電子メールに添付ファイル70.9%、エクセルでの簡単な計算50.7%…ICTスキルの実情(最新)

2024/08/17 02:44

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2024-0807パソコンやスマートフォン、そしてインターネットが広く普及し日常生活において欠かせない存在となる一方で、それらを活用する技術「ICT」(Information and Communication Technology、情報通信技術。さまざまな通信や情報に関する技術)に関して、どれほどの人が習得しているのかという問題がある。自動車に例えれば、自動車の運転はできても日々のメンテナンスやセルフサービスのガソリンスタンドで給油はできるか、といった問題。今回は総務省が2024年6月7日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、ICT技術の取得実情について確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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今調査の調査要項は先行する解説記事【光回線は59.1%、携帯電話回線は52.8%…自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(最新)】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

次以降に示すのは回答者自身が質問されたICTスキルを持っている割合。例えば「写真や文書などを添付して電子メールを送付」は70.9%となっているので、調査対象母集団全体では70.9%が電子メールにファイルを添付した上で送付することができると自認していることになる。

↑ 個人のICTスキルの実情(2023年)
↑ 個人のICTスキルの実情(2023年)

「写真や文書などを添付して電子メールを送付」は70.9%。7割強の人が可能だとしている。「ファイルのコピーや、文字や図表のコピー・貼り付け」は64.0%。文書などの作成をパソコンで行っている人にはごく当たり前の作業のように思えるかもしれないが、実際にできる人は2/3近くでしかない。自分のパソコンに色々と機能を追加させたりソフトを走らせるのには必要不可欠な「インターネットを利用したソフトウェアのダウンロードやインストール」は55.6%。「SNSによる写真、動画、意見の投稿や閲覧」は52.1%、「エクセルなどの表計算ソフトを使用した簡単な計算」は50.7%、新しい周辺機器を購入して利用する時には欠かせない「パソコンにプリンタやカメラなどの機器を接続」は49.7%。

他方「プログラミング言語を使用してコンピュータプログラムを作成」は6.1%にとどまっている。「プログラム言語」とあるのでエクセルなどにおけるマクロは該当しないが、プログラムが組める人がおよそ16人に1人との結果は、多いのか少ないのか判断に迷う値ではある。

これを属性別に見たのが次のグラフ。まずは比較的簡単だと思われる項目。項目の並びは回答票の序列に合わせてある。

↑ 個人のICTスキルの実情(属性別、その1)(2023年)
↑ 個人のICTスキルの実情(属性別、その1)(2023年)

「ファイルのコピーや、文字や図表のコピー・貼り付け」は全体で64.0%だが6-12歳では25.2%でしかない。必要となる場面もほとんどないため、当然かもしれない。しかし20-30代でも1割強はできない人がいるのも事実。60歳以降になると値が大きく減るのは注目に値する。その行為をする必要がないからなのかもしれないが。

電子メールの利用が前提となる「写真や文書などを添付して電子メールを送付」は全体では70.9%だが、30代がピークで、60歳以降は大きく減るが、70-74歳でも半数強はできるとしている。ファイルのコピーなどよりできる人が多いのは、必要性の問題からだろう。

話題として時々上がることがある「エクセルなどの表計算ソフトを使用した簡単な計算」は全体では50.7%で、あくまでも自認だが半数以上の人はできる。これは30代がピークで60歳以降は大きく値が減る。見方を変えれば50代でもできない人は5割前後にとどまっている。

「パワーポイントなどのソフトを使用した資料の作成」となると、元々そのようなものを作る必要がある人がスキルを持つケースが多くなるからか、全体でも34.3%と3割強でしかない。30代では56.3%もの人が作れるとしているが、50代では37.3%にとどまっている。「50代でも作れる人は4割近くもいるのか」と逆に驚く人もいるかもしれない。

世帯構成別ではおおよそ若年層が該当する世帯ほど高い値となる傾向がある。高齢世帯(高齢者のみ)ではいずれのスキルも低い値でしかない。

続いて今回提示されたスキルの中では、比較的難しいものについて。

↑ 個人のICTスキルの実情(属性別、その2)(2023年)
↑ 個人のICTスキルの実情(属性別、その2)(2023年)

単純に接続するだけではなくコントロールができるようにするまでをも意味する「パソコンにプリンタやカメラなどの機器を接続」は49.7%。最近では電源をオンにした状態で接続すれば自動的に設定まで済ませてくれる場合もあるが、大抵は用意されているドライバソフトなどを組み込み、さらに最適化のための設定が必要となる。そこまでできる人は半数程度しかいない。30代では72.6%だが、60-64歳になると5割近くになる。

「インターネットを利用したソフトウェアのダウンロードやインストール」は全体で55.6%。設問では単純なダウンロードやインストールだけだが、実際にはセキュリティの観点で安全な作業を行えるかまでを含んでいると考えられる。30代では78.6%の人ができると自認しているが、60-64歳になると5割台後半となる。

「パソコンと他の機器との間でのデータのやり取り」は全体では44.8%。具体的には例えばスマートフォンやデジカメのデータをパソコンに有線やブルートゥースなどで転送することを意味する。転送元・転送先双方の知識、さらには転送用のソフトやハードの使い方も知っておく必要があるためハードルはやや高め。

「プログラミング言語を使用してコンピュータプログラムを作成」は全体でも6.1%。質問票では具体的にプログラミング言語に関する指定はないが、とにかく回答者がプログラミング言語と認識しているものを使いこなしプログラムを作れるとしている人は1割にも満たない。20代と30代では1割を超えるが、60歳以降では5%を切る。

「SNSによる写真、動画、意見の投稿や閲覧」は2023年調査から加わった項目で、そのため序列が最後になっているが、できるとの人は案外多い。全体では52.1%、20代がピークで81.0%。60−64歳でも43.3%ができるとしている。

これらのスキルも多分に年齢と連動性があるようで、世帯構成別ではやはり若年層が多分に該当するであろう単身世帯(非高齢世帯)が高い値を示し、高齢世帯(高齢者のみ)は一段と低い値にとどまる。



本文中で何度か指摘しているが、これらのICTスキルの習得度合いは、あくまでも回答者自身の自認による判断でしかない。自分はパワーポイントを使って資料を作れるとの自覚を持っていても、実は過去に作られたファイルを手直しする程度でしかなかったり、テキストのサイズを拡大縮小したぐらいのもののみしか作れないレベルのものかもしれない。何らかの基準に基づいた得点制、試験の合否によるものではないため、実情とはぶれが生じている可能性は否定できない。

それでもある程度、ICTスキルの実情はつかみ取れるはずだ。できれば職種や企業規模別の動向も知りたいところだが、今件調査ではその類の調査項目が無いので確認はできない。残念な話ではある。


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