日本における投票集計への信頼度合い(2017-2020年)(最新)
2021/02/06 05:27
選挙は民主主義を支えるのに必要不可欠な制度であり、その選挙における投票は正確にカウントされる必要がある。何らかの思惑で特定候補の票が除外されたり、加算されるなどの不正行為があれば、民意を反映するという選挙の大前提が崩れてしまうからだ。各種法律や制度で投票の公正な集計は担保されているが、それでも時折意図的に、悪意のある投票操作が発覚することはある。それでは選挙における投票の公正な集計はどこまで信じられているのだろうか。今回は世界規模で国単位の価値観を定点観測している【World Values Survey(世界価値観調査)】の結果を基に、日本における実情を確認する。
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今調査「World Values Survey(世界価値観調査)」に関する概要、調査要項などは先行記事の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度】を参照のこと。
次に示すのは日本に限定して、国政選挙への投票が公正に集計されているという設問にどの程度同意するかを答えてもらった結果。なお世界価値観調査は全体としては2017-2020年に実施されたものだが、日本に限れば2019年の実施であることから、表記は2019年としている。
↑ 自国の選挙において投票は公正に集計されている(日本、属性別)(2019年)
全体では7割近くが投票の公正集計について肯定的、1割台が否定的。そして判断留保に相当する分からないなどが1割台。判断留保が多い感もあるが、今調査に限らず多くの国際的な調査において日本はこのような政治的な案件には判断を留保するとの意見を出す場合が多いため、何の不思議もない。
年齢階層別では肯定的な意見が25-54歳で7割超え。16-24歳と55歳以上ではやや値が落ちるが、これは多分に判断留保の意見が多いため。ただし65歳以上では否定的な意見が2割を超えており、選挙の集計が公正でないと疑いを持つ人が相当の割合でいることがうかがえる。
学歴別に見ると、低学歴ほど肯定的な意見が少なく、高学歴ほど多くなる。ただし低学歴ほど同時に判断留保の意見も多いため、注意が必要…ではあるが、仮に分からない・無回答を除いた上で肯定的な意見を再計算すると、低学歴が63.3%、中学歴が76.6%、高学歴が87.0%となり、やはり低学歴の人の方が選挙における公正集計において肯定的な人が少ない、見方を変えると否定的な人が多いことになる。色々と考えさせられる結果には違いない。
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