子供達の平日におけるインターネットの利用時間の実情
2022/06/14 02:00
インターネットは多様な使い方ができるインフラであり、その窓口となるパソコンやスマートフォン、タブレット型端末などの情報端末は魔法のツールに他ならない。大人以上に好奇心に満ちあふれ、自制心がはぐくまれていない子供達は、やもすると寝食を忘れ没頭してしまうことだろう。実際に子供達はどれほどインターネットを利用しているのだろうか。9歳以下の子供達の実情につき、内閣府が2022年3月31日に発表した、低年齢層のインターネットに関する利用実情を調査した結果報告書から確認していくことにする(【令和3年度版青少年のインターネット利用環境実態調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事【テレビ4割台、パソコンや家庭用ゲーム機3割台…9歳以下のインターネット利用機器の利用状況(最新)】を参照のこと。
次に示すのは多様なインターネットにアクセスできる機器のいずれかでインターネットを利用している人に限定し、それぞれの端末で平日に何分インターネットを使っているかを尋ね、その平均値を算出したもの。使っていない人はゼロ分としている(「インターネットを使っている」のにゼロ分と回答するのは、平日は使わずに休日のみ使っているから)。
↑ 平日における該当機器でのインターネットの平均利用時間(9歳以下、何らかの機器でインターネットを利用している人限定、分)(2021年)
複数の機種でそれぞれインターネットを使っている人もいるため、総計としては110.2分。単独端末で一番長いのはテレビで67.0分、次いで家庭用ゲーム機で54.9分、自宅用パソコンやタブレット型端末の50.0分が続く。インターネットの接続に関係なく普段からよく使われているテレビにおいて、インターネットを頻繁につなげて利用しているからだろうか。また、テレビの時間が長いのは、家族と一緒に見る機会が多いのも一因かもしれない。
これを対象となる子供の年齢階層別に見たのが次のグラフ。なおゼロ歳(11人)は統計の上でぶれが容易に生じ得る母数しか無いので参考としての印「*」がついている。
↑ 平日におけるインターネットの該当機器での平均利用時間(9歳以下、何らかの機器でインターネットを利用している人限定、*は参考値、分)(2021年)
イレギュラーな値を示す年齢もあるが、おおよそ年上になるに連れて時間が伸びる傾向を示している。とはいえ、1歳や2歳の時点でインターネットを使っている子供限定だが、すでに平日でも1時間半以上は利用しているのが実情ではある。
これらの値はあくまでも平均値であるため、平日は該当機器ではまったく使っていない人もいれば、2時間も3時間も使っている人もいる。そこで回答者の子供のうち、2時間以上と5時間以上の回答率を抽出したのが次のグラフ。あくまでも平日であること、7歳以上は小学校に上がっていることに注意されたい。なお空欄の属性は該当者そのものがいなかったことを意味する。
↑ 平日における該当機器でのインターネットの平均利用時間(9歳以下、何らかの機器でインターネットを利用している人限定、*は参考値、特定時間以上の人の割合、時間区分別)(2021年)
2時間以上は1歳でも38.2%で、おおよそ年齢が上がるに連れて割合も高くなっていく(0歳は参考値のため検証の対象としない)。一方で5時間以上は1歳以上のいずれの年齢階層も数%の値を示している。今件が保護者の掌握している限りでの値で、実際にはもっと長時間かもしれないことを考えると、色々と考えさせられる結果には違いない。
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