「努力すべき」と「努力するべき」どちらがよいと思うか

2019/11/01 04:58

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2019-1031文化庁は2019年10月29日、平成30年度分の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。今発表内容は概要ではあるが、日本の国語の理解や意識の現状を確認できる、興味深いデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、普段用いる言葉の中で併用されている使い方において、どちらがよりよいと思われているかを確認していく(【平成30年度「国語に関する世論調査」の結果について】)。



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今調査は2019年2-3月に全国16歳以上の男女に対して個別面接調査方式で行われたもので、有効回答数は1960人。調査対象の抽出方式や属性別構成比は非公開。

次に示すのは普段用いる言葉の中で併用されている使い方を並べ提示し、どちらがよいと回答者自身は考えているかを答えてもらった結果。使う場面などは特に指定しておらず、全般的な印象を答えてもらっている。どちらが正しいか間違っているかといった問題では無いことに注意。

↑ 言葉の使い方(文体、書き方)としてどちらがよいと思うか(2019年)
↑ 言葉の使い方(文体、書き方)としてどちらがよいと思うか(2019年)

例示された選択肢はA)が昔ながらの、格式高い表記、B)は今風の砕けた、分かりやすい表記でまとめている。実のところは多分に、A)は昔から使われていた表記で、B)は変化した時期はそれぞれ違うが、使われていくうちにA)から変化したものとなる。また、一部には微妙に意味が異なる場合もある。

もちろんA)もB)も表記として間違っているものではなく、どちらを使っても問題は無い。一方で、その言葉が使われる場面や前後関係などで、とちらか一方の方がより適切と思われるものも多々あるのも事実。例えば公用文などではどちらかといえばB)よりもA)が使われる場合が多い。

「規則に準ずる」「規則に準じる」では3/4近くが「規則に準ずる」の方をよいと考えている。「予期せぬ事態」「予期しない事態」では2/3近くが「予期せぬ事態」、「努力すべき」「努力するべき」では6割近くが「努力すべき」。公用文に限らず、ビジネスや正式な場で使われる言葉においては、多分にA)の方をよいと考える人が多いようだ。

他方「外は寒かろう」「外は寒いであろう」では「外は寒いであろう」を選ぶ人は2/3ほど。「外は寒かろう」では昔話のような古めかしさを感じる度合いが大きいため、現在のやり取りでそのまま使うと違和感を覚えてしまうのかもしれない。

くり返しになるが今回挙げられた選択肢における言葉の使い方は、片方が正しく、そうでない側は間違っているというわけではない。多様な文章、言葉のやり取りの中で、適材適所な使い方を覚え、使いこなしていくべきだろう。


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