食料品は節約志向高まるも店頭価格上昇で堅調、衣料品は季節物で好調、住関品は外出関連需要などでトントン…2023年5月度チェーンストア売上高、前年同月比プラス1.3%
2023/06/22 16:00
チェーンストア(スーパーマーケットやデパートなど)の業界団体である【日本チェーンストア協会】は2023年6月22日付で同協会公式サイトにおいて、チェーンストアの2023年5月度分販売統計速報(月報)を発表した。その内容によると2023年5月は節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなったものの、店頭価格の上昇が幸いし堅調、行動規制がなかったことや気温の上昇から季節物が動いて衣料品は堅調、外出需要が発生し住関品も好調だった。結果として、売上総額の前年同月比はプラス1.3%(店舗調整後)を示す形となった(【同協会内発表リリース一覧ページ】)。
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今データは協会加入の54社・10757店舗に対して行われた調査結果によるもの。店舗数は前回月比で55店舗増加、前年同月比で104店舗減少している。売場面積は前年同月比98.8%となり、1.2%の減少。売場面積あたりの売上額は前年同月比でプラス1.8%を示す形となった。
各主要分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値を示している。数字はすべて店舗調整後(いわゆる「既存店」)。店舗の増減が売上に反映され、各店舗の実態を確認する際に状況が困難にならないよう、昨年同月の時点では存在していない店舗の分を除いた値で算出されている。
・食料品部門……構成比:70.1%(前年同月比104.0%、△4.0%)
・衣料品部門……構成比:5.9%(前年同月比100.2%、△0.2%)
・住関品部門……構成比:18.8%(前年同月比100.0%、±0.0%)
・サービス部門…構成比:0.2%(前年同月比88.2%、▲11.8%)
・その他…………構成比:5.1%(前年同月比78.4%、▲21.6%)
※販売金額には消費税額は含まず
価格上昇で堅調。
衣料品は季節物が動く。
住関品は外出需要で
トントンに。
畜産物は牛肉が軟調。鶏卵も加工肉も好調。
水産品は、刺身、かつお、ぶり、真いわし、ヤリイカ、鮭鱒、冷凍魚、漬け魚、魚卵、あさりなどの動きはよかったが、たこ、サーモン、いさき、あゆ、ほたるいか、うなぎ、ほたて、ちりめんなどの動きはいまいち。惣菜では温惣菜は、揚げ物、天ぷら、オードブル、中華は好調。要冷惣菜は、和・洋惣菜ともに好調。弁当、寿司も好調。その他食品は、乳製品、ヨーグルト、飲料、牛乳、冷凍食品、アイスクリーム、油、麺類、パン類、カレー、納豆、練製品、スナック菓子、豆菓子、米菓、グミ、キャンディー、ビスケット、缶詰、日本酒などがよかったが、米、調味料、ビールの動きは鈍い。
衣料品ではスーツ、ジャケット、スラックス、ドレスシャツ、チノパン、フォーマル、ワンピース、カーディガン、ブラウス、カジュアルシャツ、カジュアルパンツ、UVパーカーなどが堅調。
住関品では日用雑貨品はランドセル、カードゲーム、TVゲームソフト、ラップ・ホイル類、ペーパー類、トイレ・バス用品、洗濯・清掃用品、行楽用品、ステンレスボトル、弁当箱、スリッパ、タオル、ゴミ袋などの動きは好調だが、子供用おむつ、玩具、雑誌、文具、タバコなどが伸び悩み。家電製品でサーキュレーター、ハンディタイプ扇風機、炊飯器、電子レンジ、照明器具、電球・乾電池などがよく動き、ホットプレート、食器乾燥機などの動きは鈍い。医薬・化粧品は、カカウンセリング化粧品、総合感冒薬、メイク用品、UVケア、オーラルケア、防虫剤などの動きがよく、解熱鎮痛剤、ハンドソープ、ボディケア、ヘアケア、ヘルスケア、衣料用洗剤、柔軟剤、バス用洗剤、殺虫剤、マスクは軟調。
「その他」項目は前回月から続く形で軟調さを見せ、マイナス21.6%。サービスはマイナス11.8%と軟調。サービスは旅行関係やチケット販売などが他の業種(多分にインターネット経由やコンビニ販売だろう)に奪われているのが実情ではある。
次回月となる2023年6月は5月同様に新型コロナウイルスの流行という特殊要因があるが、行動規制のたぐいはなく、外出機会を後押ししている。気候は東日本を中心に暖かい日々が続いており、季節物も期待できる。食料品は前年同月の影響があるが単価引き上げも考慮すると軟調かそこそこ、衣料品や住関品は今回月同様にそれなりの値を示すかもしれない。
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