食料品は節約志向高まるも店頭価格上昇で堅調、衣料品は前年からの反動で鈍い、住関品は外出関連需要などで堅調…2023年6月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス2.1%

2023/07/29 14:00

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チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年7月25日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2023年6月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2023年6月は食料品においては節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなったものの、店頭価格の上昇が幸いし堅調、前年同月の堅調さからの反動で衣料品は軟調、外出需要が発生し住関品は好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス2.1%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。

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今データは協会加入の54社・10797店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で40店舗増加、前年同月比で67店舗減少している。売場面積は前年同月比89.6%となり、10.4%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス13.8%を示す形となった。

各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。

■総販売額……1兆809億7771万円(前年同月比102.1%、△2.1%)

・食料品部門……構成比:69.7%(前年同月比103.7%、△3.7%)

・衣料品部門……構成比:6.1%(前年同月比98.0%、▲2.0%)

・住関品部門……構成比:19.7%(前年同月比104.4%、△4.4%)

・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比92.4%、▲7.6%)

・その他…………構成比:4.3%(前年同月比79.3%、▲20.7%)

※販売金額には消費税額は含まず

食料品は節約志向生じるも
価格上昇で堅調。
衣料品は反動で軟調。
住関品は外出需要で
堅調。
農産品はレタス、トマト、きゅうり、ピーマン、人参、なす、とうもろこし、山芋、きのこ類などの動きはよかったが、玉ねぎ、大根、梅、らっきょう、カット野菜などが不調。果物では桃、りんご、バナナ、キウィフルーツ、輸入オレンジなどの動きはよかったが、柑橘類、メロン、すいか、輸入ぶどうなどが軟調。無駄を省く、手間をかけずに使えるカット系のセットは昨今のトレンドではあるが、個別商品の相場が高い時にはとりわけ人気が出る。そして相場安で農産品が不調な時にもカット野菜やカットサラダ、カットフルーツはよく動いており、野菜の相場動向を問わずに需要が高まっている感はある。最近は色々な野菜の組み合せをすることで種類も多様になっている。今回月でカット野菜が不調だったのは前年同月からの反動だろうか。

畜産物は牛肉が軟調。鶏卵も加工肉も好調。

水産品は、刺身盛合わせ、真いわし、真あじ、かつお、たこ、ぶり、塩鮭、生銀鮭、冷凍魚、漬け魚、塩干物、あさり、ちりめんなどの動きはよかったが、単品刺身、まぐろ、いか、うなぎ、ホタルイカ、魚卵などの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、天ぷら、オードブル、中華、焼き物は好調。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、飲料、乳製品、ヨーグルト、冷凍食品、調味料、アイスクリーム、カップ・袋麺、マヨネーズ、麺類、パン類、パスタ、納豆、佃煮、スナック菓子、半生菓子、グミ、キャンディー、ビスケット、ウイスキー、日本酒などがよかったが、米、牛乳、めんつゆ、乾麺、飲料酢、油、粉類、シリアル、カレー、洋生菓子、ゼリーの動きは鈍い。

衣料品ではセットアップ、スラックス、ドレスシャツ、カジュアルパンツ、カジュアルシャツ、ブラウス、カーディガンなどが堅調。

住関品では日用雑貨品はカードゲーム、TVゲームソフト、ラップ・ホイル類、ペーパー類、トイレ・バス用品、洗濯・清掃用品、行楽用品、ステンレスボトル、スリッパ、ゴミ袋などの動きは好調だが、子供用おむつ、カセットコンロ、玩具、書籍・雑誌、文具、タオル、タバコなどの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カウンセリング化粧品、総合感冒薬、メイク用品、UVケア、食器用洗剤、殺虫剤、制汗剤などの動きがよく、ハンドソープ、除菌シート、体温計、ボディケア、シャンプー・リンス、衣料用洗剤・柔軟剤、住居用洗剤、入浴剤、マスクは軟調。

「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス20.7%。サービスはマイナス7.6%と軟調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情ではある。

次回月となる2023年7月は6月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気候は北海道や東北を中心に平年より暖かい日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響があるが単価引き上げも考慮すると軟調かそこそこ、衣料品や住関品は今回月同様にそれなりの値を示すかもしれない。


↑ 今件記事のダイジェストニュース動画。併せてご視聴いただければ幸いである



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