子供のインターネット動画視聴動向(最新)

2021/06/17 04:22

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2021-0608インターネットの普及に加え、インターネット回線の高速化、さらには動画配信技術の進歩により、インターネットを使って動画を配信するサービス、そしてそれを用いた動画視聴は、ごく当たり前の行動となった。今やランダムアクセスができる映像視聴のスタイルとして、インターネット動画は日常生活において欠かせない存在となっている。今回はNHK放送文化研究所が2021年5月21日に発表した2020年国民生活時間調査の報告書などを基に、子供におけるインターネット動画の視聴動向を確認していくことにする(【発表リリース:「2020年 国民生活時間調査」結果概要】)。


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小中高校生・大学生のネット動画視聴の実情


今調査の調査要項は先行記事【大きく減ったテレビを見る人、しかし高齢者は相変わらずほとんどの人が見ている(最新)】で記載済みなのでそちらを確認のこと。

まずはインターネット動画を見ている人の割合や具体的な視聴時間について。インターネット動画(の行動)とはここでは「レジャー活動としてインターネット経由の動画を見る」と定義されている。全体は小中高校生や大学生だけでなく、調査対象母集団全体を意味する。「行為者」とは指定された行動を実際にした人のこと、「行為者率」は指定された時間に該当行動を15分以上した人が、属性対象人数に対しどれほどいたのか、その割合。例えば該当属性の人数が500人で、特定時間帯のインターネット動画行為者率が15%ならば、その時間帯には500×15%=75人の人がインターネット動画を見ていたと回答したことになる。なおインターネット動画の行為者率は2020年調査から項目として登場したため、前回調査(2015年)との比較はできない。

↑ インターネット動画行為者率(曜日別)(2020年)
↑ インターネット動画行為者率(曜日別)(2020年)

↑ インターネット動画行為時間(行為者限定、曜日別、時間:分)(2020年)
↑ インターネット動画行為時間(行為者限定、曜日別、時間:分)(2020年)

全体では平日が19.9%、日曜は21.0%。曜日で行為者率にほとんど変わりはない。ところが小学生と中学生は平日よりも日曜の方が高く、高校生と大学生では逆に日曜よりも平日の方が高い。小中学生は平日にあまり時間が取れないか、あるいは保護者から視聴をしないように止められているかもしれない。インターネットへアクセスできる端末を自分で持っておらず、世帯共有の端末を利用しているか保護者から借りていれば、その可能性は十分に考えられる。高校生や大学生になれば自分の端末を使えるようになるので平日から自在に視聴できるようになるため、行為者率も上がる。そして日曜は逆に他の行為に時間を割り振っているため、行為者率は平日よりも小さくなるのかもしれない。

他方行為者率そのものは小学生で平日30.5%、日曜で39.5%。中学生以上は平日で4割超えとなる。これだけの人がインターネットで動画を見ていることになる。

一方インターネットで動画を見ている人の時間だが、全体では平日2時間、日曜は2時間31分。小学生では平日でも1時間2分、休日は1時間56分と2時間近く。あくまでも見ている人限定だが、かなりの時間をインターネット動画の視聴に費やしていることになる。これが中高生では平日2時間ほど・日曜は2時間半強、大学生では平日2時間半・日曜は3時間半ほどにまで伸びる。行為者率と異なり、どの学校種類でも平日より日曜の方が長くなっているのは注目に値する。日曜は映画を見るような、あるいはテレビで番組を切り替えながら見続けるようなスタイルで視聴しているのだろうか。

時間別視聴動向はいかに


続いてインターネット動画の視聴がどの時間帯で行われているのか、その実情を行為者率の動きで確認する。まずは平日。

↑ インターネット動画行為者率(平日、学校種類別)(2020年)
↑ インターネット動画行為者率(平日、学校種類別)(2020年)

小中高校生は就学中ということもあり、夕方ぐらいまで朝食時間帯以外は、ほとんどゼロの値を示している。昼食時間帯にいくぶん値が出てくるのは、昼食時にスマートフォンなどを利用する機会があるのだろうか。そして下校時間あたりから行為者率は上がっていくが、小学生・中学生は夕食時間帯直前ぐらいがピークとなるのに対し、高校生は夕食時間後の就寝時間前がピークとなるのは興味深い。高校生は夕食後のプライベートタイムに、自分の端末で動画を見ているのだろう。

他方大学生は小中高校生と比べれば時間を自由に使えることから、日中でもそれなりに行為者率が出ている。そして夕食時間帯後に行為者率が増えていくのは高校生と変わらないが、それなりに高い値は午前ゼロ時になっても維持、翌日の午前3時過ぎまでは5%超が継続される。

日曜になると動向は大きく変化する。

↑ インターネット動画行為者率(日曜、学校種類別)(2020年)
↑ インターネット動画行為者率(日曜、学校種類別)(2020年)

学校種類を問わず日中もそれなりに高い値を示すようになるが、昼食時間帯以降の方が高めとなる。そして小学生では日中よりもむしろ、夕食時間帯以降の方が値が高くなるのは興味深い。世帯共有の端末を用い、夕食後にテレビ番組を見る感覚で、家族で一緒にインターネット動画を見ているのかもしれない。深夜ゼロ時前後において中高生の値が平日よりも低いのは、翌日が月曜なので早めに就寝しているのだろう。



子供におけるインターネットの利用で動画視聴同様に話題に上るのは、メールやSNS(ソーシャルメディア)について。この利用については別途検証する予定である。


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