49.9%はテレビでインターネットを利用中…テレビでのインターネット利用実情
2022/06/27 02:00
2011年7月にテレビのデジタル化(地デジ化)が行われたことで、テレビ受像機の世界も大きな変化の時代を迎えた。ブラウン管タイプから液晶タイプへのシフトだけでなく、インターネット接続機能をはじめとしたスマートテレビ化により、テレビもまた単なるテレビとしての存在から、総合的なデジタル端末としての立ち位置を示しつつある。それではその新機能の一つ、インターネット接続機能はどれほど使われているのだろうか。その現状を総務省が2022年5月27日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に探ることにする(【情報通信白書】)。
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今調査の調査要項は先行する解説記事【光回線は58.2%、携帯電話回線は56.2%…自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(最新)】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。
次に示すのは各属性における、過去1年間にテレビでインターネットを利用したことがある世帯の割合。回答票選択肢には単に「テレビ」とのみあるが、インターネット接続機能を持つテレビでのインターネット利用を意味する。現状では多数のテレビがインターネットに接続できるタイプとなっており、実質的に「家庭用のテレビはインターネットへの接続ができるもの」として認識されているとの判断なのだろう。同様な設問設定としては家庭用ゲーム機が挙げられる。
全体では49.9%とあるので、全世帯のうちほぼ半数がテレビを使ってインターネットを利用していることになる。
↑ テレビでインターネットを利用した世帯(世帯主年齢階層別)(2021年)
↑ テレビでインターネットを利用した世帯(世帯構成別)(2021年)
↑ テレビでインターネットを利用した世帯(世帯年収別)(2021年)
まず世帯主の年齢階層別だが、40代の値が一番高く、30代がほぼ同じ値。その年齢階層をピークとして、それ以降は少しずつ値を落としていく。テレビ番組は年を取るに連れて視聴する人が増える傾向にあるが、テレビを使ってのインターネット利用はそうではないようだ。もっとも、そのような傾向にあっても、80歳以上ですらほぼ1/3がテレビを使ってインターネットを利用しているのが実情ではある。
世帯年収別ではおおよそだが高年収の世帯ほど高い値を示している。年収が上の人ほど、インターネットで色々と調べたり楽しむ余裕があるからだろうか。
世帯構成別を見ると、単身の若年世帯が低めとの構図が見えてくる。これはそのままテレビそのものの利用率と同じ形と見てよいだろう。また高齢者がいる世帯では低めになる傾向があるようだ。テレビ番組は高齢者の方がよく視聴する傾向があるが、インターネットの利用は別、むしろ忌避しているということだろうか。
テレビによるインターネットへのアクセス環境を整備し、利用ハードルを下げることで、インターネットの日常生活への普及もより一層進むかもしれない。もっともテレビが置かれている場所はおおよそ家族皆が集まるような場所なことから、プライベートな使い方は難しい。テレビによるインターネットの利用スタイルは、通常のスマートフォンやパソコン経由のような個人利用の使い方とは、少々異なる傾向を示すことになるのだろう。
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