若者が参加したくない社会運動、トップは集会やデモ、マーチなど(最新)

2022/04/04 02:55

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2022-0324解決すべきと思われる社会全体の問題を社会課題と呼んでいる。若年層の多くが、この社会課題について関心を抱いているようだが、それではその課題を解決するための、いわゆる社会運動への参加を望まない若年層は、具体的にどのような種類の社会運動への参加を忌避しているのだろうか。連合が2022年3月3日に発表した若年層における社会運動に関する調査「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022」から確認する(【連合サイト内世論調査一覧から「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022」】)。

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今調査の調査要綱は先行記事【社会問題への関心がある若者は9割近く、経済・社会や教育に注目(最新)】を参照のこと。

今調査の調査対象母集団では全体で87.0%が社会課題に関心があるとしている。

↑ 関心のある社会課題があるか(属性別)(2021年)(再録)
↑ 関心のある社会課題があるか(属性別)(2021年)(再録)

一方で社会課題を解消するための手段の一つとして挙げられる社会運動に参加したことがある人は、今調査対象母集団では36.8%に過ぎない。

↑ 社会課題を解決するために社会運動に参加したことがある(2021年)(再録)
↑ 社会課題を解決するために社会運動に参加したことがある(2021年)(再録)

なぜ社会運動に参加する人が少ないのか。具体的に、どのような社会運動には参加したくないのかを尋ねたところ、もっとも多くの人が敬遠していたのは集会やデモ、マーチなどだった。46.8%が参加したくないとしている。

↑ 社会課題を解決するための社会運動として、参加したくない社会運動(複数回答)(2021年)
↑ 社会課題を解決するための社会運動として、参加したくない社会運動(複数回答)(2021年)

次いでSNSでの個人の発信、クラファンや募金などの資金提供、ハッシュタグでの世論形成、セミナー、直筆署名が続く。意外にも政府や団体、企業への要請は、具体的選択肢の中では一番値が低くなっている。集会やデモ、マーチなどに対する忌避度合いが群を抜いているのが、改めてよくわかる。

ではなぜ、若年層の多くは社会運動に参加したくないのか。特に集会やデモ、マーチなどが嫌われているのか。それが分かるのが次のグラフ。社会運動への参加経験が無い人に、参加しない理由を尋ねたものだが、トップには顔や名前が出てしまうことに抵抗がある、とするものだった。22.2%が同意を示している。

↑ 社会課題を解決するための社会運動に参加したことがない理由(社会運動への参加経験が無い人限定、複数回答、上位陣)(2021年)
↑ 社会課題を解決するための社会運動に参加したことがない理由(社会運動への参加経験が無い人限定、複数回答、上位陣)(2021年)

ほぼ同率の21.6%で参加するには知識が足りない、少し値を落として18.0%が忙しい、そして17.6%は運動自体に怖い、過激などのイメージがあると続いている。集会やデモ、マーチなどでは知識が足りないはともかく、顔や名前が出てしまうことに抵抗がある、忙しい、運動自体に怖い、過激などのイメージがあるなどの複数の条件が当てはまりそうで、多くの人から参加したくないと思われてしまうのも無理はないのだろう。

他の参加したくない社会運動もまた、参加したことがない理由の上位陣の複数が該当しそうなものばかりではある。


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