インターネット経由での出版物販売額は2737億円に…インターネットでの売上と出版物販売額との関係(最新)
2026/01/22 02:48
日販による「出版物販売額の実態」最新版(2025年版)では印刷物に関する販売動向が多方面の切り口で調査され資料化されている。今回はその中から、インターネット上で取引された金額のうち、出版物販売額がどれぐらいの割合を占めているのか、その実情を確認していくことにする。インターネットによる取引が増加していることは周知の通りだが、それに伴い出版物販売額の割合は増加しているのだろうか。スポンサードリンク
「出版物販売額の実態」最新版(2025年版)では過去のデータも合わせると、2007年度以降におけるインターネット上での総売上、そしてそのうちインターネット上における出版物の販売額(電子書籍などは含まず。あくまでも紙媒体の取引)が示されている。そこでまずは、その双方の動向をグラフ化したのが次の図。

↑ インターネット総売上とインターネット経由による出版物販売額(億円)
記録が残っているもっとも古い2007年度ではインターネット総売上は3兆8800億円。インターネット経由による出版物の販売額は932億円。これが直近の2024年度ではそれぞれ14兆5500億円・2737億円にまで成長している。直近の2024年度の額は、それぞれ2007年度分からはおおよそ3.8倍・2.9倍の成長。グラフの区分は双方で異なるものの、成長度合いは2022年度までは同じように見える。なお2020年度で大きな伸びが生じているのは、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務・学習が増えたことにより、インターネット経由で本を買い求める人が増えたのが要因だと思われる。
一方、2023年度ではインターネット経由による出版物販売額が初めて前年比でマイナスとなり、直近2024年度でも前年度比マイナスが続いている。単年の動きではないことから、おそらくは2022年度の値が、インターネット経由による出版物販売額の天井なのだろう。あるいは同じタイミングで電子書籍の販売額は増加を続けていることから、インターネット経由であっても紙媒体の出版物の需要は電子書籍などにシフトする動きがあり、それが本格的なものなったのかもしれない。
インターネット経由による出版物販売額が、インターネット総売上の何%に相当するのか、毎年度ごとの割合を計算したのが次のグラフ。

↑ インターネット上の総売上に対する出版物販売額の比率
多少のぶれがあるものの、大体2.6%前後で維持されていた。つまり、元々インターネットの総売上における印刷物販売額の割合に大きな変化はなく、インターネットによる取引そのものの拡大に伴い、インターネット経由による出版物販売額も増えていたまでの話。全体の規模拡大に連れて一要素の規模も大きくなっている次第ではあった。
しかし2018年度以降、踊り場をはさみながら、この値は減少の傾向にある。直近2024年度では1.88%と過去最低値を更新。インターネット経由による出版物販売額が2023年度に続き前年比マイナスを記録したことと合わせ考えるに、他の印刷物同様、インターネット経由でも印刷物の販売が落ち込みを示し始めたと解釈すればよいのだろう。
インターネットは道具、インフラの一種に過ぎず、それが普及し、利便性が高まればそれに連動する形で、利用される物量の規模も拡大していく。売上が増えればその構成要素の出版物販売額も増えるのは物の道理。いつまでも同じ調子で成長を続けるわけではないだろうが、しばらくは堅調さを見せ続けてくれるだろう。
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(C)日販 ストアソリューションチーム「出版物販売額の実態2025」
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