新型コロナウイルスの流行で高卒以上の子供の進路にどのような影響が生じたか(最新)
2021/12/23 03:06
日本政策金融公庫は2021年12月20日、教育費に関する調査結果を発表した。それによると高校卒業以上の子供がいる世帯において、新型コロナウイルスの流行によって子供の進路に影響があったとする人は10.8%に達していることが分かった。具体的には自宅以外からの通学を止めて自宅通学に変更した人がもっとも多く該当者の22.3%を占め、次いで学校を変更した人が21.5%に達している(【教育費に関する調査結果一覧ページ】)。
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今調査は2021年10月14日から19日にかけて64歳以下の男女で高校以上に在学中である子供を持つ保護者に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は4700人。各都道府県別で100人ずつ。
次に示すのは調査対象母集団のうち子供が高校卒業以降、つまり実質的には各種専門学校や短大、大学に入学中の保護者に対し、新型コロナウイルスの流行によって自分の子供の進路などに影響があったか否かを尋ねた結果。10.8%の人が何らかの形で影響があったと回答している。
↑ 新型コロナウイルスの流行により子供の進路などに影響があったか(2021年10月)
あくまでも子供が大学などに在学中の保護者に限定されるが、1割強の人が新型コロナウイルスの影響で子供の進路などに影響があったとしている。1割強に過ぎないのか、1割強もいるのか、判断が難しいところではある。
具体的にどのような影響があったのか、影響があった人に複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が該当したのは「自宅以外からの通学を止めて自宅通学に変更した」で22.3%に達した。
↑ 新型コロナウイルスの流行により子供の進路などにおいて具体的にどのような影響があったか(複数回答、あった人限定)(2021年10月)
学生寮や下宿住まいを止めて自宅から通学することにしたのは、経済的困窮化によるものか(自宅通いより下宿住まいの方が費用はかかる)、それとも下宿先での感染リスクを懸念してのものか。通学時間が長くなるとなれば、それだけ感染リスクも上乗せされるという考え方もあるのだが。
次いで「学校を変更した」が21.5%。これも経済的困窮化、通学における感染リスクなど複数の理由が考えられる。新型コロナウイルスのせいで本来行きたかった大学などを進路として選べなくなるのは、子供本人にしてみれば無念に違いない。
さらに「海外留学をあきらめた・退学や休学をした」が17.7%。経済的困窮化によるものか、渡航禁止によるものか、それとも政情不安定化によるものかまでは明らかにされていないが、ほとんどは後者によるものだろう。海外留学を予定していたとしても、流行が沈静化して海外渡航が容易になるのは先の話だと判断し、あきらめるというケースもあるものと考えられる。そして「進学をあきらめた・退学や休学をした」も12.0%確認できる。
ちなみに子供が大学などに在学中の保護者全体比を算出すると次の通りとなる。
↑ 新型コロナウイルスの流行により子供の進路などにおいて具体的にどのような影響があったか(複数回答、全体比)(2021年10月)
大学などに在学中の保護者のうち2.4%が「自宅通学に変更した」、2.3%が「学校を変更した」、1.9%が「海外留学をあきらめた・退学や休学をした」となる。やはり小さからぬ影響があったに違いないことが分かる数字ではある。
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