小学生のインターネットへの投稿実情(最新)
2020/12/25 05:39
インターネット上のサービスの多くは双方向性で、利用者は情報を受信するだけでなく発信することもできる。ブログの書き込みや記事へのコメントの掲載、動画のアップロードなどが発信のよい例である。無論情報の発信は原則として不特定多数に向けた公開のものとなるので、大きな注意が必要。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」の結果から、小学生におけるインターネットにおける投稿実情を確認していく(【白書シリーズWeb版】)。
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今調査の調査要項は先行記事の【小学生の就寝時刻の実情】を参照のこと。
最初に示すのは、小学生のうちインターネットとSNS(ここではソーシャルメディアを指す)を使う人に限定し、インターネットやSNSにコメントや文章などを投稿した経験があるか否かを尋ねたもの。85.6%と大部分の人は無いと答えている。つまりほとんどの人は観ているだけ、読んでいるだけ。
↑ インターネットやSNSにコメント、文章、画像や動画などを投稿した経験はあるか(小学生、インターネットとSNSを使う人限定、複数回答)(2019年)
対象がブログ、記事、画像、動画のいずれかであるかの限定はないが、とにかくコメントをした経験がある人は12.0%。コメント以外の文章を投稿した、つまり例えばブログの記事などをアップした経験がある人は4.5%。他方、画像は4.9%、動画は4.5%。画像は静止画との注釈があるだけなので、デジカメなどで写した写真以外に自分で描いた絵も該当する。多いのか少ないのか、正直判断が付きにくい結果には違いない。
これを属性別に見たのが次のグラフ。空欄の部分は回答者がゼロであることを意味する。
↑ インターネットやSNSにコメント、文章、画像や動画などを投稿した経験はあるか(小学生、インターネットとSNSを使う人限定、複数回答、属性別)(2019年)
「無い」の値は傾向だったものは見られない。コメントは女子の方が多く、学年別では小学2-3年生が多め。動画は意外にも男女差が無く、小学3年生がもっとも多い7.3%。低学年の方が保護者による規制などで投稿ができないケースが多いように想像できるが、小学2-3年生で投稿が活発に見られるのは不思議ではある。
ちなみに小学生にも大人気で、将来なりたい職業の上位にも上がることで話題を集めているYouTuberへの道につながるであろう、動画の投稿に限って経験の実情を聞いた、詳細属性区分による結果は次の通り。
↑ インターネットやSNSに動画を投稿した経験はあるか(小学生、インターネットとSNSを使う人限定、複数回答、属性別)(2019年)
小学3年生が抜きんでているが、これは多分に統計上のぶれによるもの。同属性の該当者は29人しかいない。ばらつきが大きすぎて傾向の類が見出しにくいが、あえて言えば女子は高学年ほど動画の投稿動機が高まるというところが。
ちなみにこれを「インターネットとSNSを使う人限定」ではなく「属性全体比」で計算したのが次のグラフ。例えば全体では1.7%とあるので、小学生全体の1.7%は動画を投稿した経験があることになる。こちらはあえて該当属性に該当者がいなくても「0.0%」と記載している。
↑ インターネットやSNSに動画を投稿した経験はあるか(小学生、複数回答、属性別、各属性全体比)(2019年)
小学6年生は動画を投稿した経験が4.0%。25人に1人はあることになる。色々な意味で、現状を認識できる値には違いない。
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