電子書籍を利用している人は25.2%
2019/11/01 04:58
文化庁は2019年10月29日、平成30年度分の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。今発表内容は概要ではあるが、日本の国語の理解や意識の現状を確認できる、興味深いデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、電子書籍の利用実情に関する調査項目を確認していく。世間一般では電子書籍はどれぐらい浸透しているのだろうか(【平成30年度「国語に関する世論調査」の結果について】)。
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今調査は2019年2-3月に全国16歳以上の男女に対して個別面接調査方式で行われたもので、有効回答数は1960人。調査対象の抽出方式や属性別構成比は非公開。
次に示すのは普段から電子書籍を利用しているか否かについて、回答者の実情を尋ねた結果。設問は単純に「普段電子書籍を利用しているか」だけで、詳しい説明は無い。選択肢に「紙の本・雑誌・漫画も電子書籍も読まない」とあることから、紙媒体と電子媒体との区分は明確に行われていると判断できる。一方で電子媒体で提供される電子雑誌に関する説明が無いが、設問や選択肢の文脈から、電子雑誌も電子書籍に含まれているものと見なしておく。
↑ 普段電子書籍を利用しているか
直近ではよく利用する人が8.0%、たまに利用する人が17.2%で、合わせて25.2%が電子書籍を利用している。利用率25.2%、1/4ほどという形。一方で、本の類は読むが紙媒体によるものだけで、電子書籍は読まない人は38.7%。
さらに紙媒体であろうが電子媒体であろうが本も雑誌も一切読まないという人も35.1%いる。テレビやラジオで娯楽は十分、あるいは文字を読むにしても新聞だけ、という人が該当することになるが、1/3以上もいるのには驚きである。本棚が無い家が少なからずあるという話は時折ネタ話として話題に上るが、案外少なくないのかもしれない。
経年推移を見ると、5年前と比べて電子書籍の利用率は17.2%から25.2%と8.0%ポイントも増加している。「紙の本・雑誌・漫画も電子書籍も読まない」の値はほとんど変わらないことから、紙媒体の本などを読んでいる人、つまり読書をする人が電子書籍も利用するようになったと解釈すればよいだろう。
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