全体40.1%、20代では8.2%…ラジオの普及状況
2023/07/02 02:00
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌からなる4大従来型メディアの中で、先の東日本大震災の際に大いにその存在意義を見直されたラジオ。かつては多くの人が心の友にしたであろう存在だが、最近では聴く人も少なくなっているとの話もある。そのラジオに関して世帯ベースでの普及状況を、総務省が2022年5月27日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。
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今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのインターネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。
次に示すのは回答者の世帯におけるラジオの保有状況。なお機器そのものは存在していてもお蔵入りなどの理由で過去1年間に一度も利用していない、あるいは自前での調達ではないものは該当しない。要は今現在でも利用しているラジオが自宅にあるか否か。
↑ ラジオの保有状況(世帯単位、属性別)(2021年)
全体では40.1%の世帯がラジオを保有していることになる。しかし20代世帯ではわずかに8.2%、30代世代でも18.4%、40代でようやく30.6%となる。50代以降は4割以上を維持し、75-79歳では6割近くの世帯が保有している計算。この動向を見るに、昔からラジオを保有し聴いている世代はそのまま維持しているが、若い世代は必要性の観点などから親元から離れて暮らすようになってもラジオは購入せずに生活している実情が透けて見える。あと10年も経過すれば、その時の30代の保有率も(今現在の20代がそのままシフトして)10%足らずとなるだろう。あるいは必要性が無くなったことから廃棄し、さらに落ち込みを見せるかもしれない。
世帯構成別では若年層の単身世帯が21.1%と低い値。また、高齢者を含む世帯が一段と高い値を示していることから、高齢者における保有率が高いことが再確認できる。
世帯年収別では特段傾向だった動きは無し。金銭的余裕によってラジオの保有率に影響が生じることは無いようだ。
あまり深い意味は無いかもしれないが、都道府県別の保有率の実情を示したのが次のグラフ。
↑ ラジオの保有状況(世帯単位、都道府県別)(2021年)
明確な傾向だった動きは見いだせない。あえて言えば東日本大震災でとりわけ大きな被害を受けた被災3県(岩手県・宮城県・福島県)や、東海地震で大きな影響が予想される静岡県で高い値が出ており、地震の際の情報取得手段としてラジオが重要視されているように見受けられる次第ではある。
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