人)(2001年以降)
↑ 高齢者の総人口比率
今レポートは人口推計や国勢調査など、総務省統計局収録の各種データを精査分析したもの。それによれば2022年9月15日時点で高齢者人口は3627万人。単純対象比較ができる1年前の2021年9月15日時点の3621万人から6万人増加している。高齢者の増加ピークとなる「団塊の世代」(1947年から1949年生まれ、第一次ベビーブーム期)のうち最後の年となる1949年(昭和24年)生まれの人が高齢者層に仲間入りした2014年においては、同一基準で110万人も増加したが、それよりは少なくなっている。また2013年でははじめて、総人口に占める高齢者の割合が、はじめて25.0%を超え、「4人に1人以上が高齢者の時代」が到来したが、今年2022年はその状態を継続しただけでなく、数字をさらに上乗せ、29.1%に達している。
今レポートでは他にも各種統計結果から、高齢者の動向が多彩な切り口で語られている。概要をまとめると次の通りとなる。
・女性の高齢者人口は2053万人で、男性の1574万人より479万人も多い。
・女性100人に対する男性の数は15歳未満では105.0人、15〜64歳では102.6人と男性が多いが、高齢者では76.7人となり女性の方が多い。
・70歳以上人口は2872万人で総人口の23.0%。
・高齢者の就業率は男性34.1%、女性18.2%(2021年時点、以下同)で男性は前年比でマイナス、女性はプラス。就業者数は男女合わせて909万人となり、比較可能な1968年以降では過去最多。15歳以上の就業者総数に占める高齢者の就業者割合は13.5%、こちらも比較可能な1968年以降では過去最高比率(前年と同じ値)。
・役員を除いた高齢雇用者(高齢者で雇用されている者)の非正規率は75.9%(うちパート・アルバイトが52.2%)。非正規雇用者の現在の雇用形態についた主な理由は「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多で男性は30.7%、女性は38.0%。正規雇用を望んでいるが該当する仕事が無いからとする人は男性で10.6%、女性で6.0%。
・日本の高齢者人口の割合は、欧米諸国などと比べてももっとも高い。日本の29.1%に対し、第2位の比率のイタリアでも24.1%、フィンランドで23.3%、プエルトリコで22.9%。
・主要国では日本の高齢者就業率は25.1%で、韓国の34.9%に次いで高い。アメリカ合衆国は18.0%、カナダは12.9%、イギリス10.3%、ドイツ7.4%などが続く。
「団塊の世代」の高齢層入りは2014年までのため、高齢者人口および総人口に占める高齢者の比率の加速的増加は2014年で終わりを告げている。しかしそれでもなお、高齢者比率が上昇していることに違いはない。社会福祉をはじめとした、各種の国や地方自治体の行政施策に関し、これまでの常識にとらわれない、現状を正しく認識し、将来を見え得た上でのかじ取りが求められよう。
■関連記事:
【半世紀で首都圏では高齢者数が8割増・地域別高齢者人口推移】
【2100年には7496万人に…国連予想による日本の2100年までの人口推移(最新)】
【年上ほど公営住宅率は上昇…世帯主年齢階層別の住宅種類(最新)】
【公営借家の5割強には高齢者が居住…高齢者と居住住宅の種類の関係(最新)】
スポンサードリンク