圧倒的動画視聴…9歳以下の子供達のスマートフォン利用の内情
2022/06/14 02:00
好奇心旺盛な子供達にとって、スマートフォンが魔法のアイテム的存在であることは言うまでもない。その子供達はスマートフォンでどのようなサービスを利用しているのだろうか。内閣府が2022年3月31日に発表した、低年齢層のインターネットに関する利用実情を調査した結果報告書から、その中身を確認していくことにする(【令和3年度版青少年のインターネット利用環境実態調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事【スマホもタブレット型端末も3割強…9歳以下のインターネット利用機器の利用状況をグラフ化してみる(最新)】を参照のこと。
次に示すのは調査対象母集団のうちスマートフォンでインターネットを利用している人における、その利用内容を複数回答で尋ねた結果。動画視聴をしている人がもっとも多く、83.4%を示す形となった。なおグラフの横軸の具体的項目名は報告書の並びに準じている。
↑ スマートフォンによるインターネットで何をしているか(9歳以下、スマートフォンでインターネット利用者限定、複数回答)(2021年)
次いで多いのはゲームの48.1%。スマートフォン本体に初めからインストールされているものか、アプリゲーム、ウェブゲームのような種類の詳細までは問われていないので判断はできないが、スマートフォンでインターネットにアクセスしている子供の半数近くはゲームをしていることになる。
音楽視聴は21.3%、撮影や制作、記録は13.5%。メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアの利用のようなコミュニケーションは10.6%にとどまっている。
勉強は8.9%と1割足らず。元々スマートフォンを学習目的で子供に使わせているケースもあることを考えると、この値は少なめに思える。あるいは実質的に勉強ではあるものの動画視聴や情報検索として回答しており、明確な形での勉強との認識がないだけかもしれない。他方、読書や漫画は双方とも0.9%。今調査の限りではスマートフォンで電子書籍などを読んでいると認識している子供はほとんどいないことになる。
子供達のスマートフォンによるインターネットライフは、ほとんどが動画とゲーム、そしてせいぜい音楽目的といった表現が妥当だろうか。
これを年齢階層別に区分したのが次のグラフ。
↑ スマートフォンによるインターネットで何をしているか(9歳以下、スマートフォンでインターネット利用者限定、複数回答、年齢階層別)(2020年)
スマートフォンでの動画視聴はゼロ歳から行われている。年齢とともに利用率は下がる傾向はあるが、同じタイミングでゲームの利用率が上がっているので、興味が動画からゲームに移るのかもしれない。もっともいずれの年齢でも動画を見る人が6割を切ることはない。
勉強はややばらつきがあるが、5-7歳で大きな値となる。小学校入学前後の準備として、スマートフォンで勉強をしておくようにと保護者が指導しているのだろう。他方、コミュニケーションや情報検索などは年齢とともに値を増やしている、特に小学校入学の6-7歳あたりから値が大きくなることから、小学校入学を機会に単純に学びを受けるだけでなく、色々な切り口でスマートフォンによる学習をしていくのかもしれない。
ぶれも合わせ多少の差異はあるが、年齢を問わず、動画視聴とゲームがスマートフォンでインターネットを使う低年齢層の主な使い道であることに変わりはない。子供達にとってスマートフォンは動画を楽しみ、ゲームで遊ぶ、エンターテインメントマシンのような存在なのだろう。
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